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PING「G」シリーズの開発秘話を社長が語る!ジョン・K・ソルハイム氏も想像できなかった進化の背景とは

【第28回】商品開発はドラマ!渋野の全英女子Vで人気に拍車!2004年の誕生から20年。新製品は12代目を迎える超人気ロングセラーに!

2023/04/29 ゴルフサプリ編集部

PING Gシリーズ(ピンゴルフ)

ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話を、メーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はPING Gシリーズ(ピンゴルフ)が主役のストーリー。

GOLF TODAY本誌 No.611/70〜71ページより
写真/ゴルフトゥデイ編集部 取材・文/嶋崎平人

ピンパターで名を馳せたカーステン・ソルハイム。その孫が世に送り出した「G」シリーズ。渋野の歴史的優勝でも話題に!

ピンゴルフジャパンのオフィス

ピンゴルフジャパンのオフィスは埼玉県のJR武蔵野線武蔵浦和駅の目の前。駅前は再開発中で、その一角にある新しいオフィスビルに、PINGのロゴがみえる。

お話を伺ったのは、米国本社ピンゴルフの社長ジョン・K・ソルハイム氏。Zoomによる取材で、日本時間は朝8時30分、本社のあるアリゾナは夕方の16時30分であったが、ジョン・K社長からは「おはようございます」と日本語で挨拶をいただいた。

ジョン・K社長はかつて3年半ピンゴルフジャパンの社長として日本に赴任しており、現在も引き続きピンゴルフジャパンの会長でもある。

ピンゴルフはファミリー企業であり、現在の社長ジョン・K・ソルハイム氏は、創業者のカーステン・ソルハイム氏の孫で、3代目、父親のジョン・A・ソルハイム氏は現会長である。

3人に共通するのは、ともに「技術者」で、その名前が特許に刻まれているということだ。

長年根強い人気を誇るピンゴルフだが、近年、日本でその知名度が一気に上がった出来事がある。それは、渋野日向子が優勝した2019年全英女子オープン。歴史的なメジャー優勝を果たした、その時に使用していたドライバーが、ピンゴルフのG410だったのだ。

渋野日向子のドライバースイングを連続写真で分析

2019全英女子オープンで優勝を果たした、渋野日向子(しぶのひなこ)のドライバースイングを連続写真とともに分析する。

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「G2」の由来は"さらに先の世代のクラブを創っていくこと"

「G」シリーズの初代モデル「G2」

2004年に誕生した、「G」シリーズの初代モデル「G2」。当時の契約プロのC・ペーニャは「G2はPINGが作ったドライバーの中で最も美しいドライバー」だと高く評価していた。

最新のGシリーズはG430だが、Gシリーズが誕生したのが2004年で、モデル名はG2。誰もが知るロングセラーとなったGシリーズの誕生の裏側について、ジョン・K社長にお話しを伺った。

G2が誕生した2004年、ジョン・K社長は開発担当の副社長という立場であった。まだ、20代後半で開発の中心。

G2の「G」は「Generation(ジェネレーション)」で世代を意味し、「2」は次の意味で、開発でさらに先の世代のクラブを創っていくことと、ソルハイム家としても2代目から3代目の分岐点にある製品として開発していこう、という意味を込めて「G2」と名付けたという。

製造についても、それまでは主に米国、オーストラリアのサプライヤーと契約していたが、新しい製法にトライしアジアのサプライヤーに変更することで、今まで以上にフェースの薄さを追求。G2の開発には新しい製法を含めて、1年間以上をかけた。

G2のヘッド体積は460cm³で、これ以降のGシリーズで共通している。いろいろなプロトタイプのヘッドを試作して、体積420cm³も含めて20以上の形をトライした。

ジョン・K・ソルハイム氏

Zoomで本社とつなぎお話を伺った米国本社ピンゴルフの社長、ジョン・K・ソルハイム氏。

開発のポイントとして…
➀フェースの耐久性をあげてフェースの厚さを薄くする、
②その結果ボールスピード初速を上げる、
③ヘッド体積460cm³にすることで慣性モーメントを上げ寛容性を増す、ことであった。

その結果、最初のプレーヤーテストで、今までになく全員の評価が高く、飛ぶ結果を得ることが出来た。

当時の契約プロのC・ペーニャは「G2はPINGが作ったドライバーの中で最も美しいドライバーで、形、色、そして半月型のアライメントが気に入っていたよ。それに、以前のモデルよりも低スピンで、構えやすくとても真っすぐ飛ぶ点も気に入っていた」と高く評価。

G2ドライバーシリーズは、その当時のPGAツアーでは、リー・ウェストウッドやミゲル・A・ヒメネス、マーク・カルカベキア等、60人以上、日本ツアーでも20人が使用し、その性能の高さを証明した。

初代発売時、ドライバーシェアを伸ばすべくとった販売戦略が大成功!

Gシリーズ

初代モデルG2の「G」は「Generationジェネレーション」で世代を意味し、「2」は次の意味を持つ。しかし、「G2以降のモデルに付けられた数字は商標の関係などで特別な意味はない」という。

G2以降名称は、2005年G5、2007年G10、2009年G15と続き、2007年G400、最新の12代目2022年G430と変遷を辿っているが、名称についてジョン・K社長に聞くと、「G2以外の数値について商標の関係などで特別な意味はない」とのこと。その数字には特に意味がないということも、逆に面白いと感じた。

Gシリーズの最初のモデルとなったG2の名称を考えたのはジョン・K社長自身であったが、このG2は製品開発だけでなく、販売戦略についても新たな挑戦であった。

G2からドライバーのシェアを伸ばすべく、販売価格を他社が500ドル中心の中で、なんと299ドルに設定。新しい技術で性能を大幅にあげられたことと、製造原価を低く抑えることができたからこその戦略であり、その結果、シェアを倍にすることができた。

実は、G2のソールに特徴的なブルーの三日月状のラインが入っているが、ジョン・K社長が好きな色はブルー。その点がデザインに反映されたのでは、と笑う。

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ピンゴルフ

ピンゴルフはファミリー企業であり、現在の社長ジョン・K・ソルハイムは、創業者のカーステン・ソルハイムの孫で、3代目、父親のジョン・A・ソルハイムは現会長である。写真は、左が父親のジョン・A、右がジョン・K氏。

Gシリーズは最新のG430で12代目を数えるロングセラーシリーズとなっているが、ジョン・K社長は「開発当時は、Gシリーズがここまで長く継続するとは想像できなかった」また、クラブの進化について、「まだまだ進化するチャンスはあるが、20年間でここまで進化するとは思わなかった」と語る。

続けて、Gシリーズは今後も継続する?との質問に対して「Gシリーズがここまで市場に受け入れられ、ブランドの信頼性がでている。Gシリーズの名前は変えづらい」と話しており、さらなる展開も示唆。今後の展開が非常に興味深い。

ピンのゴルフクラブに関する思想は一貫している。創業者のカーステンが発明したピンパターから受け継がれる「前作を上回るものを造る」という考えが、どこまでも継承され生き続けている。


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