パットの「入れごろ外しごろ」 考え方を変えるだけで「入れごろ」 に変わる?
今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【3】

ゴルファーなら聞いたことのある定説や風説を取り上げ、「なるほど」とゴルファーが納得できる答えを蝶ネクタイを締めたプロコーチ・今野一哉とともに考える連載企画。第2弾は「入れごろ外しごろ」。1〜2mのパットは入りそうで入らない距離、ということから「入れごろ外しごろ」と言われるが、考え方を変えたら簡単なパットになるのでは?
入れごろが外しごろになっちゃうのはネガティブなメンタルが原因
ゴルフサプリ カップまで1〜2メートルのパットのことを、入れごろ外しごろって、言いますよね。あの距離って、けっこう外しちゃうんですけど、どうしてなんでしょうね。
今野 メンタルによる影響が大きいと思うんですよね。入れごろ外しごろって言うと、ふたつにひとつみたいなプレッシャーのかかるメンタリティになっちゃうのでしょうね。
でも、たしかにこの1〜2メートルの距離って、ゴルフをやったことのない人が打っても入ることがあるし、プロゴルファーでも外すことのあるナゾの多い距離なんですよね。
ゴルフサプリ 同じ1〜2mでも、毎回ラインは違うし、置かれている状況も違うのに入れごろ外しごろって、ナゾですね。
今野 入れごろ外しごろっていう二択の中で考えている時、入れごろだと思っている自分と外しごろだと思っている自分、気持ちの中で大きな差があると思うんです。外しごろに気持ちが傾いちゃっている人は、だいたい外すでしょうね。ちなみに、入れごろ外しごろのバーディパットは外しがちですか?
ゴルフサプリ カップまでの距離に関係なく、外すことが多いです。
今野 でも、同じ距離でボギーパットだと?
ゴルフサプリ そういえば、けっこう入ります(笑)
今野 バーディパットの成功体験が少ないと、どうせ入らないでしょってアドレスに入っている人が多いんですよね。技術力に関係なく、入らないと思って打っているから、入る確率が低くなる。それで外したら、「あーやっぱり」と言ってしまう。
ゴルフサプリ 言ってます言ってます。まさに、入らないでしょと思って打っている証拠ですね。
今野 でも、ボギーパットだと、適当に打っても入っちゃったりする。なんでこれが入るの! って言葉にも表れちゃう。気持ち次第でパフォーマンスに差が出ているんですよね。

ミスショットの後の打ち直しはどうしてナイスショットになるの? そもそも1球目から良い当たりにするにはどうすればいい?
ゴルファーなら聞いたことのある定説や風説を取り上げ、「なるほど」とゴルファーが納得できる答えを蝶ネクタイを締めたプロ...
ゴルフサプリ 練習グリーンだと、ポコポコ入っちゃったりするんですけどね。
今野 プレッシャーがかかってないですからね。入る・入れよう、という気持ちしかなくて、練習グリーンで外すなんて考える人はいないでしょう。
ゴルフサプリ 入れごろ外しごろが入る人って、どんなメンタリティなんでしょう。
今野 僕の場合は、外すのを期待されちゃっている時に「これを入れたら相手にプレッシャーかけられる」と思って打っています。「外すかも」と思っている相手が、僕が入れるのを見たら「ナイスー」とか言いながら心の中で「チッ」と舌打ちしてる、そんな顔を思い浮かべながら打っています(笑)
ゴルフサプリ 強メンタルですね。僕の場合は、外すので「そうだよね。外すよね」って顔をされます(泣)
今野 僕の考え方は別として、パターが得意な人って、外すなんて考えていないんです。それから、パターに苦手意識や嫌悪感も持っていない。他のショットと同じと考えているし、好きとも嫌いとも思っていない。だから、何事もなく集中できるし、パフォーマンスを発揮できるメンタルで臨んでいます。
ゴルフサプリ 入れごろ外しごろも、入って当然くらいのメンタルで臨めばパフォーマンスを発揮できるってことですね。
今野 そうですね。だから、入れごろ外しごろを、入れごろ一択に変換できるといいんですよね。そのための方法として、ゴルフの醍醐味はパットに凝縮されていると考えてみてはどうでしょう。実際、自分よりもドライバーが飛ぶ人と回っていても、グリーンに立った時には1パット目の打数が同じなんてことよくありませんか。ということは、そのホールの勝敗はパットにかかっているということですよね。
ゴルフサプリ たしかに、そんな場面よくありますね。
今野 それが入れごろ外しごろのパットだったとしても、このパットにどんな答えを出すかを考えることがゴルフの面白いところだと思えたら、入る確率が高くなると思うんです。
ゴルフサプリ 勝負を楽しむというメンタルですね。
今野 はい。入れごろ外しごろの距離がバーディパットでもボギーパットでも、パットはそのホールにおける決勝戦みたいなもの。入れごろ楽しみどころって思うようにしてください。
今野一哉(こんの・かずや)
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。

ドライバーが当たる日はアイアンが当たらない。スコアを落とさない秘訣は守備的思考?【今野一哉の新連載】
ゴルファーなら聞いたことのある定説や風説を取り上げ、「なるほど」とゴルファーが納得できる答えを蝶ネクタイを締めたプロ...

左手甲をフェース面に見立てる!?カップまで1~2mという微妙な距離の攻略法を藤田寛之がレッスン
俗に言う「入れごろ、外しごろ」とは、カップまで1~2メートルの微妙な距離を指す。この距離を攻略してスコアアップを目指そ...

ゴルフQ&A|距離が短い「入れごろのパット」をしっかり打つためのポイントは?【長井プロ】
アマチュアゴルファーのお悩みにレッスンプロがお答えする「ゴルフQ&A」のコーナー。今回は、ショートパットや入れごろのパッ...