トータルドライビング1位に輝いた桑木志帆はドライバーからアイアンまで全部ドローからフェードに変えた でも、どうやって?
進化する技術「私流」トーナメントにおけるプロのコメントからテクニックを深掘り!VOL.11
ブリヂストンレディスオープン以降、トップテン入りが4回と調子を上げている桑木志帆。メルセデス・ランキングでもトップテン入りを狙える位置にいるが、好調の理由は球筋を変えたことにある。なんとドライバーからアイアンまで全てドローボールからフェードボールに変えたというから驚く。まだ試行錯誤の段階ではあるが、曲がり幅を抑えられることによって、狙った地へボールを落とせる確率が上がったという。今季は初のシード入りとツアー優勝を目標に掲げている桑木。目標に向かって大きく前進しているが、どのように球筋を変えたのだろうか。
GOLF TODAY本誌 No.615/134〜135ページより
撮影/相田克己 圓岡紀夫
取材トーナメント/ヤマハレディースオープン葛城 サロンパスカップ
「アウトサイドから、気持ちボールの上からクラブを下ろしてフェードを打ってます」
左へ曲がる度合を抑えていたらフェードになった
昨年、トータルドライビング1位に輝いた桑木志帆。ただ、彼女が打つドローボールは左へ曲がる度合いが大きく、コントロールしにくい一面もあった。そこで、左へ曲がる度合いを抑えようと試みた結果、フェードボールになっていたという。
桑木志帆 「今まではインサイドからクラブを下ろしていたのですが、それを少しアウトサイドから下ろしてくるイメージに変えました。さらに、ボールの上からクラブヘッドを下ろすようにしました」
アウトサイドインのスイング軌道で軽いダウンブローの軌道で打ったところ、ストレートに近いフェードに。スピン量などは機械で計測しながら微調整をしたが、ある程度狙ったところへボールを落とすことができるようになった。特に顕著なのがアイアンショットだ。
桑木志帆 「ドローだとピンを狙える状況が限られてしまいますからね」。
どうしてもランが出るドローでは、ピンが右サイドや手前にあるときは狙いにくい。しかし、フェードならボールが止まりやすいので、積極的にピンを狙えるようになる。また、曲がりが大きいドローに比べると、ほぼ真っすぐに近いフェードの方が、ボールをコントロールしやすいメリットもあった。
ドライバーショットでも以前は目標の右を向いて構えたら、そのまま真っすぐ飛ぶミスもあった。それが、今はその心配もないという。最近は飛距離も戻ってきているだけに、あとは方向性をどこまで高めるかが課題となる。
スイングを見てみよう
ドローボールを持ち球にしていた頃は、左へ曲がる度合いが大きかったので、目標よりもかなり右を向いて構えることが多かった桑木。そのため、ドローがかからないときは、プッシュアウト気味にボールが右に向かって真っすぐ飛んで行くことも多かった。現在はほぼ目標に対してスクエアに構えているので、それほど大きなミスもなくなったという。
桑木志帆のドライバー
ドライバーショットでもアッパーブローに打つのではなく、ボールの上からクラブヘッドを下ろしてくるイメージでダウンスイングを行うように変えた。
イメージ的にはアウトサイドインのスイング軌道でスイングしているが、ほぼストレートの軌道に近い。
そのためインパクトゾーンが長くなり、方向性が安定するようになった。
アウトサイドからダウンブロー気味にクラブヘッドを下ろす
以前はダウンスイングで極端なインサイドからクラブを下ろしていたので、ボールに左回転が強くかかり、大きく曲がるドローボールになっていた。それをアウトサイドインのスイング軌道に変えたことで目標に対してほぼ真っすぐに打ち出され、軽く右に曲がるフェードに変わった。
持ち球をドローからフェードに変えても、インパクトを迎えるまでは右足をベタ足にしておくのは変わらない。方向性が安定する理由でもある。
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