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オフシーズンだからこそ!ジャンボ流でクラブを握らずに基礎体力をつけよう

ジャンボに聞け!ジュニアゴルファーの育て方 VOL.8

2023/02/02 ゴルフサプリ編集部

ゴルフ練習場

日本にも寒い冬がやってきた。ゴルフもオフシーズン真っ只中だが、ジュニアゴルファー達には、今こそやらねばならぬことがあるという。「クラブを振るだけが練習じゃない」。その言葉の裏にある真意とは何か。ジャンボの選手育成法を、身近に見て体験もしてきた愛弟子・金子柱憲が解説する。

GOLF TODAY本誌 No.608/102〜103ページより
取材・構成/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗
撮影/相田克己

オフだからやるべき!ジュニアゴルファーの筋力トレーニング

カートで走り回るジャンボ尾崎

練習施設が充実した尾崎ゴルフアカデミーの中をカートで走り回るジャンボ尾崎。

現在ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーには5期生まで60人が在籍。6期のセレクションは2月に行われるが、基本的に定員は決まっていない。

「10人の年もあれば、4人の年もあった」(関係者)という実績が示す通り、トップを務めるジャンボ・尾崎将司に才能が認められた者だけに門が開かれるスタイルだ。

その分、ジャンボの「ジュニアに負担をかけないように」との方針を受けて設定された受講費用の安さにも驚かされる。

セレクションに合格した生徒の入会金は3万円で、月額1万円、宿泊しても食事付きで一泊3000円という低料金。これで1万坪の広さがあり「ありとあらゆる練習ができる(金子)」環境を利用できるのだ。

だが、だからこそ、そのトレーニング内容には厳しい目が向けられている。この時期に陥りやすいパターンに、金子が警鐘を鳴らす。

金子柱憲がジャンボの真意を語る

スイング練習

「子供たちはオフもやっぱり、シーズン中と同じでボールを打ちたがる。

うまくなりたい、という気持ちからですが基礎体力もついておらず、自分のスイングもでき上がらないうちからスイングを変にいじってしまうと、その繰り返しになってしまう。

時にはクラブを握らずに、筋力トレーニングに専念することも大事なので、そういう子にはジャンボも『球ばっかり打っていてもうまくならないんだぞ』と、よく釘を刺しています」。

実は金子自身も、ジャンボ軍団に合流したばかりの頃、あまりにクラブを握らない期間が長いため、不安に駆られた経験がある。「クラブを1カ月間握らない」ことなど、経験したことがなかったからだ。

当時のオフトレの内容を著書である「誰も書けなかったジャンボ尾崎」に金子が書いているので、ここで抜粋しておこう。

著書「誰も書けなかったジャンボ尾崎」抜粋

ハゴミントン

オフの練習で尾崎自らは発明した「ハゴミントン」。これ以外にも器用なジャンボは多くの練習器具を作成して基礎体力作りを重視した。

「当時のトレーニングは、午前10時から始まり、昼食と休憩を挟み午後6時頃まで続きました。

午前中は、20分程度の軽いランニングから始まり、ダッシュや持久走(タイムトライアル)、各種動き作り、筋力トレーニング等、野球でいうアップに多くの時間を割いていました。

天候が悪く室内で行う時は、ストレッチにかなりの時間を振り分けます。

日頃からジャンボは『筋肉隆々の体はゴルフに必要ない。ゴムまりのような強くて柔らかい筋肉を作ることが大切』と、口が酸っぱくなるほど繰り返していました。

そのため、筋力トレーニングよりもストレッチの方がきつかったのです。ストレッチと言っても、気持ち良い感覚などありません。終わった後には、全員、汗まみれでした。

午後からは、ミニクラブとハゴミントン(※ジャンボが考案した羽子板とバトミントンをミックスしたようなゲーム)、最後に、野球出身のジャンボならではの「地獄のノック」で終了です。

地獄のノック…。これは今でも思い出したくないトレーニングです。約10メートルほどの幅を左右に振られながら一人5本連続でキャッチするまで延々と続きます。

次の日は、臀部やハムストリング(太腿の裏側)が痛くて、階段の上り下りや便座に座るだけで激痛が走るほど強烈なものでした。しかし、トレーニング合宿終盤には、痛みも消え、自分の体が強くなったことを実感したものです」。

ジャンボ軍団のトレーニングは、この後も日々進化を続けました。金子はこうも書いています。

「その後も、ゴムチューブやスイングによる体幹トレーニングなども徐々に取り入れ、少しずつトレーニング内容は進化してきました。

現在のジュニアアカデミーの子供たちにも、もちろん我々の時代からのトレーニングが受け継がれています。しかし、それは全く同じものではなく、長年に渡りジャンボが少しずつ進化させてきたものなのです」。

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金子柱憲が真意を語る

ジュニアの試合が増えてきて、シーズン中にじっくりトレーニングに取り組むことも、スイングの欠点を根本から修正することが難しい時代。だがだからこそ、金子は説く。

「明日のことを考えるのではなく、何年先に、どうなりたいかっていうことが重要。俺もドローボールを打ちたい、と頑張ってフッカーになった。オフだったから大きく球筋を変えるために、体づくりやスイングづくりを手がけられ、体に叩き込むことができるのが、オフの時期なんです」。

ジャンボから金子ら軍団のメンバーに受け継がれた教え。それはオフを過ごす子供たちにも、ピッタリとあてはまる。

金子プロからジュニアへのワンポイントアドバイス

バットスイング

バットでの素振りや、ボール打ちは体幹を鍛えるのにうってつけの練習といえる。スイングをリードする左手、ボールを叩く右手、それぞれで打つことで、最終的には両手のバランスが良くなる。

オフの時期にやるなら、バットスイング。筋力アップにつながり、体幹も強くなります。

これにクラブなど軽いものを振る練習を混ぜましょう。軽いものだけだと、手でスピードをつけられてしまいますから、重いものを使い下半身の引っ張りによってスイングスピードをつける練習が必要なのです。


金子柱憲

金子柱憲(かねこ・よしのり)
1961年3月4日生まれ。東京都出身。日大卒。
14歳でゴルフを始め、アマチュア時代は日本オープンベストアマ、関東学生優勝。1982年の韓国オープンではプロを抑えて優勝。1983年プロ入り後、ジャンボ軍団入り。91年に関東オープンで初優勝。ツアー通算6勝。


ジャンボに聞け! ジュニアゴルファーの育て方

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