教わったことをコースでやり続けることがうまくなる条件

編集部からレッスンの受け方について質問されました。「レッスンの受け方次第で、うまくなれたり、なれなかったりするんじゃないのか?」というわけです。確かにレッスンされる側に立った時にはもっともな疑問かもしれないので、ちょっと考えてみたいと思います。

レッスンをする側としては、どんな心持ちで来ていただいても対応するので、特に“こうしてください”ということはありません。ただ、レッスンをしていて「うまくなるな」と思う人とそうでない人はいます。

間違いなく言えるのは、すぐ元に戻しちゃう人は難しい。「今のままじゃダメだから」という思いでレッスンに来られ、ある課題をやってうまくいったとしましょう。次はコースで試す段階になるわけですが、1番ホールでそれがうまくいかずに8とか9とか打っちゃうと、課題に取り組むことをやめて元に戻しちゃう。その日をうまく乗り切りたいから新しいことをするのをやめてしまうと、なかなかうまくなれません。

僕がこう言うと、十人が十人納得されますが、多くの方はコースで叩くと「今日はやめておこう」となります。実際、僕もレッスンを受けていて「明日ラウンドレッスンなんだけど、こんなに変えて当たるか!?」と懐疑的になる日があります。そうすると先生は口を揃えて「明日は死んでこい」と言います(笑)。当たらなくていいから1日それをやりきってこい、というわけです。

やった上で「こういう結果になった」とか「やったけどうまくいかない」ということならコーチとして対応できますが、元に戻したらそれはできません。そればかりか、脳は前のスイングの方がいいんだと判断します。すると、薬を途中でやめちゃった時のように、薬に耐性ができて効加なくなります。これはレッスンを受けていても、自身で新しい取り組みをしている時も同じです。

何をやるにしろ、新しいことは一度でできませんから、覚悟を決めて丸一日課題をやりきること。あれもこれもやると何も身につかないので「今日はこれをやる日」と決め打ちする。そして、その動画を撮ってもらうなどして「言われた通りやったぞ。でも、こうなったぞ」とコーチに見せるんです。そうすれば練習との食い違いがわかって正しい方向に導くことができます。“ローマは1日にして成らず”、1日1日着実にやることによってそこに行けるんです。

難しいかもしれませんが、できない時間を楽しめるといい。うまくいかない時に「もうちょっとこうしたらいいかも」とか工夫ができると、その時間がちょっと楽しくなります。元に戻ってしまうこともあると思いますが、本人が戻そうと思っていなければ大丈夫。新しい取り組みをやった時に、体がいうことをきかずに元に戻ってしまうことは僕も想定しています。見ればすぐにわかるし、そこから違った形で進化することもあります。

でも戻しちゃったら何もできません。「これじゃあ先がない」と自身で思ったからレッスンを受けに来たのに、肝心の現場で元に戻したら永遠にうまくなりません。レッスンを受けていてもいなくても、心あたりがある人は早く誰かに教えを乞うてください。僕は一生懸命やっている人には「なるべく早めに来てください」と言います。そこそこできてくればレッスンの間隔を空けてもいいですが、迷走中は早く対処すべきです。

繰り返しますが、練習でできてもコースに行くと壊れます。それが嫌な人は変えない方がいいでしょう。最終的に「意味がわかる」とか「コツをつかむ」といった感じで、自分なりにフックがかかればいい。それがないままなら違う方法を提案します。コーチはみんなそうすると思います。そんなプロセスを楽しめる人は確実にうまくなります。

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。