話題のPING「ChipR(チッパー)」はアプローチ専用のエクストラクラブ

今回は、話題作になっているPINGのアプローチ専用クラブ「ChipR(チッパー)」の紹介、そして僕が使ってみて感じた4つのポイントについてお伝えしたいと思います。

PINGのサイトを見てみると、「シャープにピンを狙えるランニングウェッジ」というコピーが出ています。

つまりランニングアプローチ、転がして寄せるためのクラブであるという位置付けです。

だいたい9番アイアンと8番アイアンの間くらいでロフト角が38.5度、ライ角が70度。かなりアップライトでパターに近い感じです。パターのように使ってほしいという意図が感じられる数値になっています。

このチッパーをどう使えばいいかというと、PINGのサイトではパターのように使ってOKだと書いてあるんですね。パターのように持ってパターのようにストロークをして、ちょっとキャリーして寄せるという使い方をするアプローチ専用のエクストラクラブであるというものなんです。

ChipRを打ってみて感じた4つのポイント

実際にゴルフ場やインドア・アプローチ練習場で打ってみて感じた4つのポイントを紹介します。

4つのポイント

  • パターの打ち方よりもランニングアプローチの打ち方の方が向いている
  • アイアンでランニングアプローチする技術が必要
  • 思ったよりランが出ない
  • サンドウェッジがあまり得意じゃない人に向いている

パターの打ち方よりもランニングアプローチの打ち方の方が向いている

例えばアプローチの中で20ヤードや30ヤードのちょっと長めの距離を打たなければいけない時に、パターのようなストロークで長めの距離を打つというイメージが湧きにくいんじゃないかなと思うんです。

アイアン型なので、パターのように構えて打つと距離感を出していくということにちょっと難しさを感じました。

なぜかというと、アイアンはパターじゃないからです。パターとは動きが違うんですよね。パター型ならパターのように動かしやすいですけど、アイアンはちょっとハンドファーストになって、パターに比べるとフェースの開閉も入るわけです。

ロフト角も大きいので、ストローク中のフェースローテーションの中でボールを捕えてフェースに乗る感覚、このボールを捕えてキャリーを出すという感じがアイアンの感覚なんです。パターというよりもむしろアイアンの感覚で打ったほうが機能を発揮できるクラブだと思います。

8番や9番でちょっとヒールを浮かせてパターのように打って転がすランニングアプローチというテクニックがありますよね。足を出すためには有効なテクニックです。チッパーはそういう昔から使われているテクニックをより使いやすくするエクストラクラブと考えた方がいいんじゃいないかなと思います。

そうすると、ヒールを浮かさなくてもアップライトに普通に構えられて、ソールが使えるしヘッド重量があるのでちょっと安定感も出ます。8番や9番を使ってランニングアプローチするよりも、チッパーを使ったほうがだいぶやさしくランニングアプローチができるわけです。

多くの人が連想するような、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ打つというようなパターの打ち方は向いていないかなと思います。

アイアンでランニングアプローチする技術が必要

普段からアイアンのランニングアプローチをしてる人にとってはとても簡単で使いやすいんじゃないかなと思います。

一方、普段ランニングアプローチをあんまりやらない人が魔法の杖のようにビシビシ寄るかというとそれはちょっと難しくて、使いこなすには慣れと技術を養うことが必要です。

ただ、ランニングをするにはアイアンよりもはるかにやさしいので、これで練習してランニングを身に付けて、慣れたらアイアンで打ってみるというのが有効なんじゃないでしょうか。

思ったよりランが出ない

思うような距離が出しにくく、ちょっと慣れが必要だなと感じました。転がして寄せる時はちょっとキャリーして、あとはコロコロ前に転がっていく推進力が欲しいんです。でもこのチッパーはちょっとスピンがかかり少し柔らかい球になって止まってしまいます。

僕の勝手な希望ですけど、ランニングで打つとなるとキャリーとランの比率が3:7、もしくは2:8ぐらいの感じでいきたいんです。手前から転がして寄せていきたいんですけど、意外と止まってしまって4:6ぐらいの感じなんです。

ちょっと上り傾斜が強いグリーンで手前から打ったら、1:1とかピッチングと変わらないんじゃないかというくらい前にいきません。

キャリーを出さなきゃいけない時にキャリーが多めに出たとすると、ランの出るクラブなので距離感の誤差が大きくなってしまいます。

たとえばサンドウェッジを使っていたら気にせずにキャリーを多めにしてピンの手前で止めたりできるし、26度や22度のユーティリティーでアプローチを打てば前に行く力が強いから転がりを当てにできますよね。

低めのピッチエンドランクラブという感じなんですよ。チッパーという言葉で連想する転がしの強さみたいなものはなくて、その辺はピッチングウェッジやアプローチウェッジ、サンドウェッジというところに近いのかなと感じました。

サンドウェッジがあまり得意じゃない人に向いている

「アプローチがあまり得意じゃない…」、とくにサンドウェッジを使った時に大きなミスをしてしまいがちな人がアベレージを上げるにはすごくいいクラブだと思います。

サンドウェッジはミスの出やすいクラブなので距離感が大きくずれて方向性が伴わないという人がいると思います。失敗すると自分がヘタクソなんだと思いがちですけど、サンドウェッジというクラブ自体、球質がそろいにくいという側面があるんです。

打点もちょっとズレやすいし、同じように打っているつもりでも球が高く出たり、思ったより高さが出なかったり、ちょっと強く出たりしやすいクラブなんです。

その分インパクトの質を高めて再現性を高くしていかないといけないんですけど、それ自体が難しいです。

ロフト角がある程度立っていると球質が安定しやすいし、インパクトの質も安定しやすい。そう考えると38.5度というチッパーのロフト角はちょうどいい感じではあるんですよね。

しっかり球が乗る感じがあるし、かといってサンドウェッジのように滑ったりスピンがかかったりかからなかったりということが少ない。球質が安定しやすいロフト角だなと思います。

バンス角も適度にあって、打つ前にソールが当たり滑って前に行く感じがあります。打点が揃いやすく、スピンもかかってキャリーと球質も安定するという感じです。

カップに「ピタッ」とつけるとなるとちょっと技術が必要になりますが、ある程度キャリーで転がしてワンピンに寄せるということであればアベレージが高まるんじゃないかなと思います。

使えるシチュエーションは限られていて、前に行く力がそんなに強くないので、手前からクッションさせて転がす使い方はちょっと当てにしづらいところがあります。グリーンにある程度転がすスペースがあって、しっかりとランが計算できてグリーン面に落としてランで寄せていくシチュエーションで使うことが大事です。

まとめ

チッパーを買えば万事解決するというものではなく、どんなお助けクラブであっても使いこなすには技術が必要です。元々技術がある人はうまく活用できるだろうし、あんまり技術がない人は、転がして寄せる技術を養わないといけないんじゃないかなと感じました。

アプローチが苦手だから買ってみたはいいものの、もしうまくいっていない人はそこで諦めずに、使いこなす努力をしてほしいなと思います。

ランニングがうまく打てるようになったらサンドウェッジにもつながります。サンドウェッジの球質がそろうのにも貢献すると思いますよ。僕ももうちょっと使ってみて、距離感が合うように練習してみようかなと思っています。

技術を養う、転がしのアプローチを自分の中に取り入れるという意味でも使ってみるといいんじゃないでしょうか。

ChipRの構造の話や、実際にChipRを打ってみた動画も載せています。ぜひ動画をチェックしてみてください!

コヤマカズヒロ

2012年、フリーに転身し、ゴルフ用品からツアー情報まで、幅広く執筆するゴルフライターとしてゴルフトゥデイやゴルフサプリといった各種ゴルフメディアなどを通じて活動を開始。2018年にはYouTubeチャンネル「試打ラボ しだるTV」を開設。1974年生まれ。


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