1. TOP メニュー
  2. スコアに効く
  3. 距離が長いパー4のティショットほど飛ばしに走らずコントロールを重視するべし!

距離が長いパー4のティショットほど飛ばしに走らずコントロールを重視するべし!

石井良介のゴルフ・すべらない話:第86回

2025/07/23 ゴルフサプリ編集部

1ラウンド18ホールで最も多いのがパー4だが、同じパー4でも距離が長いパー4と短いパー4がある。一般的に、長いパー4ではティショットで飛距離を稼ぎ、なるべく残り距離を少なくするべきと考えられていると思うのだが、それは違う、と石井良介。長いパー4の正しい攻略法について解説してもらおう。

守ったり攻めたりの緩急が必要になるのが長いパー4

長いパー4は飛距離を出していかなければ! そう考えてしまうのはわかりますが、うまく打てればまだしも、曲げて林にでも入れたら次は出すだけになる。そうなった時に牙を剥くのが長いパー4で、よほど運がよくない限り一打以上失うことになります。

ですから僕は長いパー4ではあまり振らず、安全第一で2打目が普通に打てるところに運びます。パーを獲りたいと考えた場合、パーオンして2パットが理想ですが、寄せワンでパーが獲れる可能性もあります。例えば400ヤードのパー4を3オンワンパット、悪くて3オン2パットで収めたいとしたら、1打あたり134ヤード弱打てばグリーンに届きます。

そこでティショットのドライバーで何ヤード飛ぶのかイメージしてみてください。200ヤードだとしたら残りは200ヤード。そこからは100ヤード×2回で乗ります。数字遊びみたいになりますが、2打目で150ヤード、3打目で50ヤードでもいい。もちろん200ヤード飛ぶクラブを使ってグリーン周りからアプローチする手もあります。つまり、リスクを冒してティショットを飛ばさなくても、いいところに打てればいくつもの選択肢が出てくるのです。

また、このように組み立てていくとゲームをコントロールしている気になれます。決めたことを着実に実行するだけなので迷わないし、うまくいけば自信をもってゲームを進められるでしょう。「そんなゴルフはつまらない」と言われればそれまでですが、ベースにこの発想がある人は楽な気持ちでドライバーを打てるのでティショットが意外と飛んだりします。そこで同様に残り距離の攻め方を考えると、パーオンにトライしてパー、も現実味を帯びてくるのです。

フェアウェイを狙って打つとOBに行くなら、OBを狙えばいいんじゃない? 90の壁を崩す逆転の発想!

ゴルフはターゲットスポーツともいう。ピンを真っすぐ狙いたくなるのも当然だが、リスクを背負わないようにすることも大事。...

あわせて読みたい

これに対し、短いパー4はティショットが多少曲がってもリカバーできる可能性があるので、やたら狭かったりトリッキーなホールでなければバーディが獲れそうなところを狙って振っていきます。ただし、その一方でショットのテンションが変わらないように意識します。どういうことかというと、例えば10割の力で気持ちよく打ったドライバーショットがいいところに行ったとします。でも、2打目が残り40ヤードとかになると、ショットのテンションが激変するためすごく難しくなります。10割で振った次のショットでいきなり繊細な感覚を出さないといけないのです。

ドライバーでナイスショットしたあと、ウェッジショットでチャックリやトップする人がいますが、少なからずこれが影響しているかもしれません。心あたりがあったら、8割なら8割の力で2回続けて打てる番手を選ぶといいでしょう。例えばドライバーを8割で打って、残りが80ヤードくらいならPWやAWで8割のスイングで臨む、という感じでスイングの力感を揃えるわけです。マン振りを2回続けてもいいですが1ラウンドもつか? という話にもなるので、そこは思案のしどころです。

パー3で崩れないことがスコアメイクのカギ! ところで、ティアップしたボールを打つ練習やってる?

パーで収めるのが一番難しいホールはパー3だと言う石井良介。アマチュア目線で言えば、距離が短いので簡単なように思えるの...

あわせて読みたい

前回お話したようにパー3はどちらかといえば守りのホールになりますが、パー4はホールの構成要素によって守ったり攻めたり緩急が必要なホールだと思います。距離が長ければ何とか3オンでパーかボギー、短いならワンチャン頑張ってみよう、というようにメリハリをつける。そうなると、やはりティショットがポイントになります。飛距離も大事ですが、それ以上に2打目をグリーン方向に打てない状況を作らないことが大事。OBや池だと次は3、4打目になり、林やアゴの高いバンカーに入ったら出すだけになる。ティショットの役割は2打目をグリーン方向に打てるようにすることです。

それには自分がティショットでコンスタントに打てる距離をよりどころに、グリーンまでの残り距離を何回で乗せるか割り算で考える。また、ゴルフゲームのパワーゲージのように、自分は何回目一杯振れるか考えても面白いと思います。僕はいつもお客さんに、自分というプレーヤーのキャラクターを把握してくださいと言います。飛ぶけど安定感がないのか、飛ばないけどコントロールがきくのかなど自分の特性を知る。レベルに関わらず誰もがその前提でどんなショットを選んでいくか。この力を一番問われるのが、いろいろなタイプのホールが混在するパー4だと思います。

石井良介

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

「どこに打つの?」「どこを向いているの?」ターゲットの左を向かないとスクエアにアドレスできません!

アドレスの大切さについては言うに及ばずですが、アマチュアレッスンの現場は、みなさんが考えている以上に「エライこっちゃ...

あわせて読みたい

100を切るのにパーはいらない。「真剣にボギーをとりにいく」の姿勢で臨もう!

最近100が切れなくなったという人から「“100は打たないようにしよう”と“絶対100を切るぞ!”、どっちの気構えでラウンドするの...

あわせて読みたい

PWでも7番アイアンでも。ショット精度を上げたいなら、いろんな番手で100ヤード打てるようになろう

ショットの精度を上げたい。それには「100ヤードを打つ力感を養うのが効果的」という石井良介プロ。では、どんな練習をすれば...

あわせて読みたい