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NEW・名門ゴルフ場｜吉井カントリークラブ（群馬県高崎市）Part2

NEW・名門ゴルフ場｜吉井カントリークラブ（群馬県高崎市）Part2

リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪

2020/06/30　リサオ（大隈里砂）

名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです。誰もがプレーできるそんなゴルフ場を紹介します。

文・写真・絵
リサオ（大隈里砂）
元超インドア文学少女。遅咲き・狂い咲きゴルファー
ウェブストア https://lisaomania.stores.jp/

コラムニスト、似顔絵作家、イラストレーター、フォトグラファー、翻訳家（英語）として（自称・ひとりスキマ産業）、主にゴルフ業界で活動

プレースタイル：山っ気たっぷり、策に溺れ式
特技：無駄ロブ（不必要なロブショット）
好きなライ：ヘンなライ、下りフック
苦手なライ：フェアウェイど真ん中
好きな言葉：インテンショナル
子供の頃の将来の夢：電気屋さん

『with コロナ』のゴルフ

ゴルファーの皆さま、楽しくゴルフしてますか。

自粛期間中、ゴルフは自粛対象じゃなかったのに、テレビの偏向報道のせいで肩身の狭い思いをされてたことと存じます。わたしが関わっているショートコース、多摩川ゴルフ倶楽部にも自粛警察の方々からお怒りのメールがちらほら届いておりました。「自粛対象のくせに！」と書かれているのが多かったです。地上波テレビはほとんど見ないので詳しくはわからないけど、対象じゃないのに対象だと思い込んじゃうぐらいの報道のトーンだったんでしょうね。同じ多摩川の河川敷にある練習場はそのせいで1週間ほどクローズせざるを得ませんでした。スタッフの身を案じたからです。

河川敷のコースはどこも去年の台風で大打撃をくらっています。数ヶ月にわたって営業できなかったコースも多々あります。なので、春からのハイシーズンにその損害を少しでも取り戻そうとしていたはずです。でも偏った報道のおかげでそれが叶わなかったところも多いだろうし、今後事業を継続できなくなる練習場など出てくるでしょう。これは立派な営業妨害だと思う。でも責任はとってくれません。日本ゴルフ協会と全日本ゴルフ練習場連盟は5月に日本民間放送連盟（民放連）に対し、ゴルフとウイルス感染を結びつけた報道をしないよう申し入れをして、特に意図的にゴルフを悪者扱いしたテレビ局2社には質問状も送ったようですが、自分たちは別に間違ったことはしていないという反応だったようです。んーと、ゴルフの試合、放映してる局なのにね。

ただ、ゴルフの団体の対応も遅かったよね。ゴルフの名誉が不当に傷つけられてるんだから、果たし状を叩きつけてもいいぐらいなのに。青木功氏が顔を真っ赤にして熱弁ふるってくれてもよかったのに。どうにかして一般のゴルファーを守ってほしかった。いろいろ歯がゆいです。次回は何か言われる前に「屋外で密にならないスポーツ」「気分転換にもってこい」「お一人様でも遊べます」って宣伝して先手を打ってくださいますようお願いします。

そのためにも、せっかく出てきた『スループレー』の芽を摘まないでほしいんだけど、どこのゴルフ場もレストランを再開してるようです。別にレストランを利用するのは構わないんだけど、また元通りの【ハーフで1時間休憩】一辺倒になるともったいないなと。選択肢は多いに越したことはないですから。スルー枠を作るなり増やすなり、または状況に応じて「今ならスルーでいけますよ」と臨機応変に対応してもらえるようになると嬉しいです。コロナ前にもそういう融通の利くゴルフ場はいくつもありましたから、やればできるってことです。吉井カントリークラブでもこの日、スタート前に「○時までにハーフを終えられたらスルーでいけます」と言ってくださったので、俄然やる気が出ました。おかげさまで集中を切らさずスルーで回ることができて、その後で美味しいランチを静かにいただきました。

まあとにかく、それぞれが楽しいと思える方法で楽しい仲間と楽しくゴルフしましょう。まだ大手を振って、というわけにはいかないかもしれないけど、後ろめたく思う必要はないです。ゴルフ場側もいろいろ工夫をしてくれてますので。レストランでいえば、なかには向かいの人との間にアクリル板を置いてるとこもあるらしく、友人は「全然お話が聞こえない」と笑っていました。その図を想像するとちょっと面白いです。まあ、食べるときは喋らずに食べることに集中しろ、ということなんでしょうね。

そういえば、ゴルフに関わる16団体が参加している『日本ゴルフサミット会議』がwith コロナのゴルフについてポスター作ってます。なんで2種類作ったのかナゾだけど、せっかくなので2種類並べて載せときます。ゴルフ場や練習場で目にすることがあるかもしれません。

まさに気分転換にもってこいな吉井カントリークラブ

さて、訪れた誰もがウッキウキの楽しい気分になること請け合いの吉井カントリークラブ。
前回の「序章」はこちらからどうぞ ↓

NEW・名門ゴルフ場｜吉井カントリークラブ（群馬県高崎市）Part1

群馬のハワイはコースも施設も食事もなにもかも、全部まるっと楽しめる遊び場

ゴルフ場に着く前から溶岩が迎えてくれて、クラブハウスの中も完全にハワイで、期待がどんどん高まったところで練習場です。普段ラウンド前に練習しないというかたも、ぜひ練習場には足を運んでくださいね。すっごいから。度肝抜かれるから。だってこんなだよ。

一体全体どうなってるのか、上から見た図が次の写真。

人生で一番○○なバンカー

そしてそして、アプローチ、バンカー練習場もあります！

このバンカーが、ほんとにもう、クセモノで。コース内のバンカーも一緒なんだけど。

わかるかしら。これ、上からガチャーンって投げつけたわけじゃないの。ぽーんぽーんってボールをやさしく落としただけなの。なのにこれ。

マン目玉。

15年ぐらいゴルフやってるけど、人生で一番のふかふかバンカーだった。底なし沼っていうか流砂っていうか、砂に引きずり込まれて体ごと沈んじゃうんじゃないかって心配になるぐらいのふかふかっぷり。だって、足が定まらない。バンカーショットのときって、両足をギュッギュってやって安定させるでしょう。ここでそれやっても足場は安定しません。フワフワの状態で打つのです。

ほんでね、目玉ってね、フェース閉じて打ったりするっしょ。これ、その方法じゃ出ない。ズブズブ埋まる。だからってフェース開いてもダメ。なんだよ、どーしろってゆーんだよ。途方に暮れてたら上級者が教えてくれた。

「打ってから、うりゃああああーってやって」って。

なんだそれ。抽象概念かよ。念じるのかよ。神頼みか。あるいは「声出してこー！」ってか。

どれも違った。図解してみる。

イメージわかるかな。シュって打って終わりじゃなくて、上体でズザザザーって砂から球から力尽くでぶん投げる感じ。力負けしないように無理やり根こそぎ「うりゃああああー」って持ってく。まあ騙されたと思ってやってごらんなさいな。ちゃんと出るから。他の打法も試したけどどれも出なかった。出たのは「うりゃああああー」打法のみ。狐につままれたようだわ。だってただ「うりゃああああー」って叫んでズズズイっと前のめりになっただけなのに。さすが上級者。しかも酸いも甘いもかみ分けてる上級者はひと味違うわ。ありがとう！

あ、というわけなので、ラウンド前に絶対にバンカー練習しといてください。さっきのステキなレンジのすぐそばにあるので、もし時間がなかったら、まずレンジまで降りてって眺めて「ひゃー」ってなって写真撮って、そっからちょっと戻ってバンカー練習するのが吉です。

いざ行かん！

NEW・ゴルフ用語集

丘・あの丘：ティーイングエリア
シグネチャーホール間：『シグネチャーホール・間』ではなく『シグネチャー・ホール間』。ホールとホールの間、ホールと全然関係ないとこで印象に残る場所のこと
振り返りのススメ：飛球線方向以外を見る、特に振り返ると驚きの美しい光景が広がってることが多いよ！
どんぶらこ：アップダウンやアンジュレーションのこと
サバンナ系：アフリカのサバンナを彷彿とさせる光景が見られるコースのこと。河川敷に多い印象
イケメン：池を見ると平常心を失って力が入っちゃう池メンタル＝お豆腐メンタルのこと
ゴルフがちょっと慌ただしい：ヘタの言い換え。上手い人でもヘタな日はある。だからって心底ヘタってことじゃない。そもそもゴルフは上手いヘタじゃない。評価基準は楽しいか楽しくないか、楽しんでるか楽しめてないかだけ
その日暮らし：お悩みや平均スコアを聞かれたときの返事。用例「いやあ、なにしろ人生もゴルフもその日暮らしなもんで」
とんがり君：山でも岩でも、とんがってる物体はみなとんがり君
ゴルフは禅問答：良かれと思ってやったことが報われない。ケガしてるのに普段より良かったりする。ゴルフって何が幸いして災いするのかサッパリわからん。いっそトンチをきかせればいいとゆーの？
無駄ロブ：全然必要じゃないシチュエーションで一見無意味に放った高い球のこと。だいたいショートするけどそれでいいの。ロブショットが打ちたいだけだから

それにしても溶岩の迫力がすごいです。浅間山から持ってきたといっても、ぜーんぶ持ってこられるはずもなく、ほとんどレプリカというか溶岩に似せて作ったものらしいけど、ここまで徹底的にやってくれたらホンモノニセモノは関係ないっちゃね。

これでもかこれでもか！

これでもかこれでもかこれでもか！っと。

あ！たいへん！山が！

すごいギザギザのお山がありますよー！かっこいいよー♡

これは、赤城山、榛名山と共に上毛三山の一つに数えられる妙義山（みょうぎさん）ではなかろうか。日本三大奇景のひとつで、国の名勝（文化財の一種）に指定されてて、日本二百名山、日本百景にも選ばれてるお山。ああ、かっこいい。ギザギザ具合がたまりません。ザ・稜線。

というわけで、こちらは1番PAR4。

いきなりヤバそげなバンカーあります。

まあこんだけ岩岩に囲まれてたら当然ボールが当たることもあるわけです。ナイスショットしたつもりでも結果的に溶岩OBなんてこともございます。逆に、溶岩に当たった場合は溶岩チャンスが与えられて、好きなとこで使える1マリガン権獲得とか誰かのショットの番手を決められるみたいな独自ルール作って遊ぶのも「当たれー」「当たるなー」のかけ声が錯綜して楽しいと思います。あと、今回は誰もならなかったけど、岩の間に挟まっちゃって取れないこともあり得ます。

オブジェも満載（その1＆その2）

続いて2番PAR4。右の先のほうになんかあるよ。

クジラのしっぽじゃー！

なにか奉られてる的な。

そしてしっぽの手前にはふっかふかでふっわふわな白砂バンカー。

富士に思いを馳せるの巻

続いて3番PAR3ちょーキレイ。そして山が！稜線が！もしや榛名山？一番高いのは榛名富士かな。違うかな。違ったらごめん。でもここではこれが榛名山で榛名富士だという前提で話を進めます。

そういえば、なんとか富士って名前のお山、いわゆる郷土富士って結構あるんですよね。基本的には富士山っぽい山容（山の形）をしてるのが多いけど、なかには全然似てないのもある。いずれにしてもその山に対する地元の人の熱い想いが「富士」の名に込められてるんですね。なかでも、富士山といえば！の円錐形が美しい蝦夷富士（羊蹄山）と薩摩富士（開聞岳）は人気があるようです。

そんでもってこの郷土富士、なんと日本国内だけじゃないんです。わたしもひとつだけ見たことあるの。飛行機の中から。

これ。2年前。ふと窓の外を見て「わー富士山みたいのあるー！しかも雲に浮かんでる！天空の城！」ってハァハァして撮ったのです。そしたらほんとに富士だったのですよ。その名もタコマ富士。アメリカ西海岸の北部ワシントン州、カスケード山脈の最高峰で、高さ4,392mの成層火山。タコマ（Tacoma）にあるからタコマ富士。そんでもって山のほんとの名前はレーニア山（Mount Rainier）。あれ？そーゆー名前の飲み物あるよね。あ！あの絵の山はこの山なのか！知らなんだー。なんか感動。

いろいろ調べてたらどっかに「年に90日ほどしか見られない」って書いてあって、「ひょっほー！超ラッキー♩」ってうかれてたら、同行者に「はあ？3日に1日じゃないすか」と吐き捨てられてムカついた思い出がいま蘇りました。情緒もワビサビもないヤツめ。しかも計算もできてない。それを言うなら4日に1日だバカちんが。

さて、気を取り直して3番PAR3に話を戻します。