「無駄な動きを省くために注目したのはテークバック」絶好調・鈴木愛の再現性・追求スイング
進化する技術「私流」トーナメントにおけるプロのコメントからテクニックを深掘り!VOL.21
鈴木愛のドライバー
2勝を含めたトップ3入りが4回と今季好調の鈴木愛。その理由はスイング改造やトレーニングなどにより、方向性と飛距離がアップしたショットにあるという。確かに、ここ一番でのドライバーショットの飛距離やアイアンショットの方向性には目を見張るものがある。6年ぶりの女王に向け、邁進する鈴木だが、自身のスイングをどのように進化させたのだろうか。
GOLF TODAY本誌 No.625/124〜125ページより
撮影/相田克巳 撮影トーナメント/ワールドレディスチャンピオンシップ
サロンパスカップ
再現性重視でスイングの形も自然と良化した
テークバックでのヘッドを上げる方向、下半身に意識集中
鈴木愛が賞金女王を獲得した17、19年は体全体を右サイドに移動させながら、上体を大きく捻転させてバックスイングしていた。しかし余計な動きが多い分、豊富な練習量がなければ、常に同じスイングをすることが難しかった。
鈴木愛 「バックスイングで右に動かないと、インパクトで体が詰まる感じがどうしてもありました」
昨年から再現性の高いスイングを目指して改造し始めた鈴木。なるべく無駄な動きを省いたが、特に注意したのがテークバックだ。
鈴木愛 「クラブヘッドを上げる方向、腰や足の動かし方が常に同じにように意識した結果、今のようにシンプルなスイングになりました」
現在でもバックスイングでは体重を右足に乗せ、上体をしっかりと捻転しているが、体の軸は以前ほど右に動いていない。にもかかわらず、インパクトでは左腕が伸びており、窮屈さは感じない。鈴木によれば、まだスイング自体は完成ではなく、その都度微調整を行っているとのこと。
鈴木愛 「好調なときはスイングを後方から見た場合、右の肩口からクラブが下りてくる感じですが、少し
インサイドから下ろす傾向が強いと、それよりも低い位置から下りてくるので気をつけています」
また、基本的にはドローヒッターだが、その度合が強くなると、カット目にボールを打つだけでなく、アドレスもチェックする。
鈴木愛 「ボールと体の距離が5センチくらい遠くなっていたり、上体の前傾角度が深くなったりしているので、その分近づいて立ったり、上体を起こして構えています」
無駄な動きを排除した分、ボールに伝える力も大きくなった鈴木。今季はまだまだ勝ちそうだ。
スイング正面連続
再現性を求めた結果シンプルなスイングに変身_“テークバック”と“インパクト”
テークバックでは常に同じところにクラブヘッドを上げること、同じ腰の回転、同じ足の動きを意識していた鈴木。上体の捻転は以前と同じようにしっかり回しているが、体の軸は以前よりも右に動くことがなくなり、全体的にシンプルなスイングになった。
スイング後方連続
飛球線後方から見ると、右肩からクラブが 下りてくるのが理想_“トップ〜切り返し”
鈴木にとって、好不調を判断するのは、クラブが下りてくる高さにあるという。好調時はダウンスイングの際、右の肩口からクラブが下りてくるが、不調時はそれよりも低い位置から下りる。その場合、トップの位置も低く、インサイドからクラブが下りてくるので、ドローボールの度合が大きくなる。その場合は、ややアウトサイドからクラブを下ろすイメージを持つとのこと。
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