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ザックリやチョロが激減!フック回転のコロがすアプローチ術を伝授

100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意 第20回

2023/01/17 ゴルフサプリ編集部 高橋健二

アプローチウェッジ

100切りを目指すビギナーから、つねに80台前半で回りたいと思うアベレージまで、ゴルフが上手くなりたい人は必見!エージシューターがやっている練習法や体調管理、スコアメイク術からホール攻略法まで詳しく紹介します。

「当て方」で差が出るアプローチ

前回、スイングには「振り方」と「当て方」があると説明しました。その「当て方」がもっとも重視されるのがショートゲームのパットアプローチです。パットについては前回詳しく説明しました。

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今回はパット以上に「当て方」で差が出るアプローチについて詳述します。

ピンまで30歩前後のアプローチの際、PWやAWを使ってピッチエンドランで寄せようと考えたとき、レッスン書ではキャリーとランの割合を、AWなら2:1、PWでは1:1と考えて落としどころに打っていけ、と説明していますよね。

ところがその通りに打ったのに、想像していた以上にスピンがかかりすぎて、途中でキュキュッと球が止まり、2パット目が大きく残ったという経験はありませんか?私はしょっちゅうありました。だいたい、いつもショートしてしまうのです。

アプローチはできるだけ「転がしを使え」とはよく言われることですが、ランニングで寄せようと考えたら、クラブを9番アイアンか8番アイアンに持ち替えないといけないくらいで、PWでのランニングはほぼ諦めていたほどでした。

アプローチは「AW」1本で自由自在

アプローチウェッジ

ところがあるとき、アプローチはランニングもピッチエンドランも、上げて止めるピッチショットも、AW1本で自由自在に寄せるエージシューターに出会いました。

そのエージシューター(仮にSさんとしておきますが)、Sさんのアプローチで一番びっくりしたのは、グリーンの外から2段グリーンの上のあがってすぐのところに切ってあるピンに向かって、ランニングで転がし上げたアプローチを見たときでした。

2段グリーンの、上の段のすぐのピン位置は、プロでもなかなか距離感を合わせにくいですよね。手加減すると上の段に上がり切らずに戻ってくるし、それを恐れて強く打つとピンを大きくオーバーする。

だいたいは2段グリーンの段差の大きさにもよりますが、3パット覚悟で強く打つ人が多いのではないでしょうか。しかしSさんは、腰の高さほども段差のある2段グリーンを、いとも簡単に寄せて見せたのです。

グリーンのカラーから5メートルほど外に出た場所から、このときもAWでした。後続の組がまだ2打目地点にきていないのを確認して、私はSさんにもう1度やってみせてと懇願しました。

Sさんは苦笑しながらやりましたが、2度目もやはりピンから1メートル以内に寄りました。私にはSさんが神様に見えました。その後もグリーンのカラーから10メートル以内のアプローチは、ことごとく「寄せワン」のパーを拾っていました。

Sさんのアプローチは、転がせるところはすべてランニングでしたが、止めなければいけないところではピッチショットもしました。私はグリーン周りにくると、自分の打順を忘れてSさんのアプローチを凝視していたのです。

カギは「ボール位置」と「ストローク軌道」

Sさんのアプローチを見ていて気付いたことがありました。一般にレッスン書に書いてあるアプローチの「基本」は、アプローチは飛ばすショットではないので、

(1)両足は肩幅より狭く、ないしは両足を揃えて立つ。
(2)やや左足を後方にずらしてオープンスタンスで立つ。
(3)ボール位置は右足親指の前。
(4)グリップは左太ももあたりに構え、ハンドファストでストロークする。

こんな内容だと思います。これはこれで「基本」なので大事ですが、Sさんは違っていました。

Sさんの基本

まず、「上げる」か「転がす」かによってボール位置を明らかに変えていました。

転がしで寄せるときは、ボール位置が右足の外側だったのです。当然、AWのロフトは8番アイアンくらいに立てた構えです。その位置にボールがあると、テークバックで、ヘッドはターゲットライン後方に引きづらいのでインサイドに引き上げます。

インサイドに引き上げることで、ヘッドは「低く、低く」動きます。そしてそのまま「低く、低く」ストロークし、アウト側に振っていきます。

詰まり「イン―アウト」の軌道でストロークしていたのです。Sさんが言いました。

「コツは、構えたときにフェースの向きをターゲット方向に向け、ストローク中ずっと、そのフェースの向きをキープすることですよ」

フェースの向きをターゲット方向に向けていれば、振る軌道が「イン―アウト」であってもボールはターゲット方向に飛び出します。しかも、「イン―アウト」の軌道に振ることで、低く動いたクラブヘッドは、インパクトエリアで徐々に上がりながらボールに当たります。

逆に「アウト―イン」の軌道で振ると、ヘッドは徐々に下がりながらボールに当たります。アプローチでザックリとチョロが多い人は、「アウト―イン」の軌道で振っているのです。

練習場ではナイスショットの練習をするだけでなく、そんなことを意識しながらアプローチの練習をすると楽しくなります(笑)。

転がしで寄せる「当て方」のコツ

  • ボールは右足の外(1足分くらい)
  • フェースはターゲット方向に向ける
  • ロフトを立てて構える(ロフトの立て具合は転がす距離による)
  • フェースの向きをキープしたままイン―アウトの軌道で振る。

Sさんの基本のスイング
撮影/高橋健二 (1)アドレス(2)トップ(3)インパクト

話が横道にそれましたが、これが転がしで寄せる「当て方」のコツです。この「当て方」をするとボールにフック回転がかかるので、「足の長い」ランニングアプローチができます。

ランニングの上手いゴルファーは、ほとんどが足の長いアプローチをしています。フック回転をかけているので多少の段差は関係なく駆け上がり、直進力が強いのでカップインすることも多いのです。

砲台グリーンが楽しくなるフック回転のアプローチ

日本のゴルフ場は、多くの場合「砲台グリーン」を採用しています。言い換えると、グリーンを外したときは、ほとんどが上りのライが残るのです。

その場合、ピンが近いと「上げて止める」ピッチショットで寄せるのは至難です。とくにグリーンを外したボールはラフにあることが多いので、「上げて止める」打ち方は、ほぼ寄らないことを覚悟してやるしかありません。

しかし、フック回転をかける「当て方」を知っておくとすごい武器になります。先日のラウンドでこんなことがありました。

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私とNさんのボールが、カラーから50センチ外のラフに止まっていたのです。ラフは刈り込まれた状態でボールは芝の上に乗っていましたが、明らかに逆目でした。逆目で軽い砲台のラフから5メートル先のピンに向かって寄せるアプローチが残っていたのです。

先にNさんが打つことになりました。NさんはSWで2~3度、素振りを繰り返しましたが、ストローク中にヘッドが逆目の芝に突っかかるので、安全策を取ってSWをパターに替えて寄せました。結果は1メートル半オーバー。

私はNさんの素振りを見て、ヘッドの抜けが悪いライだとわかったので、SWのロフトを立てて「イン―アウト」に振り、SWのリーディングエッジをボールの赤道の下、ニュージーランドあたりに当てる意識でストロークしました。

ボールはカラーを越えたすぐ先のグリーンに落ちましたが、フック回転でコロコロと寄り、カップインしました。一方のNさんは、残った1メートル半の下りを決めきれずボギー。このホールだけで2打の差がついたのでした。

このケースはラフが刈り込まれていたので、比較的ラクでしたが、多少芝の伸びたところからでも、フック回転をかける「当て方」は武器になります。

SWのロフトを立てて「インーアウト」の軌道でストロークしてみて下さい。ターゲットラインに沿って真っ直ぐ後方に引き、真っ直ぐ振り下ろしてきたときと比べて、芝の抵抗がほとんどないことは、少しゴルフの経験のある人ならわかると思います。

「イン―アウト」にストロークするときは、ヘッドはタテに伸びている芝の隙間を潜り抜けていくイメージです。ターゲットラインに沿ってストロークするときは、ヘッドはリーディングエッジで「芝を刈りながら」振っていくイメージなのです。芝の抵抗が違うことは、そのイメージだけでも想像がつくでしょう。

逆目の芝でも、多少ボールが沈んでいるライでも、まったく苦にしないフック回転の「当て方」。皆さんの参考になれば幸いです。

次回は「上げて止める」ピッチショットの「当て方」について紹介します。

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高橋健二

高橋健二

ノンフィクションライター。1948年生まれ。

企業ものノンフィクション「スーパーファミコン任天堂の陰謀」などを多数執筆。趣味はゴルフ。エイジシュート達成者(エージシューター)を100人以上取材し、自身も68歳のとき1度達成している。

なお、エージシューターとは1ラウンド(18ホール)のゴルフで自分の年齢以下のスコアを出したゴルファーのこと。生涯で達成できるゴルファーは非常に少なく、ゴルファーにとっての究極の目標でもある。


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