不適切にもほどがある? 昭和のゴルフは課長以上じゃなければできなかったって本当?
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第110回
キャディーさんに甘やかされてオールドゴルファーは育った?
昭和の日本のゴルフの最大の特徴は、ほぼ全てのゴルフコースでキャディー付きの歩きゴルフだったことです。
現在のようにセルフでカートのゴルフが主流になるのは、バブルが弾けた以降の平成の時代です。
ルールのことを始めとして、残りの距離と使うクラブまで、何でもかんでもキャディーに聞くのが当たり前で、現在のゴルファーに比べると、キャディーが助けてくれることが多い分、甘えん坊のゴルファーが量産されたといえます。
ゴルフコースの近所の農家などのお母さんとおばあちゃんを総動員してキャディーとして採用していましたから、接客が得意な性格の人が重宝されたり、勉強熱心な人が優秀だったりすることはありましたが、基本はゴルフをしたことがない女性を研修してキャディーにしていたので、今考えると、非現実的で奇妙な世界観がありました。
昭和からゴルフをしていたオールドゴルファーにアンケートを取ると、キャディー付きのゴルフが好ましいという回答が過半数になります。甘えられるゴルフは楽チンで罪作りなのです。
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ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作...
肩書きでゴルフをするのは苦労も多かったという現実
昭和の時代は、社用族がゴルファー代表でした。接待ゴルフ全盛で、社会人としての嗜みとしてゴルフは機能していたのです。
バブルの前までは、課長以上の役職でなければゴルフ禁止という企業も珍しくありませんでした。
企業が法人用の会員権を所有していた関係もあって、個人名ではなく、○○社の第一営業部長さん、というように肩書きでコースサイドでも記憶しているケースもありました。
肩書きでゴルフをしているので、大企業ほど、または、上級職ほど威張っていたというイメージを持っている人もいますが、現実では悪いことしたり問題を起こしたりすれば、会社の顔に泥を塗ることことになるので、社用族ゴルファーは案外と大人しく、聞き分けが良かったのです。
ゴルフコースサイドとしては、優等生なゴルファーとして、そういう人たちを歓迎する傾向すらありました。
接待ゴルフはスロープレーでマナーも悪かったという話は、ほとんどが嘘か誤解です。
接待する側もされる側も、どこでどんな関係者が見ているかわからないので、無礼な真似はしないことが処世術の基本だったからです。
ゴルフコース関係者の中に、社用族が主役だった頃のほうが良かった、という本音を言う人が多いのも理解できます。
昭和から令和、ゴルフ界の変化を考えると、世界線が繋がっていない過去のような気もしてきます。
さて、50年後のゴルフがどうなっているのでしょうか?
未来のゴルファーから、令和のゴルフは羨ましいと思われるように、ゴルフを楽しむのが正解なのです。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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