スピンの効いたアプローチの打ち方・練習方法を大西翔太プロが解説!
スピンをかけるアプローチ9ドリル 【前編】
スピンが効いたアプローチが打ちたい。そう願うゴルファーは多いが、「スピンといっても色々なスピンのかけ方があるんです」と大西翔太。アプローチが10倍楽しくなるとっておきのドリルを教えてもらおう。
レッスン
大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロとなり、JPGA公認A級の資格を取得。ジュニアゴルファーの指導の一方で、青木瀬令奈プロのコーチもつとめている。
ドリル1|ボトルキャップ打ちドリル
スピンの効いた球が打てるようになる
ピンまでの距離が近いケースで、スピンをかけて止めたいというテクニックのマスターに役立つドリルです。ポイントはボールの下にクラブヘッドを通し、思い切りよくフォロースルーへと振り抜くこと。フェースを軽く開いて構え、ソールを滑らせてクラブヘッドを走らせましょう。
トップを怖がらずにしっかり振れば、ボールにきれいなスピンをかけることができます。上から打ち込むとフェースの刃が芝に刺さりやすいので避けましょう。
バウンスを滑らせてヘッドを走らせる
胸の回転でスイングする
ドリル2|体打ち&コック打ちドリル
アプローチの感性を磨く
このドリルは僕がジュニアゴルファーたちに教えている練習です。スピンのかけ方は色々あって、その対極が「体打ち」と「コック打ち」です。まったく逆の打ち方の両方をやることでアプローチの感覚や感性を磨いていく「感育」に大きく役立つというのが僕の考えです。
体打ちは手首を極力使わず、体の回転だけでスイングします。フェース面にボールが吸い付いている時間が長く、低く出てキュキュッと止まる球が打てます。
コック打ちはリストを柔軟に使ってスイングします。この場合もスピンはかかりますが、高い角度で球が上がるので高さで止めるイメージとなります。2つの打ち方を練習しておくと状況ごとに自分の打ちたいアプローチのイメージ力が備わってきます
コックをほとんど使わない体打ち
重いスピンのイメージ
ドリル3|弾道イメージ下手投げドリル
出球の高さの感覚をつかむ
出球の高さのイメージは、そのまま距離感につながります。ボールを打たなくても出球の高さを把握する練習はできます。それが弾道イメージ下手投げドリルです。
ピンから30ヤード離れた場所で右手にボールを持ち、下手投げで低い角度で転がしたり、思い切り高く上げたりしてみましょう。
体打ちやロブショットのようなコック打ちの感覚を養う上でも大きな効果があります。
右下手で低く転がす|体打ちのアプローチは出球を低くする
右下手で高く上げる|コック打ちなら出球を高くする
軽いスピンのイメージ
リストを使うコック打ち
ドリル4|フェースコイン乗せドリル
フェースを開いたままで振る
スピンをかけるアプローチはフェースを軽く開いて構え、フェースを開いたままフォロースルーまで振るのが基本です。そこでフェース面にコインを乗せて、コインを落とさないように振れるかをチェック。テークバックやインパクトで手首をこねたり、フォロースルーでフェースを返したりするとコインがすぐに落ちてしまいます。
ドリル5|ヘッド引き戻し打ちドリル
瞬間的にスピンをかける
インパクトの打点だけでボールにスピンをかけるドリルです。昔のプロたちがよくやっていた練習で、自分の感覚でスピン量をコントロールしたいときなどのワザとしても用いていました。
バウンスを滑らせて振り抜くアプローチとは違い、ヘッドを走らせてインパクトし、瞬間的にスピンをかけたら右手を離してクラブを素早く引き戻します。
薄芝などライが良くない場所でスピンをかけたいときに役立つテクニックです。
GOLF TODAY本誌 No.578 152〜156ページより
●スピンをかけるアプローチ9ドリル
前編:スピンアプローチと一口にいっても色々な打ち方がある
後編:スピンコントロールの巧さは世界一といわれるタイガー・ウッズ