上りのラインの練習が強いインパクトをつくる!普段は2メートル前後、ラウンド当日は10メートル以上からパターの練習を
あなたもパター巧者になれる!藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方 第21回
![パター.ボール](/images/articles/10009191/big_main10009191_20230719121535563176.jpg)
どんな場面でもボールをしっかりヒットし強いインパクトを作るのが、パター巧者の共通点。それを実現するポイントは?
GOLF TODAY本誌 No.614/126〜129ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/圓岡紀夫 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
練習の8割は2メートル前後の上りのライン
![パター練習,上りのライン](/images/articles/10009191/big_5252064_202307191211307478991.jpg)
「Never up,never in」(カップに届かなければ入らない)という格言通り、カップインの確率を高めるには、ショートのミスを減らすことが第一。インパクトが弱くなったり緩んだりするとショートしやすいので、ボールをしっかりヒットし、カップをややオーバーするくらいの距離感で狙いましょう。
そのために私が重要視しているのが、「上りのライン」での練習です。日頃の練習は「上りしかやらない」といっても過言ではありません。
上りと下りの傾斜を比較して、どちらが「ボールをしっかりヒットする」練習になるのか。下りはラインに乗せたり流したりしがちですが、上りはボールを真芯でとらえ、強く打たないと目標に届きません。つまり上りのラインは、強いインパクトを作るのに最適な練習といえるのです。
私の場合は練習の8割が、1.5~2メートルの上りのライン。この距離の攻略が優勝や上位進出のカギを握るからです。
上りのラインで練習をくり返すことで、インパクトが自然に強くなり、常に「打てる自分」というものを確立できる。本番だけ強く打とうと思っても難しいため、普段から「打てる自分」を作っておくことがとても重要なのです。
Get in!攻略ポイント1|ボールを強くヒット
![パター,ボール](/images/articles/10009191/big_5252067_202307191334311504151.jpg)
フェースの真芯でボールの芯をとらえて、ボールを強くヒットする。
ボールの近くにスパットを設定し、そこに真っすぐ打ち出すことに集中すれば、より強く打てる。
Get in!攻略ポイント2|上りのラインで練習
![藤田寛之プロ](/images/articles/10009191/big_5252069_202307191336523911781.jpg)
上り傾斜なら、ラインに乗せることより、「ボールを打つ」ことを優先するため、インパクトが自然に強くなる。
1.5~2メートルの上りを重点的に練習するのが藤田流。
Get in!攻略ポイント3|【ラウンド当日は】10メートル以上の上りから練習を始める
![上りのパット練習](/images/articles/10009191/big_5252071_202307241339257216881.jpg)
ラウンド当日は、練習グリーンでそのコースのグリーンコンディションをつかむことが必須ですが、そのときはまず、「10メートル以上の上りのライン」から練習を始めましょう。
最初が肝心で、下りのラインから始めるとボールが速くコロがるぶん、どうしてもタッチが弱くなってしまいます。その感覚や先入観が頭や体に残ると、本番でショートしやすくなるので注意してください。
下りのラインから練習を始めると本番でショートしやすい
![パット練習](/images/articles/10009191/big_5252074_202307241341491331261.jpg)
そのコースのグリーンのスピードをチェックしながら、距離感を合わせていくことが大事。
長い距離の上りなら、たとえ速いグリーンでもボールをしっかり打つ必要があり、タッチが自然に強くなります。
そして、フックラインやスライスラインを組み合わせつつ、ロング→ミドル→ショートパットの長→短の順でボールをコロがしましょう。
下りのラインは練習の後半に行い、5メートル前後の距離で「下りのスピード感」をつかみます。下りの練習は全体の2、3割で十分。やりすぎはNGです。
下りもしっかり打つ
![パター下り練習](/images/articles/10009191/big_5252076_202307191352263790041.jpg)
下りのラインも、振り幅を小さくした上でしっかり打つことが基本。インパクトを弱くするとボールのコロがりが悪くなり、カップ際で傾斜や芝目の影響を大きく受けてしまうので注意。
Get in!攻略ポイント4|【同じようにコロがればOK】2個のボールを同時に打ってみよう!
フェースの向きと圧力のセルフチェックができる手軽な練習法
![ボール2個並べ打ち](/images/articles/10009191/big_5252080_202307241345393223981.jpg)
フェースに沿ってボールを2個並べて、同時に打つ。
私が採用している練習法の一つに、「2個のボールを同時に打つ」というものがあります。
これはボール2個分の重さにより、インパクトが強くなる上に、次の二つのポイントのセルフチェックができます。
2個のボールが目標方向にほぼ同じ距離でコロがるのが理想。
![ボール2個打ち,パッティング](/images/articles/10009191/big_5252082_202307241344093894971.jpg)
一つは、インパクトでのフェースの向きです。フェースが開いている人はヒール側、閉じている(被っている)人はトゥ側のボールが先に当たり、2個同時に打てません。フェースがスクエアかどうか、自分の悪いクセがすぐにわかります。
もう一つは、ボールにかかるフェースの圧力です。スクエアなインパクトに見えても、トゥ側の圧が強かったり、ヒール側の圧が強かったりする人がいます。2個のボールが目標方向に、ほぼ同じ距離でコロがるように練習することが大事。
その結果、スクエアなインパクトとフェースの均等な圧力が実現し、パットの精度がより向上します。
打球の方向を方向をチェック!
![ダメな転がし方](/images/articles/10009191/big_5252085_202307191403519987451.jpg)
ヒール側の圧が強い人は、ボールが右方向に飛び、距離がバラつく傾向がある。
2個のボールを同じようにコロがすことは、簡単そうで意外に難しいのでやってみよう。
![藤田寛之プロ.イラスト](/images/articles/10009191/big_5252087_202307241319394466431.jpg)
藤田寛之
ふじた・ひろゆき(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168cm、70kg。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げ賞金王に輝いた。昨年はシニアツアーで2勝。得意クラブはパター。
![](/images/articles/10003501/big_main10003501_20210414192611509023.jpg)
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