ドライバーのシャフトを「短く重く」したらミート率が超絶アップした!?
石井良介のゴルフ・すべらない話:第35回
自分とクラブのみならずクラブ同士のフィッティングも必要
多くのゴルファーはドライバーを買い替える時に、ドライバーをフィッティングしてシャフトやヘッドを選びます。その他のクラブを替える時も、そのクラブと自分をフィッティングしますが、ドライバーと他のクラブをフィッティングすることはしません。ラウンドではドライバーを使ったあとに必ずいずれかのクラブを使い、それらからドライバーに戻ることを繰り返すのにクラブ同士の親和性については無頓着なのです。
自分とクラブの相性はいいかもしれないけれど、クラブ同士の相性が良くない可能性がある。アマチュアの方はよく「○番は打てるけど○番は打てない」と言います。「ドライバーのあとにウェッジが打てない」という人もいます。みなさんはこれを技術的な問題として片付けていますが、もしかしたらドライバーとウェッジの相性が良くないのかもしれません。実際、クラブスペシャリストのダグ三瓶さんは「ゴルフにおけるミスの原因の8割はクラブにある」と言われているほどです。
そこで思うのは、同じブランドで揃えたらクラブ同士の相性はいいのか? ということですが、残念ながら必ずしもいいとは言えません。僕も以前はブランドを揃えることがクラブの流れを作る最善策と思っていましたが究極的にはそうじゃない。メーカーさんは重さなど数字的なものは揃えてくれていますが、それが個々のユーザーに合っているとは限らないので、やはりフィッティングしないとダメです。さらにフィティングして流れができるかは、正直フィッターの腕によるところが大きいと思います。
前出の三瓶さんはクラブメーカーを辞めるにあたり、メーカーと一般ゴルファーを繋いでいるショップやフィッターさんと知識を共有してフィティングの底上げを図りたい、という旨のお話をされていましたが、これは僕らにも責任があって、多かれ少なかれメーカーさんからの情報をそのまま伝えがち。でも、ユーザーによってそうじゃないこともある、といったこともしっかり発信しなければいけないと思います。
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さて、話を元に戻しましょう。70グラム台のシャフトがついたドライバーを、僕は全て44インチにしました。その影響で、お気に入りのシャフトがついた他の番手が打ちづらくなったり、反対にこれまで打てなかったものが打てるようになっています。シャフトそのものの印象が変わって不思議な気分です。また、当初はロフトも増やしてみましたが、いまは意外と10.5度で安定しています。最初は11度で「高い球が出ていいな」くらいの感じでしたが、重さに慣れて振れるようになったので10.5度に戻しました。アマチュアの方には10.5~11.5度を推奨します。もちろんヘッドによって適正ロフトが違うので試行錯誤が必要ですが。
現時点での効果としては、ラウンド中に「あっ!」と思うミスが出なくなりました。ドライバーでは「調子良くきたのに何でこのミスが出るの!?」ということがありましたが、いまはそれがありません。以前よりヘッドの性能が活かせるようになっていると思います。何よりドライバーってこんなに簡単だったんだ、と思えるようになりました。僕のお客さんたちの間でもプチ流行していますが、もちろん強制するつもりはありません。興味があってメリットを感じる人がやればいいことです。ただ、“短・重・硬”にしてハマるゴルファーは一定数はいるはずなので、今後も進展状況を報告していきたいと思います。
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石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。