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「いまのティショット、何点ですか?」スコアがよくなるナイスショットの判断基準

石井良介のゴルフ・すべらない話:第42回

2024/09/18 ゴルフサプリ編集部

ティショット

アマチュアゴルファーの多くはラウンド中に「どう打とう?」ばかりを考えている。だから、ティショットがフェアウェイキープしていても、当たりが悪かったりすると「50点」「30点」という自己採点になる。スコアを良くするには、そうした考え方ではなく「目標スコアに対して自分が優勢なのか劣勢になったのかを考える」べきだと石井良介は言う。
写真/ゴルフサプリ編集部

考えて対処するクセをつけるのがラウンドレッスンの主たる目的

みなさんはラウンドレッスンを受けたことがありますか? ハードルが高いと考えている人がまだまだ多いと思うので、今回は僕が普段のラウンドレッスンでやっていることをちょっとだけ紹介したいと思います。

ラウンドレッスンではスイングの仕方はあまり言いません。いま置かれている状況下で起こりそうなことを想像したり、リスクを考えてもらうことが主。それに対して自分が持っている武器は何かを確認し、どうしたら少ない手数で当該ホールを上がれるかを考え実践していただく。このトライ&エラーの繰り返しです。

いずれにしても、考えていただくことが第一。トップが多い、ダフりが多いなど、誰にも弱点があります。なのに、肝腎要のラウンドになると、何の手も打たずにプレーしてしまう人がほとんどなので、一歩立ち止まってプランを考えていただく。もちろん僕も一緒に考えます。一人だと「どう打とう?」くらいしか考えませんが、一緒に考えると、狙いどころを変える、クラブを替えるなど視野が戦略がグンと広がります。「こういうことは考えませんか?」という具合に、僕から新たな提案をして気づいていただくこともよくあります。

また、ショットを打った瞬間に、目標スコアに対して自分が優勢なのか劣勢になったのかを考えるクセをつけていただくようにもしています。AI将棋では、一手ごとにどちらが優勢かをグラフィカルに表示する仕組みがありますが、それと同じで、ティショットを打った瞬間にパーの確率が何%残っているか、あるいはダボのリスクがどれくらい高まったか、などと考えてもらうわけです。

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例えば、それを前提にして朝イチのショットを打ったあとに「いまのティショットは何点でしたか?」と僕が聞きます。すると多くの方は「ヒールに当たったから50点」とか「スライスしちゃったので30点」とか言われます。フェアウェイキープしているにも関わらずこう言われるのです。そこで「パーの確率が下がりましたか?」と聞くと「そんなことはない」とのご返答。僕が聞きたいのはまさにそこで、いまのショットでパーの可能性が増えたのか減ったのかの一点。なぜなら、そこがスコアメイクする上での最重要ポイントだからです。

アマチュアの方の多くは、ナイスショットの判断基準がラウンドモードになっていません。要は打った自分の気持ちがいいか悪いか。そうではなく、ラウンドではスコアに直結するかどうかが判断基準にならなければいけません。ヒールヒットだろうが何だろうが、ボールがフェアウェイにあるのに70点とは、僕からすると「ちょっと自惚れていませんか?」となります。

もちろんショットに対する評価はしてもOK。ホールが進んでいけば、それも判断材料になりますからね。でも、それはスコアに直結する要素にはなりません。気持ちが悪くていいスコアと、気持ちが良くて悪いスコアならどっちがいいでしょう? プロでも気持ち良くいいスコアが出ることなんてまずないんです。

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ここまでがいいスコアで回るためのレッスンだとしたら、練習したことを試すレッスンもあります。また、生徒さんによっては競技性を持たせたレッスンをすることもあります。ラスト2ホールをペアマッチにして緊張感を持たせる。緊張って、人に見られているからするので、その状態を意図的に作るわけです。ショットを打つ時に、どんなボールを打つか宣言していただき、意図した通りに打てたか見たり、なぜそうしたのかを聞いたりすることもあります。これは自分が置かれている状況を客観的に評価する力を養います。クラチャンの予選を通った人とマッチプレーで公開スパーリングをすることもあります。対戦相手の情報があれば、僕がその人のプレースタイルに近づけます。ティショットを飛ばさず、先にグリーンに乗せるなど、細かくやることもあります。

このように、ラウンドレッスンでやることは多岐に渡りますが、何をどうやるにせよ、いままでの自分をアピールするのではなく、新しいことを得る感覚で受けていただいた方が実りあるものになると思います。自分がやっていることと違った方法もあることを知ってほしい。知った上でやるかどうかは個人の判断でいいですが、頭が凝り固まって何もできなくなっている人が多いので、なるべく結果につながる方法をたくさん示せるように心がけています。

石井良介

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

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