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ゴルフ場ってプレーしない人でもコースに入れるの? 友達のゴルフを見学してみたいんだけど

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第40回

2022/10/21 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ゴルフ場,グリーン

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

写真提供/篠原嗣典

プレーヤー以外はコース内立ち入り禁止はゴルファー増加の壁になっているの?

「初めてゴルフする人にとって、ゴルフ場はハードルが高い。施設見学や、友人のラウンドにプレーしないけど、付いて回ることはできないのか?」

ゴルフをしてみたいという人は、令和のゴルフブームで激増しています。こういう発想や質問があることは、時代の証明かもしれません。

結論から書くと、ゴルフコースでプレーしている友人をプレーしないで見学するというのは、禁止されていて、限られたイベントでもない限り不可能です。理由は明確で、プレーしない人がコース内をうろうろしていると、打球事故などが起きてしまうリスクが激増するからです。

実際に、コース内で起きる打球事故の8割には初心者が絡んでいるという統計がありますので、仕方がない決まりなのだと思われます。

そういう状況の中で、2022年の春まで、1000円支払えば見学が可能だったコースを僕は知っています。実際に過去10年でそのシステムを利用して、4人のゴルフをしない人に見学をさせた経験もあります。

・乗用カートの中からの見学で、コース内ではカートから降りない
・蛍光色のラインが入ったベストが貸与されて、見学者はそれを着なければならない
・事故があってもコースの責任を問わない

というような誓約書類にサインすることを義務付けていました。

見学した4人は、プレーするゴルファーと美しいゴルフコースを見て、異口同音にゴルフがしたくなった、と興奮していました。誰もプレーしていないゴルフコースを見学させるイベントもお手伝いしたことが何度かありますが、同様に、参加者はゴルフに強い興味を持ってくれます。コースの風景だけでも、ゴルフは十分に魅力的なのです。

ちなみに、見学者の受け入れをしていたコースが、突如、サービスを停止した理由は、見学者としてコース内に入った人が、誰も見ていないと思って、ドロボウゴルフをする例が増えて、困り果てた末の決断だったそうです。

ドロボウゴルフというのは、コースの敷地に勝手に入ってお金を払わずにゴルフをすることです。

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過去20年に渡って、ゴルフ業界は『ゴルファーを増やせ』という合言葉で、必死に活動してきました。
しかし、結果は惨憺たるものでした。

ゴルフで得たものはゴルフに返せという名言があります。僕は若い頃からゴルフに感謝をすることばかりだったので、頭の片隅に、常にその言葉がありました。
だからというわけではないですが、無報酬でゴルファーを増やすイベントを手伝ったり、自分でもいくつか主催しました。労力と時間を考えると虚しい成果しか上がらず、何度も絶望しました。

ゴルフを見学させるイベントも、興味を持たせることには成功しますが、ゴルファーを産むことにはなかなか繋がりませんでした。

プレーをしているゴルファーを見学できるサービスを利用して僕がコースに連れ出した4人の内、本当にコースデビューできたのは半分の2人だけです。ゴルフを今でも続けているのは、更に半分の1人だけです。

やりたいと思っても、ゴルフをする壁は厚く高いのです。やる気にさせることは、その壁の前に連れてきて、立たせるところまでなのです。

ゴルフ業界は、壁を薄くしたり、低くしたりする努力をしてきたとは言えません。立ちすくむ人を応援するだけなら誰でもできますが、効果はあまり期待できないのです。

令和のゴルフブームの原動力は「結果オーライ」

見ているだけでは、ゴルフは始まりません。用具を揃えて、ボールを打てるように練習をして…費用もかかりますし、時間もかかります。

令和のゴルフブームが起きた原動力の一つは、壁を越えるのではなく、叩き壊すような暴挙でした。友人のクラブを借りて、練習なしでいきなりゴルフコースに来て、デビューさせてしまうのです。
スキーブームだった頃に、麓でブレーキの掛け方だけ教えて、問答無用で山頂までリフトで連れて行き、転がるように降りてきながら滑り方を学ばせ、結果オーライでスキーが好きになる、というハウツーに似ています。

昔のゴルフコースなら、そのようなハチャメチャな素人は「お代は結構ですので、お帰りください」と排除するのがセオリーで、現在でもそういうコースがたくさんあります。

しかし、いきなりコースデビューした彼らは、多くの場合、一気にゴルファーとして成熟していきます。用具を入手して、知りたい情報はネットで探せば溢れていますので、知識もどんどん増やしていきます。

例えとしてわかりにくいかもしれませんが、回転寿司で寿司が身近になったことが、結果として高級寿司店を救っている事例を見ているような気がします。チープなお寿司で育った子供が、大人になって地位と収入を得て、高級な寿司店に出入りするようになるというパターンがゴルフでも起きつつあるようです。

令和のゴルフブームは永遠に続く?

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ゴルフ場

ゴルフの壁の前で立ち尽くす人は、責任感が強く、人に迷惑をかけない傾向があるそうです。ゴルファーとして好ましい人材ほど、壁を越えられないのは、何とも皮肉なことです。

ゴルフを始めるために、最も重要なことは、頼れる人には、遠慮せずに頼ることだ、と伝えています。

ゴルフを始めるときに、最初の障害は用具を揃える費用です。数万円でも可能ですが、10数万円でも、30万円でも、上を見ればキリがありません。
身内がゴルフをしている場合は、用具を譲ってもらったりできるかもしれませんし、費用を負担してくれる例もたくさんあります。

また、ゴルフをしている知人に頼っても、色々と助けてくれることもあるかもしれません。遠慮をしないで、最初は頼って良いのです。ゴルフに関していえば、頼られて嫌な気分になる人はほとんどいません。頼られてこそゴルファーだと、僕のように張り切るケースが多いからです。

しかし、残念ながら、誰も頼れなかったり、頼ってはみても、劇的な支援は受けられない、というケースもあります。

そういうときは、最低限で良いと考えることです。クラブは、ウッド系1本、アイアンはミドルアイアンとショートアイアン1本ずつ、そして、パターの4本があれば、クラブはクリアです。上手くやれば1万円でお釣りが来ることも可能です。

キャディーバッグは、中古ショップなどに行き、状況を説明して、とにかく安いもので、と探してもらえば数千円で見つかります。シューズはスニーカーでOKです。

ゴルフを続けるか未定なのに費用をかけるのは嫌だという場合は、ゴルフコースのほとんどには、フルセットのレンタルクラブがあるのです。コースによりますが、費用は数千円で済みます。それを予約しても良いと思います。ボールとかティーとかも、安いものを探せば千円ぐらいで済みます。

用具が揃ったら、早速、冒険の始まりです。ティーショットを打って、グリーンまで残り100ヤード以内まで飛んでいなければ、ボールを拾って、100ヤードの杭の横のフェアウェイからプレーを再開して、グリーン上ではパットは3回まで等々、ゴルフお試しルールでプレーしてみるのです。

このデビュー戦に付き合ってもらう人は探さなければなりませんが、ゴルフをしない人には、ゴルフをする人が見えないだけで、ちょっと探せば、苦労せずにみつかります。現在の日本では、成人の10人に1人はゴルファーなのです。

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見学しようという行動力と、ゴルフをしている仲間がいるのであれば、あなたは、少しだけ恵まれています。誰も仲間がない状態で、ゴルフを始める人よりも、かなり前にスタートラインが引かれているからです。そのラインは、少し前まで、厚みと高さがあった壁といわれたものです。

「見学する軽い気持ちで、ゴルフデビューしてしまいましょう!」見学したいという人に、そんなふうに言える未来が、今、来ていることに感謝するしかありません。

ゴルフは孤独なゲームですが、古来より現在までたくさんのゴルファーが協力し合って成り立つという意味で変わりません。最初から、その恩恵を受けることに遠慮は不要なのです。




篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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