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飛ぶのは当たり前の三代目『E・R・C SOFT ボール』 は、完全に生まれ変わって飛ぶだけじゃないボールに!

コースで打ってみて初めてわかる『E・R・C SOFT ボール』の秘密を丸裸にする!?ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2023/03/17 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

E・R・C SOFT ボール

『E・R・C SOFT ボール』(2023)は、どこが新しくなったのか?コースに持ち込んで試打した様子をレポートする。

撮影/篠原嗣典

2023年モデルのE・R・C SOFT ボールは、コアを一新!三代目は全く新しいボールになった

E・R・C SOFT ボール

キャロウェイは、2023年2月10日に『E・R・C SOFT ボール』を発売した。

『E・R・C SOFT』としては三代目になるボールで、ファンも獲得して人気があるボールである。目立つ特徴として、2021年に発売された前モデルには、中央が赤、左右が青の三本線の「トリプル・トラック テクノロジー」が搭載されたが、新しい『E・R・C SOFT ボール』は、そのテクノロジーも少し進化させた。

アライメントの両端が、尖ったデザインになったのだ。今回のモデルチェンジで、全く新しいボールとして生まれ変わったと言っても過言ではない。

ボールの命であるコアを変更したのだ。
『CHEROME SOFT シリーズ』同様、「ハイパーエラスティック・ソフトファスト・コア」が採用されたのである。すでに飛距離性能の優秀さは証明されているし、あらゆる項目を高いレベルでクリアしているコアだ。

前モデルの『E・R・C SOFT ボール』も、飛距離性能が優秀なボールとして好感触だったが、キャロウェイはコアの性能に自信があるから、新しいボールに採用したと想像すると、それはそのまま大きな期待になる。

キャロウェイのボールは、「Callaway」の文字が半円状になったロゴで、ブランドによってマークが入っていたり、少しデザインが違う形になっている。そして、キャロウェイのロゴの下に「E・R・C SOFT」(両端にバーコードみたいなデザイン)の文字が直線上に入るのが、『E・R・C SOFT ボール』だ。

個人的な感想だが、これが実に良い感じ。前モデルでも、アドレスビューでロゴが見えるシーンのたびに、“良い佇まい”だと感じていた。もちろん、新しい『E・R・C SOFT ボール』でも、同じように感じる。

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さて、ではいよいよコースで打っていこう

わかりやすい特徴として、「グリップ・ウレタンコーティングシステム」を新しく採用したことが上げられる。カバーの上からウレタンをコーティングさせて、ショートゲームでのスピン性能の向上を狙っているのだと思われる。これが独特のぬめり感を産んでいて、ポケットの中でボールに触れただけで、違いがわかるほどの個性になっている。

少数派ではあるが、ボール表面の触覚がもちっとした感じがしないと、ツアーボールや、それに近いボールは使えないと考えているゴルファーがいる。『E・R・C SOFT ボール』は、完全に合格している。

こういう小さな小さなこだわりみたいなものを形にするところは、キャロウェイらしいと言える。新しい『E・R・C SOFT ボール』への期待は、ますます高まるのである。

試打したコース状態は、気温4℃〜11℃、晴れ、強風。グリーンの速さは10.0フィートだった。前モデルが良かったことと完全なモデルチェンジということで、慎重な試打ラウンドになった。

素晴らしい飛距離性能!『E・R・C SOFT ボール』はスコアアップするためのボールだ

E・R・C SOFT ボール

『E・R・C SOFT ボール』をコースで打った。“真面目な良いボールになっている”というのが、感想だった。

そして、少し困ったなぁと思った。ボールのインプレッションはクラブに比べると大きな差が出るのは、マイナス要素ばかりで、プラスの要素は微々たるものであることが多い。優等生型の完成度が高いボールはじっくりと打たないと、本当の良さが理解できないからだ。

『E・R・C SOFT ボール』を打ってみて、わかったことをまとめる。

● 打音:音量はちょうど良い大きさ。音質はやや硬質で心地が良い。
● 打ち応え:やわらかい中に、重さと芯感がしっかりとあって素晴らしい。
● 弾道:高くもなく低くもない、クラブに合わせた弾道になる。曲げる動きには鈍感で、ストレートに飛ぼうとする。
● スピン:ツアーボールっぽく、その場で止まろうとする。
● 飛距離:市場の中でもトップクラスに飛び、全ての番手がちゃんと飛ぶ。

ツアーボールのコアに変更したことで、全ての項目を高い点数で合格できるボールになった。前モデルの『E・R・C SOFT ボール』は、特にショートアイアンで過剰ともいえるバックスピンがかかったが、そういう個性的な部分は消えた。

飛距離性能は、トップクラスで最も飛ぶと信頼しているボールと遜色がない。さらに素晴らしいのは、ドライバーからショートアイアンまで、境や凸凹なしで飛ぶことだ。

『E・R・C SOFT ボール』は、飛距離性能がトップレベルでかつ、スコアメイクがしやすいボールだと言える。

前モデルより良くなったと明確にわかったのは、以下の2点である。

(1)ショートレンジのアプローチで、スピンの効きが良くなったこと。
(2)アプローチになると、飛距離性能で発揮された初速感が消えること。

100ヤード以内でボールに不安があったり、我慢しなければダメだったりするのは、ゴルフのスコアを安定させる意味で致命的なマイナスになる。プロやトップアマが、ショートゲームの感覚や性能を優先してボールを選ぶのは、その分野がハイレベルなゴルフを支えている証拠である。

その点『E・R・C SOFT ボール』は、ショートゲームでの感覚や性能が本当に良くなった。気持ちが良かった。

また、キャロウェイらしい細かいチューニングとして感心したのは、打音の変化である。ドライバーなどのウッド系では濡れ感があり、パットに向けて高質感が強くなるのだ。

これは個人的な好みの範疇で、機能としての良い悪いではないが、個人的には使っていて惚れるボールには、こういうスパイスみたいな味付けが不可欠なので、グッと来たプラスポイントとなった。

こんなゴルファーにおすすめ!

トップレベルの飛びを実感したいゴルファーに『E・R・C SOFT ボール』はおすすめである。
また、スコアアップを目指したいあらゆる層のゴルファーにもおすすめだ。

僕のヘッドスピード40m/sでもちゃんと機能するし、もっとヘッドスピードが速いゴルファーも、逆に遅いゴルファーにも打ってもらったが、ちゃんと同じように機能する。この辺りが、ツアーボールの機能性がありながら誰でも使える魅力になるのだ。

「よくわからないのですけど、いろいろなボールを使ってみて、キャロウェイのボールが一番良いのです。キャロウェイのボールを使ってゴルフをしていると、僕はゴルフをしているという気分になるんです」

ある若いゴルファーと雑談しているときに、そんなふうに話していた。オールドなファンもいるが、真新しいファンも獲得しているキャロウェイの魅力がさり気なく詰まっていると思った。

『E・R・C SOFT ボール』は、価格的にはツアーボールと変わらない。そこが面白い。

細かいことをいろいろと書いたが、プロやハードヒッターが使うツアーボールではなく、さまざまなゴルファーが使えるようにチューニングされた新しいカテゴリーのツアーボールとして、向上心の証と考えて使うのが、もっともわかりやすい。

『E・R・C SOFT ボール』でベストスコアを更新しよう!と、本気で呼びかけられる。そのくらい完成度が高く、信頼できるボールなのである。

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『E・R・C ボール ボールド レッド』は、コスパ最高で、高機能、使って楽しい! 撮影/篠原嗣典

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篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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