人気の『SUPER STRAIGHT』と『EXTRA SOFT』が新しくなって、ゴルフをより面白くするボールになった!
モデルチェンジした『SUPER STRAIGHT』と『EXTRA SOFT』をコースで打ったら色々わかった!ロマン派ゴルフ作家が検証する!
ブリヂストンスポーツのゴルフボール『SUPER STRAIGHT』(スーパーストレート)と『EXTRA SOFT』(エクストラソフト)は、どこが新しくなったのか? コースに持ち込んで試打した様子をレポートする。
撮影/篠原嗣典
『SUPER STRAIGHT』は、真っ直ぐ飛ぶだけではなく飛距離を出すためのボールに変身した!
ブリヂストンスポーツは、2023年3月10日に『SUPER STRAIGHT』ボールと『EXTRA SOFT』ボールを発売した。どちらも、比較的安価な価格帯のボールとして大人気のボールだが、尻すぼみになることなく2年振りにモデルチェンジしたのだ。
僕は過去に『SUPER STRAIGHT』を総合力が高いボールで、あらゆるタイプのゴルファーが使ってもスコアアップできると賞賛した。楽しみにしつつ、最初に『SUPER STRAIGHT』ボールを試打した。
『SUPER STRAIGHT』ボールを打ってみて、わかったことをまとめる。
● 打音:音量はちょうど良い大きさ。音質は硬質な音と濡れた鞭系のミックスで美しい
● 打ち応え:やわらかい中に芯感がしっかりとあるが、少し鈍感
● 弾道:高弾道と中弾道の中間。曲げにくく、ストレートに飛ぶ
● スピン:その場で止まろうとするが、ショートアイアンでも2ヤード前にいく
● 飛距離:ギリギリでトップレベルに飛ぶと分類。ドライバー平均230ヤード
正直に書くと、最初のホールからかなり戸惑った。弾道を見ると、僕のヘッドスピード40m/sよりも速いゴルファー向けにチューニングされているように感じたからだ。
ギリギリでトップレベルに飛ぶ飛距離性能だと感じたが、ヘッドスピードが45m/sの友人に打ってもらったところ、曲がらないだけではなく、明確に飛ぶボールとして機能したのだ。
もう一つ感じたのが、飛距離特化型のボールのように、ボールが前に前に行こうとすることだった。つまりは、自分のイメージよりもボールが転がるのである。ショートゲームではかなり落ち着くので、スコアアップを狙うボールとしても性能を発揮してくれるのではあるが、総合力で勝負できるという印象ではなくなった。
真っ直ぐに飛ぶのは当たり前で、もっと飛ぶボールとして進化をしたのが新しい『SUPER STRAIGHT』である。
ただ、変わった点として、比較的パワーがあるゴルファーにチューニングしてあると感じた。若者ゴルファーが増えた令和のゴルフブームの中で、彼らに使ってもらおうという意図があるのかもしれない。
『SUPER STRAIGHT』のサイドマークである十字のデザイン(『EXTRA SOFT』 も同様のデザイン)はとても良い感じで、グリーン以外でも、マイボールだとわかるように機能してくれる。赤いボールナンバーも、個人的に好感を持った。
『SUPER STRAIGHT』ボールこんなゴルファーにおすすめ!
最後はかなりシビアな試打ラウンドになり、普通なら表面にかなりの傷がつくシーンがあったが、ボールはピカピカの新品のままだった。耐久性が高いことは、コストパフォーマンスに直結する。
なくさない限り、何ラウンドでも使い続けられるような感じだった。安いのに長持ちというのは、素晴らしいプラスポイントである。
『SUPER STRAIGHT』は、ツアーボールを完成形として総合力を上げたボールではなく、過去のブリヂストンスポーツの技術力を集結させて、独自のボールに進化した。
スコアアップを狙うことができるボールで、かつ、パワーゴルフにも対応してくれるボールが欲しいゴルファーに『SUPER STRAIGHT』ボールはオススメである。
究極の2ピースボールとしての宿命を背負ってぶっ飛ばすゴルフボールが『EXTRA SOFT』だ!
続いて、『EXTRA SOFT』ボールをコースで打った。
ソフト2ピースボールという技術を熟成させて、完成させたボールである。『EXTRA SOFT』ボールを打ってみて、わかったことをまとめる。
● 打音:音量はやや控えめ、音質は硬質な音にパシッとした音が混じる
● 打ち応え:やわらかく、手応えはしっかりと重さを感じる
● 弾道:高め中弾道。低スピン感がある強いボールが全番手で出る
● スピン:ショートアイアンでもワンピンは前に行く
● 飛距離:キャリーは飛ぶボールと分類だが、ランが出るのでトータルではトップレベル。ドライバーの平均飛距離は225ヤード
『EXTRA SOFT』は名前の通りソフトフィーリングのボールで、試打ラウンドでもショートゲーム以外はかなりの潰れ感が手に残って、ボールも徹底した低スピン系になった。安価なボールの場合、中途半端にただやわらかいだけで、機能としてソフトさを活かしきれていないボールも、正直に書くと少なくない。
『EXTRA SOFT』ボールは、違うのである。徹底して低スピンの強いボールで、飛距離を追求したボールなのだ。お見事だと感じたのは、パッティングを含むショートゲームではしっかりとした弾き感があり、コントロールが可能になっていることだ。
スコアメイクでは、できるだけの機能を発揮してくれる。ただ、小さい動きほど強いタッチになりがちなので、ラインを消してストレートに狙うように、イメージを変える工夫を楽しむ余裕が大切である。
弾き感が強いボールではショートゲームが難しい、というくらいまでわかっているゴルファーは、別のボールにすれば良い。市場には、ゴルファーの数の何倍ものボールが溢れている。
『EXTRA SOFT』ボールこんなゴルファーにおすすめ!
花道から転がり上げて、グリーンを攻略するゴルフを得意とするオールドゴルファーや、非力なゴルファーは『EXTRA SOFT』ボールが武器になるのでオススメだ。前に前に行こうとする特性は、使いようなのだ。
僕の場合は、普段から持ち球が高めなので、ボールの打ち出しが低くなり浮力もない『EXTRA SOFT』ボールには感覚とリアルが合致しない不安があって、違和感を覚えた。
こういうことは実は珍しい。多くの場合、そういう違和感があっても、打ち手のとしての技量があればどうにか自分の気持ちが良い感じにできるのであるが、『EXTRA SOFT』ボールはそういう意味で全く歯が立たなかった。
いろいろとやっても、打ち出しもスピン量もほとんど変わらなかったのだ。
ある人は新しい『EXTRA SOFT』ボールを打って、癖があるボールだと思うかもしれない。別の人は、生涯最高のボールだと喜ぶというシーンが想像できる。
『EXTRA SOFT』ボールも『SUPER STRAIGHT』ボールも手抜きがない
『EXTRA SOFT』も『SUPER STRAIGHT』と同じように耐久性が高く、ハードに使用しても擦り傷ひとつつかなかった。
ボールに万能はない。思い通りに止まるボールは、あと少しで届くシーンで残念な結果になることがあるし、転がるボールは狙い通りの場所に落ちたのに、転がってグリーンを越えてしまうなんてことが起きる。つまりは、ボールの個性や機能は表と裏みたいな関係なのである。
いかに自分が使いやすいボールを選ぶか?ゴルフ用具選びの土台は、ドライバーでもパターでもなく、ボールなのだと考えるゴルファーはたくさんいる。
『EXTRA SOFT』も『SUPER STRAIGHT』も、買いやすい価格帯のボールだ。ブリヂストンスポーツのボールは、廉価版のものでも手抜きがないことは有名だ。
かなりしっかりと作り込まれた、個性的なボールである。過去に、こんなに個性的な廉価版のボールを見たことがない。
自分に合うかも、と思ったゴルファーは『EXTRA SOFT』でも『SUPER STRAIGHT』でも、ラッキーだと喜びながら挑戦してみるのが正解である。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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