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パターの構え方、打ち方は人それぞれって言うけれど。「絶対普遍」の正解はないの?

逆上がりできないティーチングプロのゴルフが上手くなる話|第24話

2022/12/03 ゴルフサプリ編集部 名取 確

グリーン

こんにちは。逆上がりのできないティーチングプロ 名取確(なとり・たしか)です。
正直、ゴルフを初めてやったときのことは覚えていないんですけど、パターゴルフを最初にやったのは小学校2年生のときでした。いきなりやっても何とかなっちゃうからそのままにしているってこと、意外とあります。パターはまさにそれ。恐らく、本当にしっかりと習ったことがある人の方が少ないのではないでしょうか。

パターこそドラマチック

グリーン,パター

パターね~~~。これに悩みのない人なんているんだろうか?!まぁ悩むほど興味がないという人は別にして、ゴルフのコラムを読んでいただいている方は、きっと全員パターに悩んだことがあるのではないかと思うんですよね。

前回のコラムで取り上げたように、アプローチ&パターでスコアの半分はできています。

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「パット・イズ・マネー」なんて言葉があるように、パターを決めるか決めないかでツアープロは結果が大きく変わってしまいます。あと1cm転がれば入ったパットも、入らなければ1打追加で打たなくてはならない。

その1打で人生が変わってしまう。それがゴルフです。

一般の私達にそんなドラマはないけども、楽しいゴルフの終わりを締めくくるのはいつもパッティング。「これが入れば…」の「…」にそれぞれのドラマがあります。

私にとって1番忘れられないパッティングは初めてハーフ39を出したときです。下りの1.5m。その瞬間をともにグリーン上で見守ってくれたのは、私のゴルフの師匠である友人T。こいつに恩返しするためには、これを入れるほかない!と、集中しまくってラインを読んでいると内側につけていたTが「先、打とうか?」と。

「今、声かけるとこじゃねぇだろ~~~~~~!!!!」と、私は心の声で叫びました(笑)

Tも「余計なこと言っちゃったな…」って感じで、スッと離れて見守り体制に。私は聞こえなかったフリして思いっきり集中したままアドレスに入り、パターを振りました。カップに吸い込まれるボールを見届け、拾い上げた瞬間から涙が止まらず、クラブハウスに到着するまでカートの中でも感激に震えていたのを覚えています。恩返ししたい親友の前で、結果を出せたことが何よりも嬉しかった。

皆さんにも、きっとそんなパターのドラマが訪れるときが来ます。

パターの打ち方は千差万別?!

さて、そんなパッティングですが打ち方を教えるのは非常に難しい?!
トッププロでも、パターの形・握り方・打ち方は千差万別。どれが正解なの?!って悩んでしまいますよね。でも、ちょっと待ってください。よく考えてみたらスイングだって千差万別じゃないでしょうか。

好きな選手をまずはマネてみても良いと思います。私の場合はタイガー・ウッズ選手や藤田寛之選手をマネるイメージで練習しました。使っているパターがピン型で、私もずっとピン型だからイメージが合う感じがします(超僭越ながら…汗)。

ZOZO Championshipでタイガー・ウッズ選手が優勝したときのパッティングは神がかってました。全部入りそうな感じに見えました。その前年のマスターズトーナメントでの最終日、9番で見せたパッティングもすごかった。あれが自分的には今まで見た中で一番すごみを感じたパッティングだったなぁ~。

絶対王者が、絶対王者である瞬間は必ずパッティングが安定しているものです。構え方もたくさんあるし、人それぞれ打ちやすい打ち方も違う。って言いながらも、それは別にショットでも一緒のことなので原理原則はあると私は思っています。

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● 手ではなく背中で打つ
● ヘッドを小さく動かす
● 下半身は固定

この3つは必要なエッセンスだと、私は思っています。絶対の正解かどうかわからなくても、思い込みは大事です。
とりあえず、まずは下の動画を見てみてください。

では、ポイントをご説明していきます。

①背中で打つパッティング

  • 通常の構え

    通常の構え

  • 背中に力が入った構え

    背中に力が入った構え

握り方はともかく、打ち方で一番知っていて欲しいのは背中で打つことです。背中の丸みを意識して、コンパクトな体の動きで打ちます。

背中の丸みを意識すると、スッと力が抜けて自然に構えられます。逆に背中に力が入ると、力みが入ってスムーズに体が動かず手打ちになってしまいますね。

手を動かさなくても、背中を回転させればパターは十分にボールを運べるだけ動きます。手元は低いまま動かすように意識してください。手首を使ってクラブヘッドを上げてしまわないように注意!

②ヘッドを小さく動かす

  • 通常のテイクバック

    通常のテイクバック

  • コックの入ったテイクバック

    コックの入ったテイクバック

手首を使うことをゴルフ用語では“コックを入れる”と言います。コックを入れると、あっという間に角度がつくので、ヘッドの運動量が一気に増えることになります。ヘッドの運動量が大きいと、当然ながら軌道がブレやすくなります。

ヘッドは小さく動かして、とにかく“芯”で打つこと。パターの芯がどこにあるかを自分で知っておくことが大事。ボールを持ってコンコンとパターヘッドに当てて、一番感触が良い所を探しましょう。

毎回、芯に当てられるようにパターが上達したら、逆に芯をわざと外すということもできるようになります。パターでもボールのスピンコントロールができるようになるのを目標にしましょう。

③下半身は固定

松山英樹選手が優勝したマスターズトーナメントで、解説の中嶋常幸さんが「見ててよ、ベルトの位置が全く動かなければ入るから」と、たしか2番PAR5のバーディーパットでおっしゃっていました。松山選手のパッティングは、まさにその言葉通り下半身が微動だにしない。当然のようにカップに吸い込まれるボール。あれがまさにパットの神髄ではないかと思います。

中嶋常幸さんがその後も「ね、ベルトが動かないと入るでしょ」といったような話を何度も出していたのが印象的でした。

下半身がブレると、ただでさえクラブヘッドを動かすパッティングではクラブの運動量が大きく変わってしまいます。ショートパットは、自分の肩幅位の振りで十分。おそらく振り幅50cm位。下半身をちょっと動かすだけで必要な運動量の2倍、3倍は軽く動いてしまいます。

鏡を見ながら頭と足をまったく動かさずに上体だけで振る素振りがおススメです。

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パターの練習方法

パターの練習方法も様々ありますが、まずは以下の練習がおススメです。

①とにかくパターを触る
1日3分でも構いません。まずはパターに触れてください。ただそれだけで確実に上手くなります。素振りだけでもOK。ボールがあるとついつい力が入ってしまうものですが素振りであればそんなに大振りしないもんです。

②1mくらいのショートパットを練習
もうちょっと気合の入った方は、パターマットを購入して1m程度のパター練習を繰り返してください。とにかく、自分の構えたところに真っすぐ打ち出せること。これがパッティングの肝です。

③ルーティンを決める
パッティングに入るルーティンを決めます。毎回、どう打つか悩んだり、リズムを変えたりすると余計なことを考えてしまいます。まずはルーティンを練習してどうやったらリズムよくパッティングが打てるかを考えてみるのが良いですね。

私のルーティンご参考まで。

(1) ボールの後ろに立ち、2回素振りで振り幅を確認
(2) 決めたラインに向かって1歩後ろで構えて2回素振り
(3) 足を小さくパタパタ(以下、ワッグル)して微調整
(4) カップをチラ見
(5) ワッグルして手元を最終位置にセット
(6) スイング

パッティングのコツというかマナーともいえるのは、自分が打つまでに準備を終えておくことです。ですがこればっかりは文章ではわかりにくいと思いますので、上手い人(プレーが早い人)のことをよ~~~~~く見て学んでください!

パッティングもショットも、人が打つ間に自分の準備をしておくこと。上手い人と一緒にゴルフに行くと必ず盗めるところがあります。

初心者の方は、上手い人に一緒に行ってもらうのが怖いというか、何か言われちゃいそうで嫌だと思う方も多いかもしれません。でも、基本的にゴルファーはゴルフを好きになってもらいたいと思っていますから、優しく教えてくれますよ。

まぁ、多少厳しいことを言われても、上手くなれるならいいじゃないですか。その人とは次から一緒に回らなければいいんだから(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました。



文・名取 確

名取 確

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逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。


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