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30年前のスーパースターのゴルフ戦略【グレッグ・ノーマン独占インタビュー(後編)】

30年前のインタビューを振り返る Part2【ゴルフトゥデイ創刊600号記念】

2022/04/12 ゴルフサプリ編集部

ゴルフトゥデイ創刊号

ゴルフトゥデイ創刊号をゴルフサプリでご紹介する企画。30年前に掲載されたグレッグ・ノーマン独占インタビューの前編です。創刊号当時の編集長のコメントとともにお届けします。

GOLF TODAY本誌 創刊号/30~31ページより

ゴルフトゥデイ編集長が当時を振り返る

創刊号の巻頭に掲載するグレッグ・ノーマンのインタビューは、実は難航を極めた。
当時の契約クラブメーカーのコブラ社の日本代理店なども通じて企画書を送り、現地インタビューするという段取りだった、メーカーも大きく取り上げてくれるとあって協力的で、すぐにでもOKがでる雰囲気だったが、米国へ向けて飛行機に乗った時点では正式な返答はないままだった。

しかしノーマンの秘書には連絡が取れていたので、なんとかなるだろうとフロリダに到着。ドラルライダーオープンの試合会場のドラルCCで、レジストレーションも済ませ、他の取材をしながら頻繁に電話やFAXで連絡を入れるがなぜか返事はなし。

しかし大会にはノーマンも出場するので、どこかで会えるはずとなぜが楽天的に考えていたのだが、週末になっても連絡なし。これにはかなり焦った。次週のホンダクラシックもフロリダではあるが、会場はマイアミのTPC。そこまでは伸ばせないと思っていた矢先に、「明日の13時に事務所に来てください」のFAXとわかりにくい地図が届いた時には心が踊った。

翌日に何事もなかったように事務所に招き入れられ、インタビューをしたのがこの誌面。相変わらずフランクでいいやつという印象は変わらず、全英オープンでインタビューした時に握手してもらい撮影した写真を見せたら、それにサインまでしてくれた。これは今でも宝物。

さらにお気に入りであったトヨタのレクサス(日本ではセルシオとして発売)に乗る姿、そして最後には自家用のヘリコプターでこれからマイアミに飛ぶのでその様子も撮影したら、と言ってくれて乗り込む姿も掲載できた。ノーマンはそのままヘリに乗って手を振り、あっという間に大空の彼方へ消えていった。私とカメラマンは口を開けたままその空を見つめていました。

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創刊号の記事内容を覗いてみよう

30年前のゴルフトゥデイ創刊号の実際の記事内容です。あくまでも過去のもので、現在は販売終了しているものも多数あります。30年前の文章、写真をご覧いただいてコンテンツとして楽しんでいただければと思います。

選ばれし強者のスイング哲学

パワフルでアグレッシブなノーマン流ゴルフ。そこに世界中のファンが魅了される。その豪快なスイングは飛距離の極限を求めることから生まれた。哲学は単純明快な2つの理論に立脚している。彼のスイングから飛ばしのヒントを学びとろう。

ゴルフトゥデイ創刊号

究極の飛ばし屋ノーマン 力強く美しいスイングが特徴

遠くへ飛ばすには、どうすればいいのか―――ノーマンのスイングの原点はそこに集約されている。その原点に立脚したうえで、正確性をプラスするのがノーマンの方法である。
より遠く、より正確に飛ばす。これこそ全ゴルファーの究極の目標だろう。といって、誰もがノーマンのように飛ばせるかとなると、残念ながらノーである。ノーマン自身の言葉を借りれば、こういう意味なのだ。

「私は誰に対しても250ヤード以上飛ばせるようになる、などとはいえない。ただ、そのゴルファーが自己の能力に応じて最大限の飛距離を出せる方法なら教えられる」ノーマンによれば、飛ばしのポイントは2つあるという。

「最大限のスイングアークと、最大限のヘッドスピード」―――これに尽きると。では、最大限のスイングアークを得るためにはどうすればいいのか。この疑問に対しても、ノーマンは単純明快な答えを出している。

「左肩とクラブヘッドとの距離をそのプレーヤーがなしうる限り離せばいい。つまり、左腕とクラブをどの角度から見ても一直線になるようにすればいい」
この答えがある以上、「ハンドダウンにしろ」とか、「ハンドアップがいい」といった議論を差しはさむ余地はない。どちらにしても、肩とクラブヘッドの間隔を近づける結果になるからである。左腕とクラブ1本のシャフトと考えれば、理解しやすいだろう。このスイング法に正確性をプラスするには、どうすればいいのだろうか。

ゴルフトゥデイ創刊号

パワフルこの上ないドライブ

「左脇が開かない程度に、グリップを体に引き付ける。左肩に腕とクラブが釣り上げられたような感覚が生じるはずだ。この左腕の締めが、スイングプレーンを安定させる要因になる。次にテークバックだが、このとき左脇を開かないように、そしてできるだけコックを使わないように肩を中心にワインドアップしていく。コックを使えば、それだけスイングアークが小さくなる」

これがノーマンのいう「最大限のスイングアークで、彼自身が実践している方法である。
もうひとつの飛ばしのポイントは最大限のヘッドスピードだが、ノーマンはどういうふうに生み出しているのだろう。彼はアドレスでヒザをほとんど曲げていない。わずかに緩めている程度で、それはほとんどリラックスをさせるためだけの動作に思える。

ゴルフトゥデイ創刊号

理論にかなったスイングが飛ばしの秘訣といえる

「ほとんどのアマチュアは、ヒザを曲げすぎているように思う。それはヒザを突っ張るのと同じくらい間違ったことなのだが・・・。ヒザを突っ張るのは体のバランスを崩す原因になる。逆にヒザを曲げすぎるのは、ヘッドスピードを鈍らせるモトだ。どちらにしても飛距離と方向性にとってマイナス材料でしかない」とノーマンは語っている。

さらに「下半身はスイングの土台だ。下半身の回転を抑えて上半身だけを回転させるようにすれば、強いネジレが生まれる。もちろん、ネジレは強いほどパワーが生じ、ヘッドスピードもアップするが、これは各人の筋力や体力に大いに左右される。フォロースルーはクラブヘッドをできる限り遠くに放り出すイメージで行う。これには背筋力がモノをいう。この筋力も各人まちまちだろうが、こういうイメージを意識することで、そのプレーヤーにとっての最大の飛距離が生まれる」とサジェストしている。

ノーマンの場合は強靭な背筋力によって、右足が引っ張られて左足にすり寄っていくほどヘッドスピードが高まり、強力な円心力が働く。これこそ、ノーマンのとてつもない飛距離の秘訣なのだが、アマチュアはここまで振らないほうがいい。バランスが崩れて飛距離をロスしかねないからだ。自己の筋力に応じてMAXを狙おう。

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    テークバックのときに左脇が開かないように注意する

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    肩を中心にしてコックを使わずにワインドアップしていく

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ゴルフトゥデイ創刊600号企画とは

ゴルフトゥデイ創刊号当時の編集長が語る思い出話も是非読んでみてくださいね。


グレッグ・ノーマン独占インタビュー

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ゴルフトゥデイ2022年6月号・通巻600号


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