アダム・スコットもワクドキ!その国の最高峰トーナメント「ナショナルオープン」はいつから開催?
なんとなくで聞き流していませんか?ゴルフツアーの用語をわかりやすく解説
先月の日本オープンに参戦したアダム・スコット(オーストラリア)は、開幕前の会見で「ナショナルオープンで勝つということは、自分のプライドを高めてくれる」と話しました。世界ランキング1位に立ったこともあるスコットにそう言わしめるナショナルオープンとは何か。分かりやすく解説します。
ナショナルオープンとは?
ナショナルオープンとは、基本的にその国のゴルフ統轄団体が主催するオープン競技のことです。オープン競技ですからプロ、アマ問わず参加できるトーナメントで、日本ならば日本ゴルフ協会主催の「日本オープン」「日本女子オープン」が該当します。
「日本オープン」がよく“ゴルファー日本一決定戦”などと表現されるように、その国の最高峰のトーナメントという位置づけになることが一般的。その国で最も長い歴史を有するオープン競技であることがほとんどです。
たとえば「全米オープン」は、1894年に組織された全米ゴルフ協会が翌1895年に第1回大会を開催しており、130年近い非常に長い歴史があります。途中、第一次世界大戦、第二次世界大戦による中断があり、開催数は今年で123回目でした。
米国のお隣、カナダの「カナディアンオープン」は1904年に創設されています。9月に久常涼が優勝した「フランスオープン」は1906年創設、「スペインオープン」と「オランダオープン(現KLMオープン)」は1912年創設など、100年以上の歴史を有するナショナルオープンはいくつもあります。
世界最古のトーナメントである「全英オープン」は1860年に第1回大会が行われていますが、当時はプレストウィックというクラブの単独開催でした。現在の主催であるR&Aが運営に加わったのは第12回大会からのこと。「全英オープン」は今年で第151回大会を迎えました。
多くのナショナルオープンは現在、それぞれの地域のプロツアーに組み込まれています。しかし、プロツアーの誕生よりもはるかに前から行われていたのがナショナルオープンであり、その国のゴルフの歴史そのものと表現してもいいくらいの存在なのです。だからこそナショナルオープンには、他のトーナメントにはない特別感があるのです。
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日本オープンの歴史
では、次に日本のナショナルオープンについて解説していきましょう。
「日本オープン」が創設されたのは1927年、和暦で表すと昭和2年のことです。1924年に組織された日本ゴルフ協会が、のちに核になる4項目の事業の実施を決議。そのひとつが「日本オープン」の開催でした。
1926年にすでに「日本プロ」と「関西オープン」の第1回大会が行われており、プロのトーナメントとしては日本で3番目、オープン競技としては「関西オープン」に次ぐ2番目ということになります。
「日本オープン」の第1回大会は1927年5月28、29日の2日間で行われました。1日に36ホールをプレーする72ホールストロークプレーでプロ5人、アマチュア12人の計17人が出場。優勝候補筆頭だったアマチュアの赤星六郎が309ストロークで、プロの浅見緑蔵に10打差をつけて優勝しています。
日本のナショナルオープン制覇を目指し、アダム・スコットのように世界のトッププレーヤーが何人も参戦してきた歴史があります。主なところではトニー・ジャクリン(英国)やセベ・バレステロス(スペイン)、ラリー・ネルソン(米国)、ニック・ファルド(英国)、トム・カイト(米国)といった面々です。
大会最多勝は宮本留吉の6勝。開催数は今年で88回目でした。
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日本女子オープンの歴史
初めての女子プロテストが実施されたのが1967年のこと。その翌年に第1回大会が開催されています。ただし、当時はテレビ局のTBSが主催で「TBS女子オープン」という名称。会場は河川敷のTBS越谷ゴルフクラブで、2日間36ホールのストロークプレーでした。
当初は協賛として大会に関わっていた日本ゴルフ協会が主催を引き継いだのは、1971年の第4回大会から。同時に大会名が「日本女子オープン」に変更されました。競技方法は第3回大会から54ホールとなり、現在と同じ72ホール競技となったのは第15回大会(1982年)からです。
「日本女子オープン」にもナショナルオープンタイトルを目指して海外からたびたび強豪選手がスポット参戦。ジャン・ジョン(韓国)、チョン・インジ(韓国)、ユ・ソヨン(韓国)といった選手がタイトルをさらっています。
大会最多勝は第1回からの4連覇を含む8勝を挙げている樋口久子。涂阿玉と畑岡奈紗が歴代2位となる3勝をマークしています。
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文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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