1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. スイング作り
  4. 体に負担をかけずにヘッドスピードを上げるには?ヒップターンのリードが欠かせないんです!

体に負担をかけずにヘッドスピードを上げるには?ヒップターンのリードが欠かせないんです!

ベン・ホーガンを先生に!森プロが解説する『アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方』【第7回】

2023/02/01 ゴルフサプリ編集部

ゴルフクラブ

ロングヒッターとしても鳴らしたホーガン。「飛距離アップというと、肩と腰の捻転差など、体に負担をかけがちですがホーガンは違います」と森プロ。「スムーズな運動連鎖でパワーを引き出すポイントは腰の必要十分な動き、ヒップターンにあります」

GOLF TODAY本誌 No.608 97〜101ページより
イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ
取材・構成・文/戸川 景 撮影/圓岡紀夫

ダウンの出力には腰の”巻き上げ”が必要

捻転差よりも運動連鎖を導く準備を整える

森プロヒップターン

最近のバイオメカニクスの研究によると、ヘッドスピードアップには切り返し直後からスナップ動作直前までの、引き下ろし速度が大きく関わっているという。

下半身からダウンの動きをスタートする運動連鎖(キネティックチェーン)が発生しないと、このエリアでのスピードアップは難しい、と森プロ。

森プロ「大事なのは、この引き下ろし速度をヘッドスピードに変換することです。それには、早い時点でたぐり動作を行うことですが、そのためにも下半身、特にヒップターンのリードが欠かせません。

よく肩と腰の捻転差がパワーを生むように言われますが、それは腰のターンが先行してたぐり動作を促すためのもの。捻転差自体の大小はそれほど影響ありません。

逆に、捻転差を大きくしようと腰の回転を抑えてしまうと、ダウンで腰くだけになるか、ターンの動きを止めるミスが生じます」

腰回転の抑えすぎが大きなパワーロスを生む

当てるだけのスイング

ヒップターンを抑えて肩だけを深く回し、捻転差を増やそうとするのは体に負担が大きいだけでなく、切り返しで左腰が開いて腰くだけになりやすい。

肝心の運動連鎖が途切れてしまい、当てるだけの動きになってパワーロスしてしまう。

スイング例

(左)下半身の動きが止まり、手だけで合わせ打つか、

(右)伸び上がって弾くような振り方になる。

右腰と右ヒザを流さずにフルターンしてみる

正しいターンなら45度以上回らない

肩を回すイメージ

森プロ「ホーガンのように、右脚を動かさないヒップターンなら、45度以上回りすぎることはありません。

それ以上に肩を回せば、運動連鎖を起こすのに必要十分な筋肉の張りが生まれます」

ホーガン流は右脚の角度を保つだけ

右脚の角度を保つイメージ

森プロ「ホーガンが適度な捻転差、ヒップターンの目安にしていたのは、右脚の角度が変わらず、右ヒザが外を向かないことでした。ダウンでは右足を内側に踏み込むことを重視していました」

腰くだけにならないヒップターンとは?

【本当の下半身リード】飛距離アップのカギは〝止めない〟ヒップターン

ヒップターンイメージ

肩のラインはスクエア、スタンスだけオープンの体勢から、左肩を90度回してみる。右腰が切れ上がり、ストッパーになる感覚が明確になる。そこから左にヒップターンと同時に、右足を内側に踏み込んで、止まらずに回り切る動きを覚える。

オープンスタンスで右腰の切れを覚える

左腰が落ちるイメージ

腕で高く振り上げると、つい左脚が緩みやすくなるが、これでは左腰が落ちてしまい、正しいヒップターンにならない。

左腰の切り上げイメージ

ヒップターンは身体全体のターンを促すもの。右腰の切り上げでバック、左腰の切り上げでダウンをリードするのが正解。

スピンアウトにならない十分な腰の“巻き上げ”

ホーガン曰く「腰の回転は速いほど良い」

ゴムヒモを引き延ばすイメージ

森プロ「バックスイングでヒップターンすると、左脚が内側に倒れ込んで張りが生じます。ホーガンは左腰に付いたゴムヒモが引き延ばされているイメージにたとえ、切り返しで一気に縮む速いターンを求めていました。それでも腰くだけにならないのは、バックスイングで十分なヒップターンを行っていたからです」

運動連鎖が機能すれば振り遅れはない

森プロ「ダウンで腰が先行しすぎると振り遅れのミスになる、と考えがちですが、運動連鎖がつながっていればまったく問題ありません」

ホーガンも著書『モダン・ゴルフ』の中で、こう述べている。

「ボールを打つために必要な正しい動作は、ダウンスイングの始まりからフォロースルーの完了まで、乱れることのない一連のスムーズな連鎖運動である。

その際自分は、2つのことしか考えていない。つまり、ダウンスイングを腰の回転から始め、次に上半身と腕と手を、この順序で使ってボールをできるだけ強く叩くことだ」

森プロは、運動連鎖のコツは〝叩く意識〟にあるという。

森プロ「しっかり〝叩く〟つもりなら、切り返しからたぐり動作で叩きに行っても手打ちにはならず、自然とヒップターンからスタートするはずです。それができないのは、腰の動きを抑えて振り上げ、無理な体勢で切り返すからです」

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガンアナリスト 森 守洋

ホーガンアナリスト 森 守洋

ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。


【アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方】
←フェースの向きをコントロールするのにおすすめ!ループ軌道を習得する方法
シンプルで効果的なフットワークで、腰を痛めず回転力アップ!→

第6回(前回)を読む 第8回(次回)を読む

シリーズ一覧へ

【2024年】ゴルフ中古アイアンおすすめ人気ランキング10選

この記事では、初心者ゴルファーにもおすすめの中古アイアンをランキング形式で紹介します。 中古品を購入するメリットや...

あわせて読みたい

ドライバーが飛ぶのは当たり前。テーラーメイドの新作「STEALTH2」はやさしさも極限へ

年明け早々に行われたテーラーメイドの新製品発表会。発表されたのは、あの「STEALTH(ステルス)」の進化モデルだった。 ...

あわせて読みたい

インパクトで窮屈になってしまう人必見!体が回しやすくなる腰の位置

ゴルフ雑誌ゴルフトゥデイで掲載されている大好評・連載企画「ドラコン女王・高島早百合のぶっ飛びLESSON」の第4回は、「体が...

あわせて読みたい

ドライバーのティーの高さは何センチが目安?【初心者向け解説】

ゴルフをはじめて間もない人は、ドライバーを打つときのティーアップの高さをどのくらいにするべきなのかわからず、まちまち...

あわせて読みたい

原英莉花が試しているニュースイングとは?真っ直ぐ飛ばすためのテクニックを解説!

今季は開幕戦からなかなか調子が上がらなかった原英莉花だが、「CAT Ladies」から3試合連続でトップ10入り。その要因は、「大...

あわせて読みたい