パッティングの時、右に押し出すミスと、左にヒッカケるミスのどちらが多く出ますか?
あなたもパター巧者になれる!藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方 第22回
トライ&エラーとは試行錯誤という意味で、いろいろ試し失敗を重ねることで解決策を見いだすこと。これは、伸び悩んでいる人にとくに有効だ。
GOLF TODAY本誌 No.615/130〜133ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/圓岡紀夫 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
成功に導くトライ&エラー
固定観念を捨て普段やらないことを試す
パットの練習は地味で単調だが、工夫次第で遊びながら上達できる
パットに悩み続けている人や、いわゆるイップスになりやすい人の傾向として、「打ち方はこうでなければいけない」「こうあるべき」といった固定観念が強いことが挙げられます。
それでカップインできればいいですが、思うように入らないのなら、固定観念を捨ていろいろなことを試してみましょう。
練習グリーンだけでなく、室内でもパターマットを使用し遊びながら打てば、今までにない感覚や新たな気づきがあるはずです。
パターマットでの練習例
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右手1本の次は左手1本で打ち、最後に両手を合わせて打つ。
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片手で打つと、それぞれの手の役割や使い方が明確になる。
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レフティの体勢をとり、パターのバックフェースを使って打つ。
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フェース面が自分を向くように握り、パターの先端にボールを当てる。
例えば右手1本や左手1本の片手打ちはそれぞれの手の役割がわかり、手先の使い過ぎを修正できます。さらに左打ちやパターの先端で打つなど、普段やらないことを試してみましょう(上写真)。
より実戦的なのは、ボール位置を大きく変えることです。ドライバーのように左足寄りに置いたり右足の前に置いたり。前後のボール位置も重要で、体との距離を変えながら打ってみてください。
また、打ち方を変えるのも効果的。インパクトでクラブを止める、反対にフォローを大きく出すなど、左右対称の振り幅にこだわらないことがポイントです。このようにいろいろなことを試せば「パットの幅」が広がり、上達に役立ちます。
Get in!攻略ポイント1|ボール位置を前後左右に前後左右にズラす
いつものポジションからボール1、2個ぶん左右にズラす。前後は目の真下より外側や内側にズラしてボールを打ってみよう。
固定観念を捨てることで、自分に合うボール位置が見つかる。
Get in!攻略ポイント2|打ち方を大きく変える
インパクトでクラブをピタッと止めたり(左)、フォローを大きく出したり(右)。
打ち方を大きく変えると、フィーリングや球のコロがり方が変化し、思わぬ発見がある。
Get in!攻略ポイント3|プッシュか、ヒッカケか?自分のミスの傾向をつかむことが先決!
本番でのデータを積み重ねて分析すると「自分」が見えてくる
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10球3セットでミスの傾向をつかむ。
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どのような状況でどんなミスが出たか。このデータを収集し分析する。
「右に押し出すミスと、左にヒッカケるミスのどちらが多く出ますか?」と訊くと、「両方同じくらい出ます」と答える人がいます。ラウンド中は両方出るかもしれませんが、誰にでもミスの傾向が必ずある。それを感じとれないと上達は望めず、修正や対策ができません。
まずは練習グリーンやパターマットで、10球続けて打ってみましょう。そしてカップのどちらのサイドに外れることが多いのかをチェック。これを3セットくり返せば、自分のミスの傾向がはっきり見えてきます。本番でも「上りのフックラインは左に外れる」「下りのスライスラインは右に外れる」といったミスの傾向をつかむことが重要。このデータの積み重ねがスコアアップにつながります。
アマチュアは結果に一喜一憂するあまり、どのような状況でどんなミスをしたかを忘れがち。スコアカードに記入するなどして、本番での「自分」も分析しましょう。
ミスの具体的な原因を探す
打球がカップの右に外れるのは、フェースが開いているか、軌道がインサイド・アウトになっている。左に外れるのはその逆の動きなので、まずはフェースの向きと軌道のどちらに問題があるかをチェックしよう。
Get in!攻略ポイント4|目安を作ることが大事、練習器具をガイド役として活用する
「目安」があればストロークの良しあしがわかり、上達が早くなる
アマチュアの大半はパットの練習が不足しているので、いろいろなことを試し、練習すればするほど上達します。この時に練習器具を使うと、より効果的です。なぜなら、何らかの「目安」があれば、ストロークの良しあしがわかりやすくなる上に、余計なことをせず、上達が早くなるからです。
例えば、上の写真のような練習器具は、ストロークの軌道とフェースの向きを視認できます。ブレード型(ピン型)のヘッドは軌道がインサイド・イン、マレット型のような大きなヘッドはストレートに近い軌道になりますが、マット上の直線と曲線を目安にすれば、それが作りやすくなります。
私の場合、軌道もフェースの向きもこの線の通りにはなりませんが、ストロークのガイド役として活用しています。ちなみに前述の一般的なパターマット(2番目の写真)は、レギュラーツアー時代は転戦中も持ち歩き、宿泊するホテルで毎日練習していました。
メカニズムを理解する
ヘッド形状だけでなく、ボールの近くに立ちショルダーストロークをする人は、ストレートに近い軌道に。ボールから離れて立ちハンドダウンに構える人は、インサイド・イン軌道になる。藤田は後者のタイプだという。
藤田寛之
ふじた・ひろゆき(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168cm、70kg。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げ賞金王に輝いた。昨年はシニアツアーで2勝。得意クラブはパター。
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