両足の指で大地をギュッとつかんで構える「飛ばすプロのアドレス」【大西翔太の飛ばしレッスン】
【オジサンでも飛ばせるドライバーレッスン!】 人気コーチ・大西翔太がわかりやすくレクチャー|筋トレ不要の飛距離アップ法 02

飛距離低下に悩んでいるオジサンゴルファーたちに大西翔太コーチがレッスン。第2回は前回に続いて簡単に飛ばせるようになるアドレスをレッスン。「飛ばしのポイントは下半身の安定感に尽きます!」と大西翔太コーチ。どっしり感覚が大事なのは分かっているけど、どうすればどっしりと構えられるの?
構成/三代 崇 写真/中野義昌 協力/船橋カントリークラブ
背中のラインに沿って骨盤を前傾させて、両足裏の全体で地面をしっかり踏もう!
安定した構えは「お尻のどっしり感覚」が絶対条件となる
飛ばしてやるぞ! そう思うとゴルファー誰しも力がみなぎってきますよね。気持ちを奮い立たせることは大事だとボクも思います。でも力の入れどころを間違えてしまうと飛ばないアドレスになりやすいので注意してください。
飛距離を出すには、下半身の安定感が一番のポイントです。下半身は「スイングの土台」といわれるくらいですから、腕や肩の力を抜いて下半身に力をためておく意識を持ちましょう。
突っ立ったままの棒立ちの構えでは飛ばないということは、大半のゴルファーは理解しています。ところがどっしりと構えようとして下半身のバランスがとれていない人が案外多いのです。
よく見るパターンは次の2つです。
・重心を下げようとして腰を低く落とし、ヒザを曲げすぎている。
・ボールから離れて前傾角度が深すぎて腰が引けている。
自分では土台を安定させたつもりでも、実際は足がしっかり地についていないため、スイング中に下半身のバランスが保てず、スイング軌道が安定しにくい上にフィニッシュまでしっかりと振り切れません。
飛ばせるアドレスの手順を説明しましょう。
1.両足を肩幅くらいか、それよりも少し広げて直立の姿勢になる。
2.腰のツケ根から軽くお辞儀するように上体を前傾させる。前傾姿勢を作るときは、背中のラインとお尻のラインがキレイに揃うように骨盤を前傾させる。
3.両ヒザを軽く曲げて、両腕を脱力して自然に下げればアドレスの基本姿勢の完成。
要は「お尻のどっしり感覚」が決め手なのです。お尻は下げないで、少し持ち上げるイメージ。そうすれば骨盤を前傾しやすく、足腰全体の安定感が生まれます。
さらに、お腹をギュッと引き締めて腹圧を入れておきましょう。これが飛ばしのアドレスの力の入れどころです。





腰骨、ヒザ、土踏まずのラインが一直線となるように構えよう
ドライバーのアドレスは上体を少し右に傾けてボールに向かい合うように構えます。体重は6対4くらいの割合で右足に多めに乗せておき、重心は土踏まずから母指球にかけての部分に意識しましょう。
重心がツマ先に寄りすぎてもカカトに寄りすぎてもいけません。下半身の安定感を出すには前後の重心バランスもとても重要ですから、カカト側とツマ先側に交互に重心を乗せてみて、その中間のどっしりと構えられる適切な重心位置を把握してください。
飛ばせるアドレスの目安として、飛球線の後方側から見たときに腰骨(股関節の前側)、ヒザ頭、土踏まずを結ぶラインが一直線となるように構えましょう。
重心がカカトやツマ先に寄りすぎたり、上体の前傾角度が浅すぎたり深すぎたりしてはこのラインは歪んでしまいます。どうも下半身のどっしり感が感じられないと思ったら、アドレスの姿勢を鏡などに映してチェックしてください。
プロたちは「足の指で大地をつかむイメージ」とよく口にします。これも飛ばしのアドレスのいいヒントになると思います。
指で地面をつかむというと感覚的に難しいかもしれませんが、最初にツマ先を浮かせてから指を地面に食い込むイメージで下ろし、足の裏の全体で地面をしっかり踏みしめる感じを出すといいと思います。
プロたちのアドレスは誰かに背中を押されてもビクともしないように見えるのは、足が木の根っこの役割を果たすように構えているからです。





大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、24年は安田祐香のメンタルコーチとして初優勝に貢献。女子プロの大西茜は実妹。

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