冬にクラブを買い換えるときの注意点、知っていますか? 冬場の買い換えの危険性とは
寒さで体が動かないときにクラブを買い換えると、とんでもないことに
ゴルフ雑誌やネットを賑わすゴルフクラブの新モデル。「オフの間に買っちゃおうかな」というゴルファーも多いと思いますが、ちょっと待った!冬にクラブを買い換えるときの常識や冬用クラブを選ぶときのポイント、さらに、買い換えに関する注意点を教えます。
冬の試打は温かいインドアで
毎年冬から春にかけて、新モデルが続々と登場してきます。ラウンド回数が減りがちなこの時期、来るべきシーズンに向けてクラブを買い換え、しっかり打ち込んで準備をしておこうと考えている人も多いのではないでしょうか?
しかし、冬場の買い換えは注意が必要です。なぜなら、寒さで体が動きにくくなっているときにクラブをフィッティングしてしまうと、自分の能力以下のスペックを選んでしまう危険性があるから。温かくなってビュンビュン振れるときになると、「なんか物足りない」ということになりかねません。
どうしても冬場に新モデルを手に入れたいと思うなら、インドア施設を併設した店舗で、きちんと試打をしてから選ぶことをオススメします。
本来試打は、実際のラウンドで行うのがベストで、それが無理でも打ち放しの練習で弾道を見ておきたいところですが、体を震わせながらボールを打つよりも、いつものスイングができる環境で試すほうがいいでしょう。
ただしその場合も、店舗に入ってからすぐに打ち始めるのではなく、体が温まるのを待ち、できればストレッチなどをしてから打つようにしましょう。
また、寒さとは関係ありませんが試打をする際は、普段使っているボールを使うというのが鉄則。そうしないと、それまで使っているクラブとの打ち味の違いや、性能を比較することはできませんよ。
秋冬用として使うなら重めで長めのクラブを
また最近では、ガンガン振れるトップシーズンと、体の動きが鈍くなる秋冬シーズンとで使うクラブを替えている人もいるようです。この考えは実に素晴らしく、もしできるのなら、このように夏冬用にわけたいものです。
ただ問題は、秋冬用クラブの選び方です。ほとんどのゴルファーは、秋冬になるとトップシーズンほどシャープに速く振れなくなるので、軽量で短めのクラブを選びがち。しかしこれは間違いです。
なぜなら、速く振れないからといって軽量、短尺にしても、体の動き自体は速くなるわけではないので、どちらかというとギアを軽くしすぎた自転車を下り坂で漕いでいるような“空回り”するような感じになってしまうからです。
それに対し、長尺シャフトにしたり、ヘッドを重めにすれば、ゆっくりとしか振れなくなった体の瞬発力や衰えた筋肉、関節の柔軟性をクラブが補ってくれます。その結果、トップが浅くなることがなく、手打ちにもならず、長い竹ぼうきを振ったときのように体全体を大きく、躍動的に使うことができるようになるので、体の動きに鈍くてもそれなりに飛んでくれます。
この考え方は寒いときだけでなく、体力が衰えたときにも当てはまります。自分のスイングを動画で見て、「なんとも気の抜けた、ゆっくりすぎるスイングだな」と思ったら、ヘッド重量や総重量が重めで、シャフトが長めのものを手にしましょう。
そのクラブを自分なりのゆったりとしたテンポで大きくスイングすれば、確実に飛距離は出るし、ボールも上がるはずです。
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調子の悪いときの買い換えはNG
最後に、クラブ選びについてもうひとつアドバイスを。これは冬場のクラブ選びに通じるところがありますが、調子が悪いときや悩んでいるときは買い換えを控えたほうがいいということです。
そもそも調子が悪かったり、悩んでいるときというのは、体でいえば病気の状態と同じです。その病気の具合に合わせて新たなクラブを手にしたとしたら、健康体に戻ったときそれがフィットしなくなります。
だから、クラブを買い換えるときはガンガン振れる絶好調のときに。それもしっかり振れるものを選びましょう。調子の悪いときに楽に打てるスペックを選んでしまうと、楽なクラブに合ったスイングになってしまい、レベルダウンしてしまうので注意してください。
真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
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