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7番は150ヤード飛ばなきゃいけない? 大事なのは自分のスイングで何ヤード飛ぶかです

石井良介のゴルフ・すべらない話:第88回

2025/08/06 ゴルフサプリ編集部

7番なら150ヤード、8番なら130ヤード……といったふうに、アマチュアゴルファーは通説やカタログ通りの飛距離が正しいと思い込みがちだと、石井良介は言う。そこで、今回はアマチュアにおすすめの距離コントロール法について話してもらった。

ウェッジは3パターン、9番アイアン以上は2パターンのスイングの距離を把握

多くのみなさんは、まず50ヤードとか距離を決め、その距離を繰り返し打つ練習をすると思います。距離に合わせてスイングを固めるわけですが、僕がおすすめしたい方法は逆で、まずスイングありき。例えば何も考えず気持ちよく打ったスイング、あるいはハーフ、スリークォーターショットなどのキャリーの距離をメモします。決まった距離を打つ練習をするのではなく、自分なりにスイングした時の距離を把握するのです。こうすると距離ありきではなくスイングやクラブありき、つまり自分が主体で距離をコントロールできます。気持ちよく振った時の距離を基準にし、あとは匙加減でアジャストするのです。

例えば僕の場合、ロフト56度のウェッジでハーフスイングすると60ヤード飛びます。ラウンド前のウォーミングアップをこのハーフスイングからはじめ、その距離をその日の基準にします。体調やコンディションによって60ヤード飛んだり、飛ばなかったりしますが、ゴルフはそもそもそういうものなので無理に60ヤードには合わせません。

早い話、56度のハーフスイングで60ヤード前後飛ぶことを知っているだけ。でも、この方が決めた距離を打とうとするよりも安定して同じ距離を打てます。基準がわかったらスリークォーターとフルスイングの距離も見ておきます。普段の練習では別のクラブでもこれをやります。ウェッジは3パターン、9番アイアン以上ではフルスイングとスリークォーターの2パターンの距離を把握しておきます。

弾道計測器のトラックマンにはコンバインテストというのがあります。僕もレッスンで使っていますが、トラックマンから“○○ヤード打ちなさい”と課題が出されます。方法もクラブも何でもいいので、その距離を一定数打つと方向と距離のトータルで点数が出てくるというテストです。

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このあいだ、このテストで低得点だった人が「次のゴルフは見栄を張るのをやめます」と反省してプレーしたら、普段は45前後なのに30台で回れたそうです。思ったより飛んでいないと納得できた結果でしょう。また、ある人は6~8番アイアンのキャリーが全部120ヤードで、ランで距離に違いが出ているとわかりました。その人は当該アイアンに代わるユーティリティを探しています。このように、自分の飛距離を知るだけでスコアアップできたり、やるべきことが明らかになります。

クラブを短く持って距離をコントロールする方法もありますが、僕は腰より高いとろにボールがあるなど、きちんとボールにコンタクトしなければいけないケースを除いて、シャフトギリギリの部分を持つことはなく、基本的にはグリップの真ん中か、長く持つかの2通りです。グリップの真ん中よりに短く持つとヘッドの重さがわからなくなるからです。

ですから通常アイアンは長く持ち、コントロールしたい時だけ真ん中を持ちます。飛ばないようにするというよりは、弾道を変えるためにやっている。高い球、低い球、スライス、フックなど、弾道が変われば距離も変わるからです。ドライバーを短く持つのは低い球を打つ時です。反対にアプローチでは真ん中を持つのがベーシック。長く持つとダフりが怖いからです。どれくらい短く持つかは各々違って然るべきですが、どこまで短く持つかは考えた方がいいと思います。

僕はゴルフクラブアナリストのマーク金井さんとゴルフをする時には、パー3を全部ドライバーで打ちます。150ヤードも170ヤードも210ヤードも全部ドライバー。手前に大きな木や池とバンカー、奥にバンカーがあっても「手前より奥のバンカーがマシですね」という感じで遊びながらやっています。遊びと言うと聞こえが悪いですが真剣に遊んでいる。そうやって技術を磨いています。

先月は北海道の稚内CCでプレーしましたが、強風で150ヤードを4番アイアンやピッチングウェッジで打ったりしました。アプローチ、パットも大変で何とか距離を合わせたましたが、一緒に回っていたアマチュアの方が「何で距離が合うんですか?」と目を丸くするんです。僕としては合うんじゃなく合わせている。自分の5mのパットは全世界共通じゃなく、3mになることもあれば7mになることもあるわけで、それをいかに早い段階でつかめるかどうか。それが距離を合わせるということだと思います。自分の距離感があっても最終的には現場でどう対応するか。一定の距離を打てるようになることは大事ですが、それが常にラウンドで通用するわけではなく、むしろ通用しないことの方が多いことを知っておくべき。それを楽しむくらいの気持ちで臨んだ方がうまくいくし経験則にもなります。

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

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