史上最高の飛距離性能に、曲がらない安定感を兼備した「パラダイム ドライバー」
クラブフィッターでクラフトマン・小倉勇人の試打レポート Vol.04
クラブフィッターでクラフトマンのゴルフライターの小倉勇人(通称:おぐさん)が、巷で話題の最新モデルや人気クラブを試打レポートします。今回、レポートするのは、発売前から高い評価を得ているキャロウェイの2023年・最新モデル「PARADYM(パラダイム)ドライバー」です。
写真/ゴルフサプリ編集部(相田克己)
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飛距離をとるか、それとも寛容性を優先するか。最近のドライバーは相反する性能をかなりのレベルで実現してくれている。とは...
ボディは空気でもよい?AIを駆使した最先端ボディ
キャロウェイといえば、人工知能、AIを使ったヘッド設計が特徴。AIを採用した開発の当初は、簡単なアルゴリズムの入力だけで設計されていました。
それが、モデルチェンジを繰り返すごとに、AIに与える情報を増やしていき、さらには、ヘッド内部のパーツなどもAIがとてつもないシミュレーションを繰り返して設計をするようになりました。
その設計思想は、まさに人知を超えており、同社の技術者に質問しても「AIに聞いてくれ」としか答えられないことも出てきてしまっているそう。
そんなキャロウェイの最先端技術を駆使して開発されたのが、203年最新モデルの「PARADYM(パラダイム)」シリーズです。
このブランド名は、常識や一般的な価値観が劇的に変化するときなどに使われる“パラダイムシフト”という言葉からとられたもの。難しいとされてきた飛距離性能とミスへの寛容性の両立を、今までにない次元で達成したという自信を感じられるネーミングです。
中でも特徴的なのが、クラウンとソールを2種類のカーボンでつなぎ合わせて作られた360°カーボンシャーシと呼ばれるボディ。フェース周りとソール後方を除いた部分は、すべてカーボンで成形されています。
キャロウェイによれば、ウッドのヘッド設計において重要なのは、フェース周りと、ヘッド後方部分で、ボディとなるヘッドの真ん中部分は空気でもよいのだとか。さすがに空気ではヘッドが作れないので、強度があり、軽く作れるカーボンを採用することで、理想に近いヘッド構造を実現することに成功したのだそうです。
ミスに強くなったが、ちょっとつかまりを抑えた仕様に
パラダイムシリーズのドライバーは、全部で4モデル。
スタンダードなポジションにはサブネームのない「パラダイム」
適度なつかまり性能を持つ「パラダイム X」
パラダイム Xをベースにして軽量化された「パラダイム MAX FAST」
つかまり性能を抑えてスピンを抑えた「パラダイム♢♢♢(トリプルダイヤ)」
というラインアップです。
パラダイム
パラダイムは、EPIC MAXの後継という捉え方ではなく、まったく新しいブランドだと捉えるのが正解です。
ですが、EPIC MAXシリーズを比較対象としてパラダイムの性格を説明するとすれば、パラダイムとEPIC MAXはスペック的には非常に近いのですが、つかまりはパラダイムの方がやや抑えられている印象で、同じポジションのモデルとして捉えてしまうと「ちょっと難しい」と感じてしまうゴルファーがいるかもしれません。
パラダイムX
パラダイムXは、EPIC MAXよりつかまり、EPIC MAX Dよりはつかまりを抑えています。
パラダイム MAX FAST
パラダイム MAX FASTは、歴代のMAX FASTのイメージ通り、ヘッドスピードが遅めでもやさしく高い弾道で飛ばせるモデルです。
パラダイム♢♢♢
♢♢♢も従来通りのイメージで、高ヘッドスピード帯のゴルファーが、スピンを抑えて強弾道で飛ばせるモデルです。もちろん、これまでの他のモデルに比べて、飛距離性能や寛容性は向上しています。
パラダイムドライバーの試打したスペックは、純正シャフトのSフレックス。45.5インチで307g。軽量モデルをラインアップしているだけあり、純正シャフトでも適度な重量がありますね。
ヘッドスピードを抑え気味に38m/s程度で打ってみると、「ロフト角よりちょっと高く上がるかな?」程度の高さで飛び出し、ほどよいスピン量で飛んでいきます。ミスへの寛容性は、EPIC MAXシリーズよりも高まったかなという印象。
特に変わったな!と感じたのは、ボール初速とつかまり性能。抑えめのヘッドスピードでも初速が速くなったのを結構感じます。つかまりは適度に抑えられていて、軽いドロー系のボールがストレートになるといった具合。
とはいえ、つかまらず、右に大きく滑っていくような弾道はほぼなく、直進性が高まったといったほうが適切な表現かもしれません。
ヘッドスピードを高めると、打ち出し角が少し高くなる程度で、基本的な印象は変わりません。やさしさや扱いやすさを高めながら、より速いヘッドスピードに対応した仕様になった印象です。
初心者から上級者まで!幅広いゴルファーをカバーする仕上がり
パラダイムドライバーは、ほぼニュートラルなつかまり性能を有し、前作で評価の高かったミスへの寛容性と扱いやすさのバランスをうまく崩さずに、ボール初速を高めることに成功しています。
基本的には中上級者にオススメですが、上達志向の強い方なら、初心者でもオススメしたいモデルですね。
パラダイムドライバーは、パラダイムシリーズで唯一、可変ウェイトシステム「ペリメーターウェート」を搭載しています。購入してから、ある程度はつかまりを調整できるので、こういった点からも幅広いゴルファーにオススメできるモデルだと思います。
■オグさん(小倉勇人・おぐら はやと)
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。
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