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9割のアマチュアが間違えている!「ドライバーのボール位置」左カカト延長線上が絶対なわけではない

吉本巧のゴルフギア教室 第17回

2024/06/01 ゴルフサプリ編集部

アドレス,ボール位置

毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大失敗! という話もよく耳にする。安い買い物ではないだけに、セレクトミスは絶対避けたいところだ。こんな状況で役に立つのは正しい知識。道具はもちろんゴルフのテクニックについて正しく理解していれば惑わされない。ということで生まれた、ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説する企画。
写真/ゴルフサプリ編集部

「左カカト延長線上」は昔のプロゴルファーをベースにした位置

ドライバーのボール位置は一般的に左カカト延長線上とされ、それを実践している方が9割方だと思います。でも、ほとんどのアマチュアゴルファーにとって、この位置は間違いです。

なぜなら左カカト延長線上は、昔のプロゴルファーがベースになっているから。そこにボールを置くプロが多かったため、それらの平均値な意味合いとして言われ出したこと。アマチュアの方がここに置くと飛ばなくなります。考えてみれば、スイングも身体能力も違うプロとアマチュアのボール位置が同じというのもおかしな話ですよね。

では、どこにボールがあれば最も飛距離が出るのか? それを探すポイントは以下の2つです。

1 シャフトがしなり返るタイミング
2 シャフトのキックポイント

まずは1ですが、その前にシャフトのしなりによってボールが飛ぶメカニズムを紹介しましょう。

ダウンスイングからインパクトでは、腰が先行して回転しながらボールを打ちますが、その間シャフトはしなり続けています。特に切り返しで大きくしなり、ダウンスイングが進むに従ってやや小さくなります。その後、インパクトに近づくにつれて「しなり戻り」が入り、シャフトは一瞬真っすぐになります。これがインパクトの直前。そこからインパクト直後にかけて、今度は「しなり返り」が入る。これまでとは逆の目標方向にシャフトがしなります。ヘッドスピードが最大になるのは、しなり返る時なので、そのタイミングでボールを打つと飛距離が出ます。「シャフトをうまく使えている」というのは、このしなり返りを使って打てていることを指します。

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腰を使えているかいないかで最適なボールの位置は変わる

しなり返るタイミングを決める要素のひとつは腰。ダウンスイングでどれだけ腰を使えるかでタイミングが変わります。例えば、しっかり腰が入るとタイミングが遅くなりますから、ボール位置は左寄りが望ましい。逆に腰があまり回らない人は、しなり返るタイミングが早いので右寄りにボーがないといけません。ダウンスイングの腰の回り方次第で、しなり戻りからしなり返るタイミングが変わるわけで、それに合わせてボール位置を変えなければいけないのです。

プロのように腰が回り、体重移動を使って打てればボール位置は左カカト延長線上でOKですが、そうでない人にとっては左過ぎ。アマチュアゴルファーの9割がそうと言っても過言ではなく、最大ヘッドスピードを迎えたあとに打つため、ヘッドが失速して飛びません。芯に当たっても、思い切り振っても飛ばないのはこのせいかもしれない。動けている腰の位置とボール位置が合っていない可能性があるので、ボール半個分ずつを目安に右に寄せて、ベストのボール位置を見つけてください。僕の経験上、アマチュアの方の最適なボール位置は、左カカト延長線上よりボール半個から1個分右です。

また、この位置は日によって微調整する必要があります。その日その日で腰を使える度合いが変わるからです。アマチュアの方はプロのようにトレーニングしていませんから、腰の動きに波があるのは当たり前。腰が重いとか動きが鈍い時には、通常よりちょっと右寄りにするとタイミングが合います。ベースの位置を見つけておき、その日に合わせて調整する感じですね。

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キックポイントが先寄りのシャフトほどボール位置は右寄りになる

2つめはシャフトのキックポイント。まずはいま使っているシャフトのキックポイントを確認してください。キックポイントは大きく分けて先・中・手元の3つ。さらにそれぞれの中間の先中・先元があります。先から順に、

先調子
先中調子
中調子
中元調子
手元調子


ですね。キックポイントが先寄りになるほど、しなり戻りからしなり返りのタイミングが早くなりやすい傾向があります。切り返しで大きくしなりますが、しなり戻りも早いのでしなり返りも早くなる。シャフトのしなりが完結しやすいということです。そうなるとボールを内側に置かないといけません。

逆にキックポイントが手元寄りになるほど、しなり戻りとしなり返りのタイミングは遅めになります。シャフトの半径が長いイメージになるのでゆったり動く感じになる。そうなるとボール位置を左寄りにしないとドンピシャのタイミングで打てません。

これらに腰の動きの影響を加えると、あなたにとって最適なボール位置がわかります。腰があまり入らない人で、キックポイントが先寄りのシャフトを使っていたらダブルパンチになりますから、今よりボール位置を右寄りにしなければいけません。反対に腰をしっかり使える人でキックポイントが手元寄りのシャフトユーザーは、ボール位置は左寄りがいいということになります。

ヘッドスピードを上げるのは飛距離アップの要素の一つですが、他の要素が適切でないとうまくいきません。ボール位置はその大きな要素の一つ。合っていないといくら練習しても飛ぶようになりません。プロがやっているからといって、アマチュアの方が真似してはいけないことがたくさんあるんです。

吉本巧

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。


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