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今さらながら、ステップ・アップ・ツアーって何?渋野日向子や原英莉花もそこを経て今がある。才能溢れる若手が目白押し!

なんとなくで聞き流していませんか?ゴルフツアーの用語をわかりやすく解説

2023/03/25 ゴルフサプリ編集部 宮井善一

川﨑春花

川﨑春花(写真/相田克己)

女子のステップ・アップ・ツアーが先週の「大王海運レディスオープン」で開幕しました。名前は耳にしたことはあるけれど、そもそもステップ・アップ・ツアーって何?賞金はどれくらいなの?と疑問に感じている方もいるでしょう。自分だけの「推し」を発見する楽しみもあるステップ・アップ・ツアーの全容を、分かりやすく解説します。

[目次]

ステップ・アップ・ツアーとは?

女子ツアー(JLPGAツアー)の出場資格を持たない選手と新人を対象に、試合経験を積ませることによる育成・レベルアップを目的にしたもので、1991年に創設されました。若手の登竜門としての機能だけでなく、JLPGAツアーの出場資格を失った選手が再起を図る場としても大切なツアーなのです。

2017年には女子の世界ランキングであるロレックス・ランキングの対象ツアーとして認可されており、活躍すればしっかりとロレックス・ランキングのポイントを加算できます。

好成績を収めた選手はJLPGAツアー出場のチャンスをつかめるシステムで、賞金ランキング1位と2位の選手には翌年の前半戦(例年8月に実施される第1回リランキングまで)の出場資格が与えられます。

また、各大会の優勝者と賞金ランキング3位から10位までの選手には、JLPGAツアー出場権をかけたクォリファーングトーナメント(QT)ファイナルステージの出場資格が与えられます。

つまり、ステップ・アップ・ツアーはその名の通り、JLPGAツアーというもっと大きな舞台へ向けてステップ・アップするための場所なのです。

ツアーの規模

試合数

ステップ・アップ・ツアーが創設された1991年はわずか2試合からのスタートでした。以降、徐々に試合数が増え、2005年には10試合を超えるまでに成長しました。その後、一時は減少して10試合を切った時期もありましたが、再び増加に転じて2017年には20試合を突破。今季は11月の最終戦まで計22試合が予定されています。

1試合あたりの日程は当初は2日間36ホールが基本でしたが、2015年に初めて3日間54ホールの試合が行われ、その後は3日間トーナメントが主流になっていきました。

2022年には「SkyレディースABC杯」が初めての4日間トーナメントとして開催。同大会は通常のトーナメントよりも付与されるロレックス・ランキングポイントが高く設定された、「ロレックス・ランキングフラッグシップイベント」として指定されています。

賞金額

一般的な賞金額は総額2000万円、優勝360万円というもの。今季22試合中8割近い17試合がこの規模で行われる予定です。JLPGAツアーはほとんどの試合の賞金総額が1億円から2億円の間ですから、ステップ・アップ・ツアーはその5分の1から10分の1という規模になります。

最高額は唯一の4日間トーナメントである「SkyレディースABC杯」の賞金総額4000万円、優勝賞金720万円です。1990年ごろのJLPGAツアーがだいたいこれくらいの賞金額でした。

では、賞金ランキング1位の選手はどのくらいの額になるのでしょう。昨年はステップ・アップ・ツアー史上最多の年間5勝を挙げた櫻井心那が、2511万4100円を記録。

この賞金額はステップ・アップ・ツアー歴代最高でした。

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見どころ

ステップ・アップ・ツアーから羽ばたいた選手

無名時代にステップ・アップ・ツアーで活躍し、やがてJLPGAツアーを代表する存在に成長した選手はたくさんいます。その代表格といえるのが渋野日向子です。

渋野はプロテスト初挑戦の2017年は不合格となり、同年のQTでも132位と振るいませんでした(現在は原則として、プロテスト合格後でなければQTには参加できません)。翌2018年は同級生たちがJLPGAツアーで華々しく活躍する中、ステップ・アップ・ツアーで頑張っていたのです。16試合に出場して最高位が3位で、トップ10は7回、賞金ランキングは10位に入っていました。

この試合経験が2度目の挑戦でのプロテスト合格と、翌2019年の大ブレークにつながったのは間違いないでしょう。

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大山志保や横峯さくら、鈴木愛という歴代賞金女王もJLPGAツアーで勝つ前にステップ・アップ・ツアーで優勝していますし、最近では新垣比菜、原英莉花、河本結、植竹希望、セキユウティン、岩井千怜、川﨑春花らがステップ・アップ・ツアー優勝→JLPGAツアー優勝という道のりを歩んでいます。

先日の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」でプロ7年目、涙のJLPGAツアー初優勝を飾った吉本ひかるも、高校3年生の時にステップ・アップ・ツアーで優勝(翌年もプロとして1勝)していました。

これだけすごい選手たちが、ステップ・アップ・ツアーから羽ばたいていったのです。

自分だけの「推し」を見つけよう

ステップ・アップ・ツアーは全試合、CS放送の「スカイA」でLIVE中継が予定されています。しかも、基本的に午前中は1番ホールを中心にした構成で、一時中断をはさんで午後は後半ホールとたっぷり時間をとっての中継です。

昨年のプロテストに合格したばかりのルーキーをはじめまだ無名の若手がたくさんいますから、中継で有望選手を見つけ、自分だけの「推し」にするのも楽しみのひとつ。

渋野のように後に大ブレークする選手を世間より先に発見できれば、自慢になること間違いなしです。


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文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

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