違反になるんじゃね!?くらいの威力 入り出したら止まらなくなる『TRI-BEAMパター』は三角ホーゼルパターの新しい歴史を作る
オデッセイの三角ホーゼルの『TRI-BEAMパター』をロマン派ゴルフ作家が検証する!
『TRI-BEAM #7』は、入り出した止まらない?!
『TRI-BEAM #7 パター』を最初に打った。
アドレスしてビックリしたのは、ヘッドが小さめになっていてボールとセットすると、ピタッとくるのだ。集中力が増し、ラインのイメージも出やすい。テークバックの動き出しもスムーズだ。
ただ、肝心の「ラケットホーゼル」に違和感がある。フェースラインでパターの向きを感知するタイプのゴルファーは、フェースのラインに直角以外の直線が混じるのを嫌うが、重量を落とすためなのか、ホーゼルのフェース寄りのラインが、少しテーパーしているように見えるのである。
サイトラインで方向性を確認するタイプのゴルファーのほうが多く、彼らには気にならないので一概にマイナスとはいえないし、パターの個体差の可能性もある。
しかし実際にコースでパットをしてみると、そんな違和感を吹っ飛ばすような結果が待っていた。とにかくタッチが合って、気持ち良くパットができるのだ。
最近のパターの平均からすると少し転がりが良い傾向があるが、それを差し引いてもストレートに転がろうとしてくれるし、結果として入るのである。入り出したら止まらなくなるような感覚があった。
こんなゴルファーにおすすめ
ミドルレンジからロングレンジにかけて、左右のブレとミスヒットでの距離のロスが出にくい、というやさしさがトップレベルに高いことがわかる。三角ネックのパターは、当たり負けしにくいのが最大の特徴で、それは『TRI-BEAM #7 パター』でも十分に堪能できる。
僕は『#7』の形状のパターがあまり得意ではないが、試打ラウンドではそれを忘れるくらいいいパットを連発した。長い距離になると、芯に当たらなくて困っているゴルファーにオススメである。
『TRI-BEAM #7 パター』は、オートマチックな理論派のパットをするゴルファーよりも、感性とパターがマッチしたときに入り出したら止まらない感覚派のパットをするゴルファーに手にして欲しい。そういう見方をすると、急に光り輝いて見えてくるのだ。
『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』は、転がりの良さでショートさせない!?
次に『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』を打った。このヘッドタイプの特徴は2点だ。
(1)スクエアな感覚で方向性がアップすること
(2)ネオマレットのようなヘッドの大きさが、ボールを後ろから押すような手助けをしてくれること
だたし後者の特徴は、前重心の構造になるとグッと弱くなる傾向がある。『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』も構造上は、後ろからの押しが弱くなる1本だと思われる。しかし打ってみると、当たり負けしないネックの機能が、後ろから押す以上に助けてくれることがわかる。
ヘッドはシャープで、無駄に大きいところは一切ない。それはヘッドが小さいほうが集中しやすいゴルファーにとっては大きなプラスになる。『#7』も転がると評価したが、『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』はその傾向がもっと強くなる。『#7』を100とすると、107ぐらい伸びるのだ。
こういうケースで手に負えないのは、ミドルレンジでは100と100で同じなのに、ロングレンジの一定以上の距離になると100と107になってしまうパターだ。しかし『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』は、短い距離から長い距離まで同じなので、慣れればタッチを合わせるのに問題はない。
僕は「ホワイト ホット インサート」のパターを10年以上使用していたので、ホワイトホットの距離感みたいなモノは身体と頭の中に入っているので、すぐにアジャストできた。「ラケットホーゼル」のフェース側のラインがテーパー気味なことは、『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』でも感じた。
ただ、実際に打ってみるとそれはあまりに気ならなかった。思い通りに転がっている感触とリアルがシンクロして、気持ち良かったからだ。ただ『#7』ほどのシンクロ感は感じなかった。元々こちらのヘッド形状のほうが好きなのに、なんとも不思議である。
こんなゴルファーにおすすめ
『TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』は、方向性を出しやすく、長い距離でもしっかりとタッチを出していけるパターが欲しいゴルファーにオススメだ。また、オンラインで微妙にショートして入らないパットに悩んでいるゴルファーにもオススメしたい。
今までの『DOUBLE WIDE』のヘッドのパターとはちょっと感じが違う部分があるが、マイナスではない。
オデッセイは2023年現在、パターメーカーとしていくつもの部門でトップに君臨している。その歴史は良いものを貪欲に取り入れて、自分のモノにするように進化させてでき上がっている。
「ラケットホーゼル」もどんどん進化して、三角ネックのパターの完成形が生まれるだろうと推測できる。
『TRI-BEAMパター』はその始まりのパターとして、多くのゴルファーの記憶に刻まれるはずだ。
近い将来、そんな歴史を語りながら「実は以前にね」という枕詞で『TRI-BEAMパター』を使っていた思い出をさり気なく披露できれば、違いがわかるゴルファーとして尊敬されることは間違いない。
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篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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