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ピンゴルフの『G430 アイアン』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

いわゆる「飛び系」の『G430 アイアン』は、新しい時代のスタンダードになるアイアンの飛びと打感を教えてくれる!

2022/12/07 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

G430 アイアン

ピン『G430 アイアン』はどんなゴルファーに合っているのか?コースに持ち込んで、その真相をレポートする。

撮影/篠原嗣典

G430 アイアンは最先端の飛び系アイアンとして作られた!

G430 アイアン

ピンゴルフは、2022年11月11日に『G430 アイアン』を発売した。

『G430』シリーズのコピーは、“激飛。快音。”である。と言いながら、『G430 アイアン』の7番のロフトは、29度だ。クラシックな7番アイアンのロフトは34度とされているので、5度立っているだけなのだ。いわゆる「飛び系アイアン」で、1番手アップという感じになるのだと考えられる。

近年のヒットアイアンの多くは「ぶっ飛び系アイアン」で2番手アップは当たり前なので、少し中途半端な感じがするのは否めない。ピンゴルフは、アイアンのラインアップがたくさんあるので、そのバランスから「飛び系」という選択肢だと思われる。しかし『G430』シリーズにはアイアンは1セットだけであることを考えると、妥当だといえるのかもしれない。

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『G430 アイアン』は最先端のテクノロジーが搭載されている。深いキャビティ部分に蓋をする「ピュアフレックス」は、7つのゾーンに分かれた新構造の衝撃吸収バッチになっている。インパクト時の衝撃を制御し、ソフトな打感と快音を生み出すという。

フェースは、前モデルより約3%薄い新フェースと新ロフト設計で、ボールの初速がアップして理想的な飛びと高さを実現するとのこと。ホーゼルを短くして、ヘッドも重心を下げ、高比重ウェイトの位置も最適化することでブレずにミスヒットに強くなったらしい。

じっくり見てみると、ソールは厚めでフェースにも番手の刻印がある。第一印象は、懐かしさを感じる、だった。標準シャフトは、スチールシャフトだけでなんと6種類あり、加えてカーボンも2種類ある。
想像するにヘッドは純粋に機能を発揮するようになっていて、シャフトの特徴と合わさることで、足し算ではなく、掛け算になる成果を生むことを狙ったのが『G430 アイアン』ということなのであろう。

今回は使い慣れている「N.S.PRO 850GH neo」(Sフレックス)を装着した『G430 アイアン』で、ラウンド試打をすることになった。番手はフルセットで、4番〜9番、PW、45、50、54、58の完全なフルセット。使用ボールは、正確な試打をするために使い慣れている『TOUR B X』を使用した。

『G430 アイアン』は、どんなゴルファーに合っているアイアンなのか?というベーシックなポイントに注目して打ってみた。

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『G430 アイアン』は、楽に振れて、楽々飛ぶ、スコアアップできるアイアンになった!

G430 アイアン
公平性を確保するため、試打取材の際には筆者が常用している「TOUR B」ボールを使用しています。

『G430 アイアン』は、実にシンプルに見えるアイアンで、良くも悪くもピンらしさを強く感じるアドレスビューになっている。とはいえ、目標に素直に合わせやすく、アドレスしたときの座りも良い。

● 打音と打感:やや控え目な音量の打音、シャープで残響を抑えた鞭系の音質。軽いの打ち応え。手応えは、鈍感で、フェースのどこに当たったかがわかりづらい。
● 弾道:高弾道。基本はストレートに飛ぶが、ややとらえる挙動がある。ボールの曲げにも反応する。
● 飛距離:ロフト通りの飛距離。スピン性能は、短いアイアンは、その場で止まろうとする。

『G430 アイアン』は、ベタベタのやさしさに慣れているゴルファーには違和感があるクラブである。純粋で、あまり余計なことはしない、という予測は当たっていたからだ。

例えば、極端なドローバイアスは入っていないし、飛距離性能も弾道とリンクさせることにウェイトがかかっていて、変に無理をしている感覚は一切しないのだ。ややドローするのがピンらしさだと思っているので、ほぼストレート系であるが、そういう意味では個性だと感じた。

そして最も潔いと感心したのは、ミスヒットしたときにゴルファーを助ける機能だ。芯を少し外したぐらいまでは、距離のロスが少なくなるように助けてくれるが、それよりも少しでも外れると、ガクンと1番手マイナスの飛距離になってしまうのだ。

個人的には、この特徴は長い目で見るとプラスになると考えているが、やさしいことに特化しすぎたアイアンを使っているゴルファーは、『G430 アイアン』にシフトしてしばらくは苦労すると推測する。

もう一つ感じたのは、ミドルアイアンはスピンよりしっかりと飛距離を出すように調整されていることである。この辺りはゴルファーによって極端に評価が分かれる。ミドルアイアンが少し転がったほうが良い、というのは女子プロでは多数派になっていると聞くが、そのほうが一般のゴルファーにも使いやすいのだと思う。

こんなゴルファーにおすすめ

『G430 アイアン』は、長い目で見てスコアアップしたいゴルファーにオススメである。しっかりと当たらないと機能をフルに発揮しないアイアンは、結局スイングの精度を上げてくれるからだ。

また、右に押し出すミスに悩んでいるゴルファーにもオススメしたい。ややとらえる動きは、ドローという球筋よりも、単純に打ち出しに影響するからだ。

『G430 ドライバー』三兄弟の1本がドンピシャに良くて、アイアンも揃えようか、と考えたゴルファーには、注意が必要だ。万民のためのアイアンというよりも、いわゆる中級者と上級者のゴルファーが使いやすいように仕上がっていると思うからだ。

ドライバーは3本で広い層のゴルファーに合うようにできているが、アイアンは1セットしかないのだ。強いていえば『G430 MAX ドライバー』の使用者とリンクする感じだと思う。

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個人的には『G430 アイアン』は打っていて楽しかったし、スコアも良かった。楽に振れて、楽々飛ぶ。しっかり芯に当ててやれば、素直に応えてくれるアイアンだった。

ピンゴルフはアイアンのラインアップが充実しているので、『G430 アイアン』は、ちょっと目立ちにくいかもしれない。しかし、今後のゴルフ市場においてベーシックになるのは、『G430 アイアン』のようなアイアンだという強い主張を感じさせた。

余計なことをしないことでゴルファーに貢献してくれるアイアンと聞いて興味が湧くようなゴルファーには、一度打ってみて欲しいアイアンなのである。




篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。
東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。
試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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