『Caddytalk CUBE』は、ないと困る!レーザー測定器の先頭を突っ走る最終兵器である
GOLFZON Japanの『Caddytalk CUBE』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
『Caddytalk CUBE』はどんなレーザー計測器なのか?コースに持ち込んで、その真相をレポートする。
撮影/篠原嗣典
ポケットサイズのレーザー測定器に業界初のキャディモードが採用されて最強になったCaddytalk CUBE!
GOLFZON Japanは、2022年11月下旬に『Caddytalk CUBE』を発売した。
大ヒットしたレーザー計測器といえば、『Caddytalk minimi』を挙げるゴルファーは一定数いる。クレジットカードと同じぐらいの大きさで、ベルトに装着するのではなく、ポケットに入れられる携帯性能。「Horizeon Detect」で正確な測定を可能にして、高度・温度・湿度を反映して実行飛距離を測定する「eスロープ」などを搭載した高性能。
僕の周囲でも使用者が何人もいて、快適そうだと横目で見ていたのだ。
更にスゴい機能を搭載した『Caddytalk CUBE』という新しい機種が出るという噂を聞き、発売前にデモ器を借りて、ラウンドテストをすることになった。
『Caddytalk CUBE』は、コンパクトなサイズ、正確に測定する「Horizeon Detect」、高度・温度・湿度を反映して実行飛距離を測定する「eスロープ」などはそのままに、新たに「CADDYMODE」という新機能が搭載されている。
「CADDYMODE」とは
「CADDYMODE」は、その地点からピンの距離ではなく、ボールまで行かなくとも離れたボールとピンの距離を測れるという夢のような新機能である。
また、モニター内で赤と緑の「カラーOLEDビューファインダー」を採用して、ターゲットに合わせやすくしている。そして計測器のサイドの液晶部分に、目標地点まで飛距離を表示したり、現在のモードなどが表示されるようになっているのだ。
想像以上に新しさ満載で、正直な話ちょっと驚いたのである。最大の理由は、それでいて自分が使用しているレーザー測定器の約半分の価格だと知ったからだった。
僕はこれまで国産の某メーカーのレーザー測定機から始まり、性能面では満足していたが、乗用カートの振動ですぐ壊れてしまうというマイナスの特徴に苦しんだ挙げ句、米国の有名メーカーのレーザー計測器に変更した。その頑丈さに満足して、5年以上使用してきた。
『Caddytalk CUBE』で最初に関心があったのは、小さくて繊細な機械は、また壊れやすい弱点を持っているのではないか? だった。そういう事情があったのでメーカーに無理を言って、約10ラウンドのテストをすることを承知してもらった。
耐久性を確認したかったのであるが、これが結果としてラッキーだったのだ。数回のラウンドではわからなかったことが、色々とわかったからだ。
新機能“CADDYMODE”搭載|GOLFZON レーザー計測器「Caddytalk CUBE」登場
GOLFZON Japanはレーザー距離計測器の新製品「Caddytalk CUBE」を発売する。2022年11月下旬よりGOLFZON公式オンラインストア...
『Caddytalk CUBE』は、レーザー測定器を愛用する全てのゴルファーの夢を叶える!
『Caddytalk CUBE』は、名前の通りに四角い箱のようなデザインだ。男性の手だと、完全に手の中にすっぽり入ってしまうぐらいの大きさだが、角がしっかりあることで、小さいけれど持ちやすくなっている。
ボタンは上部と下部の二つしかない。上部は計測する際に押すボタンで、下部のボタンは新搭載の「CADDYMODE」のオンオフボタンになっている。
ポケットに入れても邪魔にならないし、持ちやすさはとても良い。しかし残念なのは、下部のボタンの位置が指が触れやすい場所にあり、ボタンも敏感なので、慣れないうちは起動するたびに「CADDYMODE」がオンになってしまってちょっと困ったりもした。ただ、多用するゴルファーにとってはそのほうが良いのかもしれない。この辺りは、使用法によって評価が分かれると思われる。
サイドの液晶画面に情報が出るのは、「どんな意味があるのか?」と少し疑問だったが、これは使用モードが同伴者などでも確認できる点で重宝することがわかった。色々な情報を加味して、実際には何ヤード打てば良いのかという情報が出る「eスロープ」と「Mスロープ」というモードは、厳密には規則違反だからだ。
ただ距離だけのモードのときは、サイドの液晶表示の上部に赤い表示が出て、違反はしていませんと証明してくれるのである。(「eスロープ」時は緑、「Mスロープ」時は青に光る)
赤と緑のファインダー内の表示は、慣れないうちはちょっと派手すぎて使いづらかった。
一応明るさは3段階に調整できるようになっている。最終的に一番明るい表示にして使用したので、慣れだと思われるが、2色カラーにする利点はあまり感じなかった。
『Caddytalk CUBE』でなければもう使えない、と思わせる携帯性と高性能はお見事である!
『Caddytalk CUBE』は、非常に敏感に距離を測定する。もちろんその距離は計測法さえ守れば正確である。
ただファインダー内でピンの手前に木があったり、細かい雨や靄が出るとその敏感さが仇になって、距離測定不能になることがあった。この辺りに関しては、米国有名メーカーも同じ傾向があるとはいえ、距離測定不能の同じ場所から両方を試してみて、後者は計測できることが複数回あった。
ファインダーの中から積極的にピンを探していくような機能があるようだが、手前に木があったりすると、その木がファインダーから外れる位置まで移動しないと計測に時間がかかることもあった。敏感すぎるのも使いようなのだと思う。
『Caddytalk CUBE』の最大の特徴である「CADDYMODE」は、最初の数ラウンドは、上手く使えずに困った。
- 「CADDYMODE」がオンになると、モニターの上部に「+ CADDYMODE +」と言う表示が出る。
- 左側の「+」が点滅している内に、ボールにターゲットラインを合わせて上部ボタンを押す。
- ロックされ、右の「+」が点滅するのでピンにターゲットを合わせて上部ボタンを押すと、ボールとピンの距離が出るのが、正常に機能したときの流れになる。
最初は5回に1回ぐらいしか上手くいかなかった。ボールにターゲットを合わせて、上部ボタンをいくら押しても、全くロックされないのだ。その内時間切れでモードが終わってしまうのだ。
発売前にテストを始めたせいで、取扱説明書の類いがないので焦ったが、ある日のラウンドで判明したのだ。これは全ての動作でも影響するのだが、通常にボタンを押すというときに長押しにならないように注意が必要だったのだ。
本当に一瞬だけ素早くクリックするような感覚で押せばちゃんと機能することがわかってからは、ほぼ失敗せずにモードを使いこなせるようになった。
注意するポイント
ただ、ここでも敏感な特徴が出るので注意である。ゴルフコースは平らに見えても案外と傾斜があるものなのだ。ボールの手前にほんの少しでもマウンドや盛り上がりがあったり、ボールが凹んでいる位置に止まっていると、ボールではなく、数ヤード手前の地面をロックしてしまうのだ。
ボールとピンまでの距離が正確に出ているか、モードを試した後に答え合わせをしたが、ボールの周辺のライが先程のような状況にある場合は、数ヤードの狂いが出てしまった。
三角関数を使ってボールとピンの距離を出す仕組みだと推測できるので、モード中は自分が移動しないこともマストであることも付け加えておく。
この「CADDYMODE」は注意点はあるものの、使っていく中でないと困ると感じるほどになっていった。乗用カートから離れた自分のボールからの残りの距離、同伴者のボールと残りの距離、計測してからクラブを選ぶのが便利なので、やめられなくなのである。
『Caddytalk CUBE』の小ささが弱さに見えて、10ラウンドにわたって耐久テストをしてみたが、壊れることはなかった。カートのカゴに入れて強い凸凹がある道を走ったりもしたが、問題なく動作した。ちなみに、電池ではなく、USB方式の充電式になっている。
動作中にバッテリーの残量が確認できない不安があったので(充電する際に、バッテリー残量が液晶部分に表示される)、10ラウンドの途中で1度だけ充電したが、その際のバッテリー残量は70%だった。使用状況によるとは思うが、寒さ暑さがちょうど良い春秋シーズンであれば、一度の充電で10ラウンドぐらいは楽勝に使えそうな印象を持った。
『Caddytalk CUBE』は、レーザー測定器が好きなゴルファーにオススメしたい。
ポケットに入れて使える携帯性の良さ、計測器としての優秀さ、この計測器だけの「CADDYMODE」の利便性の高さ、そしてコスパの良さ。
お見事なレーザー測定器である。敏感な操作性は若いゴルファー向けかもしれないが、老若男女が試してみるべきだと本当に思ったのである。
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篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。
東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。
試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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