オールドゴルファー必見!若者ゴルファーのトリセツ 2023年版
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第58回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
ゴルフは目的ではなく手段なのだ、という考え方とゴルフの遊び方を知ろう!
「ゴルフをしたかったというよりも、仲間と一緒に遊ぼうとしたら、それがゴルフだったんです」
若者ゴルファーの取扱説明書(略して、トリセツ)を作ろうと考えたときに、若者ゴルファーの多くが異口同音に語っていたゴルフをしたきっかけを思い出しました。
オールドゴルファーにはちょっと異次元な話ですが、ゴルフをやるというハードルはジャンプなしで、ヒョイッと跨いで越えられるようになってきているのです。
仕事として、または社交術としてゴルフを始めたという昭和のゴルファーたちからすれば、ゴルフが趣味になって健全なゲームになりました、という時代の変化についていくのも精一杯。それに加え、ゴルフが目的ではなく手段の一つでした、というのはかなりの衝撃があります。
若者ゴルファーは、同級生をベースにした仲間だけとゴルフをする傾向が強いですし、オールドゴルファーも同様に決まった人たちだけとしかゴルフをしない習性もあるので、両者が一緒にゴルフをすることはない、と考えるのは早計です。
ゴルフは、何が起きるかわからないから面白いのです。突然、一緒にプレーすることになる可能性はゼロではないので、若者ゴルファーのトリセツを考えてみたいと思います。
まずここが大前提!
- 上から命令したり、仕事を理由してゴルフを強制するのはハラスメント。絶対にダメです。
「何度も誘っているのだけど、毎回断られるのでもう誘うのやめました」
という話もオールドゴルファーからよく耳にします。趣味で楽しむためのゴルフだからこそ、若者ゴルファーのほうが実は、気軽にゴルフに行っています。しかし、こういうすれ違いの原因は、誘うタイミングに問題があるのです。
オールドゴルファーは、特殊なケースを除けば、少なくとも1ヶ月前にはゴルフの約束をして、いわゆる予定を入れた状態になります。しかし、若者ゴルファーは、一週間から数日前にゴルフの予約をするケースが普通にあるのです。
よく会っている友達と遊ぶ感覚ですので、「明後日、行きますか?」「いいね」という感じでゴルフに行くというわけです。
オールドゴルファーは、社交辞令にならないように考慮して、来月や再来月の予定を聞いたりしているのです。彼らからすれば、そんなにかしこまって行くのは気が引けるから断っているだけで、直前になってもう一度誘ったらOKをもらった、という話もよく聞きます。
相手のホームに行く
どこに行くか?ですが、若者ゴルファーがよく行くところにお邪魔するのが、令和のマナーとも思っています。
現在、ゴルフコースは過去になかったほど多様化しています。
例えば、プレー代を考えても休日なら4万円の高級コースから、1万円でお釣りが来るお手頃なコースまで色々です。
オールドゴルファーの価値観だと、自分が相手のプレー代を負担しても良いという接待する気持ちで、少しでも高級なコースを選ぶのが失礼にならない確実な選択肢だと思いがちではないですか?。
しかし、これは通じないのです(あとで紹介しますが、奢ってもらうことを嫌う文化もあるからです)。安い方、チープな方に合わせるのが1つの正解なのです。予約は若者ゴルファーにお願いしていいでしょう。
セルフプレー、都会から遠い、最小限のサービス等々、シンプルなゴルフの原点を再考する意味でも面白い体験になると考えて、相手のホームにお邪魔する余裕こそが理想の先輩ゴルファーなのです。
バカにできないレベルだったりするので、一緒に真剣に遊ぶのだと考える!
ゴルフを心の底から遊ぶ意識
一緒に回る同伴者と思いっ切りゴルフを楽しもう!というポジティブな気持ちを共有しているのが、若者ゴルファーたちの特徴です。
カッコつけずに、一緒に無邪気な子どもになって楽しもうと意識するだけで、あなたの行動も変わってくるはず。個人的にはこれも、ゴルフの原点が見えるような気がして、ハッとさせられました。
美意識や価値観の違いは認め合う
少しその傾向は薄まってきていますが、若者ゴルファーは着ているゴルフウェアが一流の最新モデルで、頭の先からつま先までピカピカしているのが、ゴルフへのリスペクトになっている傾向があります。知り合いの若者ゴルファーも自己分析していましたが、形から入る、という典型的なパターンなのだそうです。
そして、キャディバッグも比較的新しくて、大きいツアー系のバッグだったりしますが、中に入っているクラブは10年前の中古品で、ボロボロだったりするのです。
オールドゴルファーの価値観で見れば、何じゃこりゃ?なのですが、文化の差が出ているのです。どこからハマっても、どれにこだわっても、全てゴルフなのです。
ゴルフという大きな括りからすれば、いずれも素晴らしいことなので、否定するのは間違いです。それがゴルフであれば、認め合うのがゴルフ。
自分たちを振り返り、客観してみれば、意外に多様な価値観を飲み込みながらゴルフをしてきたはずです。
動画が気軽に見られる文化で生まれたゴルファーの実力
若者ゴルファーをオールドゴルファーの物差しで見るのは、ゴルフの内容でも無理があります。例えば、オールドゴルファーの何割かは、生涯100を切れない呪縛や、少し調子が悪いと100オーバーが当たり前、という症候群だったります。ゴルフ雑誌の特集も“100切りのための○○”が多く見られます。
令和の若者ゴルファーは、ゴルフ歴2年以内に100の壁は突破しているというのが常識になっているそうです。これには複数の理由があります。
(1)文字でゴルフスイングを覚えようとせず、動画を見て真似ることが基本になっていること
自分のスイングも動画で撮って、おかしいところをすぐに修正します。癖のある変なスイングの若者ゴルファーは、まず見ることがないのです。
(2)もう一つの重要な要素は、「ラウンドの数」
極端に分かれるのですが、ゴルフ歴半年で20ラウンドとか、ゴルフ歴1年で50ラウンドオーバーとかいう強者がゴロゴロいることです。
90を切るレベルぐらいまでは、ゴルフのラウンド数の多さはエスカレーターのように自然なレベルアップの要因になります。極端に分かれると書いたのは、一緒に遊ぶ仲間にラウンド数が爆発しているゴルファーがいない場合は、年に数回というグループもいるからです。しかし、彼らも平均すると10ラウンドぐらいで100切りのレベルになっているようです。
若者ゴルファーの実力を舐めてかかって、ボロ負けしてショックでゴルフをやめそうになったオールドゴルファーも増えているようですよ。
先輩だから教えてあげるという、昔の感覚は捨てましょう。一緒に楽しもうと思えば、ショックは和らぎます。
若者ゴルファーの吸収力は無限大だから面白いし、参考にもなる?
意外!?若者ゴルファーは時間の使い方が上手
コストパフォーマンス(略してコスパ)は、オールドゴルファーにとっては比較的単純な損得勘定で、円という数字の比較だけだったりもしますが、若者ゴルファーは少し違います。円の比較よりも、理由と納得が優先されたりするのです。
僕の友人の親子の実話です。友人は若い頃、父と一緒のときにはゴルフ代を払ってもらっていたので、子どもと初めて一緒にゴルフをした際、当たり前のように子どもの分を払おうとしたら、頑として拒否されたそうです。
奢ってもらうことへの抵抗がオールドゴルファーには理解できないのですが、デートでも割り勘が当たり前だと聞きますので、そういう世代の文化なのです。
ただ、ゴルフクラブやボールなどは何の抵抗もなく持っていく若者もいるらしいので、そういう形で助けてあげるのはありかもしれません。
タイパはタイムパフォーマンスのことで、無駄な時間を嫌う若者がこだわるものとして話題になっています。
ゴルフではちょっと面白い現象ですが、若者ゴルファーはギリギリの時間に到着したりはしない傾向があります。
早めにコース到着して準備の時間を使ったり、練習グリーンでパットを鍛えていたりしています。時間に敏感なのは間違いないのですが、ちゃんと納得すれば、オールドゴルファーよりもゴルファーとしての時間の使い方が上手で、上級な若者ゴルファーが多いように思います。
大事なエチケットには敏感なので、見習う部分は見習おう
「若者ゴルファーはエチケットがなっていない」と言うオールドゴルファーがいますが、実際には、エチケットとして理解していなくとも、プレーファストや、危険な行為の禁止などはかなり早い段階で身につけて、実践している様子です。
ネットで情報を簡単に入手できますので、エチケット関係も一度興味を持って調べて彼らなりに納得すれば、仲間と共有して、ちゃんと実行できるようになるのです。
僕のが知る範囲では、傍若無人な振る舞いをしている”バカな人”の割合は、オールドゴルファーのほうが多いと思います。若者ゴルファーから学べるものは学ぶのが、効率的で正しいことなのだと自覚しましょう。
無礼講ゴルフでお互いを高め合おう
ゴルフの楽しみ方は、ゴルファーの数以上に存在しています。ゴルフという概念で見つめれば、オールドゴルファーも若者ゴルファーも、ただのゴルファーに過ぎません。
無礼講ゴルフで、お互いのゴルフを認め合って共に楽しむのが理想であり、マストでもあるのです。知らないからと牽制し合って、威嚇までし合うのは時間の無駄です。
総括として
「ゴルファーに色々なタイプが存在する意味は、お互いに認め合うことで、高め合うためなのだ」、迷えるゴルファーの前に現れたゴルフの神様はそうおっしゃったそうです、というおとぎ話を書いたことがあります。
トリセツの存在意義も同じです。認め合って、楽しくゴルファーとしてレベルアップすることが大切なのです。
若い頃は体力もありますからスポーツ感覚で、年寄りに負けるわけないと考えるものです。ゴルフの偉大なところは、体力差が決定的な勝利条件にならないところです。年寄りの経験値が若者のパワーに勝つことは、よくあること。そこで生まれたドラマは、ゴルファーの血となり肉となるのです。
ゴルフは世界中で共通ルールでプレーされていますので、言葉が通じなくとも、全く知らない人ともゴルフができる特徴を持っています。それを考えれば、オールドゴルファーと若者ゴルファーなんて、違いとはいえない程の差しかないのです。
つまり、自信を持ってゴルフをできてさえいれば、何の問題もないのです。
若者ゴルファーとオールドゴルファーの差にこだわる人は、突き詰めると、どこでも通じるゴルフをする自信がないだけなのです。自分の曖昧なゴルフを押し通せるチャンスをうかがって、右往左往するのは情けないことです。また、嫌われたくないからと若者ゴルファーに必死に合わせようとするオールドゴルファーも、あまり自慢にはなりません。
ところで、ゴルフ場への到着時間はスタートの何分前が正解なの?
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作...
ゴルフは、冒険系の遊びに分類することで昇格するという説があります。冒険する気持ちを持ち続けるのが大切なのです。
オールドゴルファーにも色々なゴルファーがいるように、若者ゴルファーも皆同じではありません。トリセツは一つの基準に過ぎません。冒険するつもりで、積極的に交流することをオススメします。
オールドゴルファーが思っているほど、若者ゴルファーはオールドゴルファーを意識していませんし、拍子抜けするほど普通だったと笑うケースも多々あります。一つだけ間違いなく言えるのは、そういった経験は、自分のゴルフにケミストリーを起こして、絶対にマイナスにはならない、ということです。
冒険しないゴルフは、単なるお遊びに過ぎないのです。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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