NEW・名門ゴルフ場|サニーカントリークラブ(長野県佐久市) Part2
リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪
名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです。
文・写真・絵
リサオ(大隈里砂)
元超インドア文学少女。遅咲き・狂い咲きゴルファー
コラムニスト、似顔絵作家、イラストレーター、フォトグラファー、翻訳家(英語)として(自称・ひとりスキマ産業)、主にゴルフ業界で活動
プレースタイル:山っ気たっぷり、策に溺れ式
特技:無駄ロブ(不必要なロブショット)
好きなライ:ヘンなライ、下りフック
苦手なライ:フェアウェイど真ん中
好きな言葉:インテンショナル
子供の頃の将来の夢:電気屋さん
『ティーイングエリア選択肢の名門』として
前回、サニーCCではティーイングエリアの選択肢がたくさんあって、飛ぶ飛ばないにかかわらず、全員が楽しく本来のパーオンできるゴルフを満喫できるという話をしました。実はこの日はメディアデーということで、いろんな媒体のひとが生まれ変わったサニーCCを体験しに来ていました。
そこで、男性陣がみな当たり前のように後ろからプレーするなか、ただ一誌、一般のゴルファーの目にはなかなかふれないとある専門誌の男性陣が、一番前のサニーティからラウンドされていたんです。感動して心の奥底から尊敬。だって、男性が一番前からってことは、なかなかティーショットを打てないわけで、毎ホール待たなきゃならんのです。かったるいし面倒くさいし、でもそこは記者魂。プラス好奇心のなせるわざかな。やってみないと感想言えないもんね。立派です。
ゴルフ業界ではよく、新製品が出る前に、クラブメーカーが媒体のひとたちを呼んで試打ラウンドっていうのを開いてくれるんですね。そのとき、例えばアイアンが売りだとしたら、そのラウンドでは積極的にアイアンを使うのがスジ。って、誰でもわかること。でも使わないひとがいる。普通にラウンドしちゃうひと。クラブメーカーのご招待で、普通にラウンドしちゃう。なんならスコアもつけちゃう。スコアつけたらいろいろ試したりできなくなるだろうが。一度そういう同伴者に「アイアン使え」って言ったら「だってここからアイアンじゃ届かないもん」って返されて、「じゃあ刻め」って言ったけど無駄だった。そのことを考えたら、サニーティからまわるオトコはモーレツにカッコイイ。
というわけで次の写真、1番PAR5のフェアウェイからティーイングエリア方面を振り返るの図なんだけど、次の組がその専門誌の方々。サニーティで待ってるの見えるでしょか。そしてダブルで稜線が美しい山と雲も。
人生は振り返らず、コースでは振り返る、のススメ
そういえば、ゴルフ場で遊んでるときは、前ばっかり見てないで、スキあらば振り返ることをオススメします。なぜならビックリするような美しい光景が広がってることが結構多いから。特に打ち上げホールのときは、グリーンから打ち下ろしになるわけなので、景色をばーっと見渡すことができる。それを見逃したら損です。ゴルフに集中するのはショットの瞬間だけにして、あとは気を散らせておくといいこといっぱいあります。
1番PAR5が打ち上げってことは、おかえりなさいの9番は打ち下ろし。グリーンに向かって撮った写真が次の2枚。1番の振り返りと同じ方向だから同じ稜線が見えますね。
長いカタカナのゴルフ用語を日本語にしてくれないかな
ところで「ティーイングエリア」って長いし言いにくいっていつも思う。ルール改正前の「ティーグラウンド」も正式名称の「ティーインググラウンド」も長かった。「ルースインペディメント(木の枝や落ち葉、小石)」なんて完全に呪文です。Loose(はがれた) Impediment(障害物)。やけに法律用語っぽい。アメリカ人ゴルファーでもこの言葉の意味を知らない人はいるはず。そんな難解な言葉をなんでわざわざカタカナにして使うんでしょうか。全部カタカナじゃなきゃいかんのだろうか。せっかく日本には便利な漢字や熟語があるのに。そこいくと例えば英語には漢字も熟語もないので、なにかを言い表すときにピッタリの言葉ってなかなかないんです。「懐かしい」とか。ハーフの友人は「イッツ・ソー・ナツカシイー」って言ってました。でも便利な漢字的なものがないおかげでズバ抜けて面白い言い回しを発明するんですアメリカ人って。アメリカのキッチン道具が異様に便利なのも、彼らが不器用だから。必要は発明の母なのです。日本人は器用で必要ないから電動の缶オープナーを作ろうっていう発想が出てこない。でも日本の缶切りはムズカシイ。
まあそういうわけで、英語は生きていてどんどん変化していってる感覚があります。好例なんだけど、ものすごく言葉遣いの悪いサンプルをひとつ。「近場で済ます」って言いますよね。アメリカのドラマで聞いた台詞なんだけど、同じマンションのひとと付き合ってその関係が終わったあと、エレベーターなんかで顔を合わせるのが気まずいってときに「なんで近場で済ましちゃったんだろう」って後悔するシーン。"Why did I shit where I eat" って嘆いてました。正しい慣用表現としては "Don't shit where you eat" です。しょっちゅう会う機会のある相手とロマンチックな関係になると後々面倒だよって言い回し。まあでもだいたい近場ですよねえ。遠出は手間ひまがかかるもんねえ。まあとにかく、日本語で考えてたら絶対に出てこない表現がたくさんあって英語は面白いです。
それはさておき、ティーイングエリア。「あの丘」ぐらいにしてもらえるといいんだけど。「今日はどこの丘からいく?」「あの丘から遠すぎるー」みたいに。そういえば『英語禁止ホール』のときは皆なんて言ってるんだろ?「最初に打つとこ」かな。
『雲模様の名門』で雲観察のススメ
さて、この日は雲模様が多彩でした。やっぱり山に囲まれてるせいなのか、ちょーダイナミック。カタチも面白いけど、雲の種類で天候がわかったりもするので、待ち時間には上を向いてみるのもよいと思います。いろんな雲をどどどーんと並べていきます。
↓ つぶつぶの『うろこ雲』、あるときは『いわし雲』、またあるときは『さば雲』。いずれにしてもオサカナ関係ですね。正式名称は巻積雲(けんせきうん)。地震雲ではないそうです。雨には関係あるっぽいけど。
↓ これはよくわかんないんだけど躍動感があって大好き。巻雲かな。でもこんな激しいのは初めて見ました。命名『暴れ雲』ってことでどうかしら。強風でもなかったのにな、山は不思議です。
↓ そして極めつけがこちら。さっきも出てきた彩雲(さいうん)。昔からこれが現れると吉兆とされてるけど、実際はありふれた気象現象なんだって。そのわりにそんなに見たことないけどなー。ただ、この雲は水平に横長でちょっと上に反りかえってるので、たぶん彩雲というよりは環水平アーク(かんすいへいあーく)と呼ばれる大気光学現象だと思われます。パソコンは変換してくれません、環水平アーク。環水平弧なら「かんすいへいこ」で語呂がいいのに。なぜアークだけカタカナ。またまた話が戻りそうです。おあとがよろしいようで。
次回はいよいよ、ゴルフ合宿にとって大切な練習環境のお話。サニーCCが誇る、魅惑の練習施設についてご紹介いたします!お楽しみに♩
【シリーズ一覧】
●第1回:NEW・名門ゴルフ場|サニーカントリークラブ(長野県佐久市) Part1
●第2回:NEW・名門ゴルフ場|太平洋クラブ佐野ヒルクレストコース(栃木県佐野市)Part1
●第3回:NEW・名門ゴルフ場|四街道ゴルフ倶楽部(千葉県四街道市)番外編 Part1
●第4回:NEW・名門ゴルフ場|キングダムゴルフクラブ(埼玉県秩父市)Part1
●第5回:NEW・名門ゴルフ場|志摩シーサイドカンツリークラブ(福岡県糸島市)Part1
●第6回:NEW・名門ゴルフ場|千代田カントリークラブ(茨城県かすみがうら市)Part1
●第7回:NEW・名門ゴルフ場|吉井カントリークラブ(群馬県高崎市)Part1