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2024新作モデルで話題の“10K”そもそも“スイートエリア”ちゃんと理解してますか?

戸川景の重箱の隅、つつかせていただきます|第43回

2024/03/05 ゴルフサプリ編集部

ゴルフラウンド

スイング、ゴルフギア、ルールなどなど…。ゴルフに関わるすべての事柄の“重箱の隅”をゴルフライター・戸川景が、独自の目線でつつかせていただくコラムです。

Text by Hikaru Togawa
Illustration by リサオ
GOLF TODAY本誌 No.621/74ページより

“スイートエリア”は広いほどやさしいのか?

イラスト

年が明けて早々、キャロウェイピンテーラーメイドが新モデルを発表した。昨年末からツアープロの間で試されて話題となっていたものが明らかになった形だが、いずれも“スイートエリア”の拡大を強調している。

これらの新モデルなら、打点がブレる一般アマでも上級者並みの“弾道が揃う”感覚が体感できるかもしれない。

そもそも“スイートエリア”とは何か。ヘッドの重心点からフェース面上に導かれる“スイートスポット”でスクエアに打撃すれば、エネルギーロスがほとんどなく、ヘッドのブレも生じないために最も効率よく正確性と飛距離性能を引き出せる

だが、コースで常に正確に“スイートスポット”に当てることは、マシンでも不可能だろう。多少ズレても、ほぼ“スイートスポット”と同等のパフォーマンスを発揮できる打点の範囲が“スイートエリア”となる。

要は、インパクトでヘッドがグラつかない、もしくは“スイートスポット”と同等のボール初速、打ち出し方向、スピン量の弾道を打ち出せればいい、ということ。

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そこで考えられるのは、ヘッドの上下左右慣性モーメントを高めることだが、今回のピンとテーラーメイドの最新作は、従来の機種の上下と左右を合わせた数値が8000〜9000グラム・cm²からの桁違いの10000台に到達。いずれも「10K」が売り文句になっている。

正直、一般アマに体感できるほどのパフォーマンスの違いが出るかは疑問だが、プロレベルではかなり恩恵があると思う。「スイートエリアは広いほど、一般アマのお助け用じゃないの?」という声が聞こえてきそうだが、私は少し違うと思っている。

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フェースにまともに当たるアベレージクラスになっても、練習場の右のネットまで曲がるスライスが出ていたのが40年前のパーシモンドライバー。だがメタル、大型チタンと移行して、そこまでのスライスはまったく見かけなくなった。コースで出るOBも、曲がりすぎではなく、打ち出し方向のミスがほとんどだろう。

一般アマとプロの恩恵の違い

イラスト

これがヘッド慣性モーメントの増大による恩恵だが、芯(スイートスポット)を外した曲がり幅が減っても、ヘッド軌道やフェース向きが間違っていたら、ミスは減らない。だから、一般アマにはこの恩恵は、ある程度で頭打ちになる、と思っている。

だが、プロの場合はヘッド軌道もフェース向きの安定性も抜群。ただ、それでも人間なので、打点は多少ズレる。

たとえばフェードをイメージして、わずかにカット軌道で振ったのに、打点がトゥ寄りに10ミリほどズレたとする。ヘッドが当たり負けて回転し、いわゆるギア効果で打球にフック回転がかかってしまったら…。逆球で左の林に飛んでいくことになるかもしれない。

だが、ヘッド慣性モーメントが大きければ、この程度の打点ズレでは逆球にならなくて済む。意図通りのフェードが打てることで、安定性はさらに高まるだろう。

ヘッドの大型化により操作性が損なわれた結果、プロでも打点のズレは大きくなる傾向がある。ボール幅半分、20ミリ程度のズレも十分ありえる。10000台の慣性モーメントがどこまで救えるかは、今シーズンのツアーの動向を見ればよくわかると思う。

新しい考え方として、フェースの肉厚分布の違いで打点ごとのパフォーマンスを整えたのが、キャロウェイの「AIフェース」だ。正確なヘッド軌道、フェースコントロールありきでの打点ズレに強くする点では同様の機能だが、ヘッド慣性モーメントを大きくしすぎないぶん、ヘッドの操作性を高めやすいのかもしれない。打点ごとのスピン量調整も織り込み済みらしいので、こちらもツアーでの評価が楽しみだ。

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戸川景(とがわ・ひかる)

1965年3月12日生まれ。ゴルフ用具メーカー、ゴルフ誌編集部を経て(株)オオタタキ設立。現在、ライターとしてゴルフのテーマ全般を手掛けている。

重箱の隅、つつかせていただきます

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