胸式呼吸ができないから力みが生じる。腹式呼吸=正しい呼吸は勘違い!
ゴルフが上手くなる『呼吸と姿勢』第2回
正しい呼吸は腹式と胸式(きょうしき)の両方を使ってこそ行える。だが、正しい胸式呼吸ってどんなもの? わからない人の方が多いはず。そこで、今回は正しい呼吸の第1歩、胸式呼吸の行い方を解説する。
写真/相田克己
正しい胸式呼吸は肺の中の空気を出し切ることから始まる
腹式呼吸が正しい呼吸。これは大きな勘違いです。前回もお伝えしたように胸式(きょうしき)と腹式(ふくしき)、このふたつがシンクロして行われるのが正しい呼吸です。
ですが、胸で呼吸をする正しい方法を知る方は、ほとんどいないでしょう。そこで、今回は胸式呼吸の初歩を解説したいと思いますが、その前にゴルフと胸式呼吸の関係をお伝えします。
胸式呼吸では主に横隔膜(肋骨周辺)が使われます。横隔膜を使った呼吸を常態化できると、肩周辺などの呼吸補助筋と呼ばれる筋肉を使わなくなるので肋骨を使った呼吸ができ、力みがなくなります。横隔膜を使った呼吸ができていない人のほとんどが、おおげさにいえば「肩で息をしている」「肩が上がった状態」になっています。
横隔膜を使った正しい胸式呼吸ができるようになると、副交感神経が優位になるとともに、肩の力が抜けてリラックスできるのです。
さて、胸式呼吸の初歩ですが、まずは肺にある空気を出し切ることから始めます。それは、多くの人は肩が上がった状態=横隔膜が下がっているので、空気を取り入れられない状態にあるからです。体がブルブルと震えるくらい、最後の最後まで口から息を吐き切ったら、鼻から息を吸います。息を吐き切っていれば、空気を取り込むために横隔膜(肋骨周辺)が広がるように動くのを感じられるはずです。
横隔膜を使った正しい胸式呼吸が日常的にできるようになると、姿勢を維持しやすくなります。横隔膜は姿勢を維持するためには、不可欠な筋肉だからです。
腹式と胸式をシンクロさせた正しい呼吸を身につけるためにも、まずは横隔膜を使った正しい胸式呼吸を身につけることから始めましょう。
肺の中の空気を出し切って横隔膜を動かそう
横隔膜を引き上げるようなイメージで、肺の中の空気をすべて出し切る。何度か行うことで、横隔膜が上下する感覚をつかめるようになる。
腹に置いた左手が動かないよう胸に置いた右手を動かす
胸で呼吸できているかの確認は「息を吐き切って息を吸う」のを繰り返す際に腹に左手、胸に右手を置いておく。胸で呼吸ができると、胸に置いた右手が横隔膜の動きによって上下する。左手が動くという人は、横隔膜を使って呼吸できていません。
DO-1 GOLF BY MAB
店長兼ヘッドトレーナー
鈴木誉也
DO-1 GOLF BY MABのヘッドトレーナーを務めながら、2020東京五輪メディカルスタッフ、また大学・高校のチアリーディング部のトレーナーとしても活躍中。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、鍼灸あん摩マッサージ指圧師。
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