3Wの代わりにちょうどいいかも。 ミニドライバーはドライバーが苦手な人が手を出すべきものじゃない?
石井良介のゴルフ・すべらない話:第27回
昔の同サイズのドライバーと比べるとポテンシャルは圧倒的に高い
とはいえ、ドライバーが苦手な人が打ちやすいクラブであることに変わりはありません。ヘッドが小さいからといってボールがつかまるわけじゃない。キャロウェイさんのAi-SMOKEトリプルダイヤSとマックスを打ったらヘッドが大きいマックスの方がつかまる。これが今のドライバーです。ドライバーが苦手な人の多くはスライサーですが、つかまると思ってミニを使ったら絶対右に飛びます。重心が浅いのでなおさらです。
そもそもボールがつかまるのは、ヘッドサイズや重心距離ではなく重心アングルの影響であることを周知するべきです。そうでないとピンさんのG430MAXがつかまることを説明できません。簡単に言うとクラブによって人工的にツマ先上がりを作っているわけで、ライ角がフラットだとつかまらなくなります。10年前はコンペの朝イチで8割が右かチョロだったのが、今は結構チーピンを打つ人が増えています。
話がそれましたが、3Wをビシバシ使える人はミニドライバーが使えます。おそらく今20歳前後のプロを含む若いゴルファーは使わないでしょう。みんな大きいヘッドで育っていますからね。基本的にはある程度年齢が上で、大型ヘッドに対して安心感をもちきれていない人にフィットする。セカンドショットの距離を自分でマネジメントしたい人にはいいクラブだと思います。
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ただ、それにしても昔のドライバーと比べたら圧倒的にポテンシャルは高くなっていますから、同じ大きさで何年か前のクラブを使うのとはわけが違います。ヘッドが小さくても現代版で、フェースの反発性能や重心位置など随所にテクノロジーが取り入れられている。ですから価格もそれなりに高い。ヘッドサイズの選択肢が増えたという解釈でいいと思います。使い道は圧倒的にティショットで、その意味でもミニドライバーというカテゴライズは適切じゃないと思いますね。
アメリカで情報がリークされていることからも、今後はキャロウェイさんからも出てくると思いますが、いずれにしてもメーカーさんとしては宣伝がすごく難しいクラブじゃないでしょうか。例えば日本限定でスライサー向けの小さいヘッドを作ったら一定の需要はあると思いますが、基本的には大きなヘッドでそこをカバーできているわけなので、あえてその層に向けて出す必要はありません。そうなると、やはりスライサー向けのクラブにはなり得ないでしょう。それにしても、みんながみんな飛ぶドライバーを欲しがっていたのに、飛ばなくてもいいから曲がらないドライバーが欲しいとなってきたのは面白い話。まあ、正しい方向に向かっているとは言えるのですが……。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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