甲高幅広のゴルファーに告ぐ、もう我慢しないで高機能なシューズでゴルフをしよう!ゴルフシューズはスコアに直結する
『WID STYLE SL BOA シューズ』をコースで履いて、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
WID STYLE SL BOA は、甲高幅広のゴルファーを助けてくれるシューズなのか?コースに持ち込んで、その真相をレポートする。
撮影/篠原嗣典
「4+1E」って何?幅をきかせろ、というゴルフシューズって何?
ミズノは、2022年10月24日に『WID STYLE SL BOA シューズ』を発売した。同時に『WID STYLE WG BOA シューズ』を発売し、『WID STYLE SPIKLESS シューズ』と合わせて3つのラインナップになった。
“幅をきかせろ”というコピーが、「4+1E」という今まで以上に甲高幅広のゴルファーに合わせたシューズであることを物語っている。
最初は別の4Eのシューズをテストするつもりだったが、ミズノのシューズ担当スタッフの猛烈なプッシュで『WID STYLE SL BOA シューズ』を取り上げることになった。かなり戸惑ったポイントは、ソフトスパイクのシューズということだ。2022年のゴルフシューズのトレンドは、明らかにスパイクレスになっていて、僕も2足連続でエースシューズはスパイクレスを愛用していた。
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しかし、個人的にミズノのゴルフシューズは色々な意味で世界一だと信頼していたので、プッシュするからにはちゃんと理由があるはずだと納得して、『WID STYLE SL BOA シューズ』をテストすることにした。
特徴としては、「4+1E」という余裕のワイドサイズという他にもいくつかある。
● アッパーの素材
シューズの素材として最高の人工皮革と称されていた「クラリーノ ソフリナ」の後継素材である「クラリーノ トリベラ」を採用。履き心地がやわらかくなる効果を狙っている。
● 「4+1E専用ソール」
ゴルフシューズはある意味、ソールが命ともいえる。ただ、アッパーを足に合わせてもソールの幅がなければ、スイング中に踏ん張れるシューズにはならない。ゴルフシューズが機能してくれればボールが安定するだけではなく、飛距離もMAXになり、その土台はソールなのである。
僕は膝が悪いので、何年も前からゴルフシューズにはかなり厳しく、敏感になっている。ゴルフシューズによって膝の痛みが全く違うし、ショット力も変わり、翌日以降の疲れも全く違うからだ。
過去にテストしたシューズの中には、ショット力は合格なのに、膝が痛くなってハーフで履けなくなるものもあった。『WID STYLE SL BOA シューズ』に関しても、はなからハードルを上げて厳しく評価するつもりで、テストラウンドをすることになった。
日本人のゴルファーは、本当は甲高幅広なのに3Eのシューズを我慢して履いている。僕も、時々そうしてきた一人だ。
本当に「4+1E」は、甲高幅広のゴルファーを救ってくれるのか?履き心地や疲れない影響力、そしてショット力まで、じっくりと検証をしてみた。
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見た目の良さ、歩いたり、カートに乗り降りしたりは100点満点の WID STYLE SL BOA
『WID STYLE SL BOA シューズ』の画像だけを見てテストを決めたのだが、まずは現物のシューズを見て、触ってみて、その質感に好感を持った。高級さと機能美という格好良さをまとっている。
ワイドサイズのシューズなのに間口が狭いのも違和感があったが、シューズの後部のアッパーは、ミズノが誇る防水メッシュ素材になっている。そして、やわらかくストレッチするので足がスッと抵抗なく入るのだ。それでいて雨などの場合でも、間口から水が入ることを防げるという。
防水メッシュ素材には、よく見ると透明のベルト素材が張られている。これは、足をホールドするためのもののようだ。履いたり脱いだりするときは、やわらかいことがプラス。でも、スイング中にシューズ内で足が動きやすいマイナス点を防いでいてお見事だ。
新しい素材の「クラリーノ トリベラ」は、本当にやわらかく足をホールドしてくれて、履き心地の向上に貢献している。ミズノのゴルフシューズは固めだというイメージだが、それは全く違う。
やわらかすぎるアッパーは、ボールが飛ばないシューズになりがちなのだけれど、それをソールの適度な硬さがフォローしているのだ。
シューズのつま先にも、ガードになる素材が張られている。かつて、本革のシューズがゴルファーの憧れだった頃にもスイングのフィニッシュなどでつま先が擦れることで素材に傷が入ることを防ぐ目的でカバーがあったが、それに近いものだと思われる。
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第一印象は「軽量シューズ並みの軽さ」
もう一つ第一印象を紹介しておく。『WID STYLE SL BOA シューズ』は、軽いのである。軽量シューズ並みの軽さでありながら、ソールがしっかりしているからカッチリ感があるのだ。
歩いてみると、早速その優秀さがわかる。ゴム底のシューズよりもソールが薄く地面に近い感覚があるのに、踏み出した足も、引き足も、軽い感覚があって前に進むことを助けてくれる。足が進みたい方向と、膝の屈伸の方向が違うと膝が痛くなるのであるが、それも一切の不安を感じさせなかった。
そしてカートに乗り降りするとき、または、運転する際のアクセルやブレーキ操作も、ノンストレスで使用できる。踵に微妙なカーブと突起があるのだが、これが機能していて、カートに乗っていても楽々なのだと感じた。
過去にかなり高級なものも含めてたくさんの4Eシューズを履いてきたが、そのどれよりもかなり余裕があって、いわゆる、履き心地は100点満点だと思う。
「4+1E」は単なる宣伝ではなく、スイング以外の基本性能では、強力にプラス効果を生んでいる。これだけでも『WID STYLE SL BOA シューズ』を購入して損はない、と考えた。
WID STYLE SL BOA でスコアアップしてしまうという本当の話!
ゴルフシューズは、ユルユルで履くケースを除いてきっちりと締めて履いていれば、ショット力に影響する。
歩いたり走ったりではなく、ゴルフスイングは横方向やねじれ方向に、スイング中に負荷がかかる。その時に足をホールドして、ソールはゴルファーを支える機能が求められるのだ。
たった1ミリのズレが、狙ったところに行けば数ヤードのズレになることをゴルファーなら誰でも知っている。シューズ内で足が動くなんていうのは論外だが、ソールが踏ん張らないシューズも、ミスショットの原因になるのである。
『WID STYLE SL BOA シューズ』は、少しやわらかすぎて大丈夫かと心配したが、数球打っただけでそれは杞憂だと判明した。ショット力に関してもズレは起きないし、飛距離性能でも踏ん張ってくれた。それまで使っていた上位機種のスパイクレスシューズと同様で、本当に素晴らしかった。
4Eのシューズを選択しにくいのは、手頃な値段になっている分、機能的な部分で劣ると感じさせたからだった。でも『WID STYLE SL BOA シューズ』は、価格帯も高級シューズの入り口ぐらいであるし、何よりもセールスポイントにはしていないが、過去の高性能ゴルフシューズで培ったテクノロジーが詰め込まれているのだ。
高性能なシューズでゴルフがしたくて、我慢して3Eのシューズを履かなくとも良いと言えるのは、本当に幸福なことだ。
こんなゴルファーにおすすめ
ソフトスパイクのソールをプッシュされたのも、僕のように重量級のゴルファーの場合は、ゴム底よりも機能が維持されるからなのだとラウンド中に理解できた。ゴム底では耐えられない荷重にも、硬いソールなら耐えるのである。
また、ソフトスパイクも進化をしていて、硬い素材の地面などでグリップ力が弱くなるという弱点も、かなり緩和されていた。
全国の甲高幅広で悩んでいるゴルファーに、『WID STYLE シューズ』シリーズをオススメする。女性用のラインナップもあるので、悩んでいる女性ゴルファーも、すぐにチェックしてほしい。
特に重量級のゴルファーと、体重移動が大きいパワーヒッターには、今回テストした『WID STYLE SL BOA シューズ』がうってつけだろう。
ゴルフシューズは、消耗品である。壊れるまで履くのであれば、十年以上現役で頑張るシューズもあるが、機能は徐々に落ちていくのが、消耗品の宿命なのだ。僕は、年に50ラウンドぐらいはしていて、どうしても機能面での衰えを感じるので、毎年新しいシューズをエースシューズとして新調している。
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『WID STYLE SL BOA シューズ』は、新しいエースシューズになることが、3ホール目ぐらいには決定していた。スコアに直結しないアイテムだとゴルフシューズを馬鹿にする人がいるが、僕はそれを否定する。ゴルフシューズはスコアに直結するからだ。
テストラウンド直後に、『WID STYLE SL BOA シューズ』をエースシューズにして、8ラウンド。僕はアンダースコアを3回出して、その内の2回は60台だったのだ。
これはかなり異例のことで、100%シューズが要因だとまでは断言しないが、かなりの割合は新しいエースシューズのお陰なのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。
東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。
試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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