新しいクラブが次々に出るのはうれしいことですが……
昔と違って今は短い期間で新製品のクラブが出るようになりました。例えば、テーラメイドやキャロウェイは毎年のように主力モデルをを出すなど、“外ブラ”は新製品攻勢が著しいです。そして、負けじと国産クラブも開発のサイクルを早めているようです。
ギア好きの僕にとってはうれしい限りですが、アマチュアゴルファーにとっては痛し痒し。玉石混交とまではいかないまでも、新しいクラブが全て自分にとっていいものであるわけではなく、時にはどこが新しくなったのか分かりにくいモデルも出てきます。
それに新製品があまりにも頻繁に出ると、どのタイミングで買ったらいいのかわからなくなります。僕も基本的にはクラブを買って試打をしているので、手を出したはいいが、あまり人気がないと赤字が膨らんでいくことになります(詳しい事情はまた別の機会にお話します)。おまけに昨今は円安と物価高騰のダブルパンチ。死活問題にもなりかねないんです。
初代が尖った性能だと、二代目はマイルドになりがち
ボヤキはこのへんにしておくとして、矢継ぎ早に新しいモデルが出るとはいえ、メーカーがクラブを改悪して出すことはありませんから、そこは性善説に立ち、何かが進化しているという前提で新しいクラブに接するのが僕のスタンスです。
これは蛇足かもしれませんが、初代が“特徴的に尖った”モデルだった場合、その二代目はおおむね“マイルド”なクラブになります。
例えばキャロウェイの「エピック」シリーズのように“尖った”モデルが出た後、ちょっとまろやかな「ローグ」シリーズが出るといった具合ですね。
各メーカーともこれを繰り返す傾向がありますが、基本的にゴルフクラブに求められる要素は限られているので、その範疇で順繰りに、螺旋階段のように進化していくようなイメージを僕はもっています。
ですから、古いモデルが必ずしも悪いわけではありません。むしろ古い方が自分に合っていることも多い。「古いといっても何年落ちくらいまでいいの?」と聞かれると一概には言えませんが、1年落ちのモデルなら何の問題もなく、5年前くらいのモデルまでは全然イケます。
さすがに10年前のモデルとなると、どんなに良いとしてもテクノロジーの点で遅れをとっていることなると思いますが、予算に応じて4~5年前のクラブをチョイスするのも大いにアリです。
自分に合ったクラブを見極める力をつけることが大事
要は自分がクラブに何を求めるかが重要。プロで言えば、今平周吾さんみたいにヤマハの「リミックス115」を長く使い続けていた人もいます。新しいモデルの方が飛ぶことは百も承知だけれど、自分のゴルフを考えた場合に譲れない優位性がある。そんなクラブを選んで使っている人は、同じゴルファーとしてカッコいいと思うし、それができるようになるとクラブ探しやクラブ選びはさらに楽しくなるでしょう。さらに、そうなった暁には、ゴルフの腕前もかなり上がっているはずです。
スマホは最新の機種がいいに決まっていますが、クラブは必ずしもそうじゃない。何年か前のモデルでも、気に入ったクラブを使うのはとても賢いことで、デジタルな道具じゃないモノの良さを実感できます。
もちろん新しいクラブを追うのもいいですが、その場合も自分に合っているものを見極める力をつけなければいけない。それがなければ猫に小判です。僕は仕事柄、新しいものを追わなきゃいけないし、基本新しいもの好きなので、あまり偉そうなことは言えないんですけどね。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。




