ヘッドスピード40m/sが飛ばせるロフトは10.5度だった!
逆上がりできないティーチングプロのゴルフが上手くなる話|第69話
こんにちは。逆上がりの出来ないティーチングプロ名取です。アベレージゴルファーの皆さんが良く悩む問題がコレですね。そして、何故かロフトは小さい方がカッコいいという勘違いをしている人が多いのが実際のところではないかと思うのですが。でもやり過ぎて結果が出なければそれはあまりカッコよくない?!と思いませんか。
写真/ゴルフサプリ編集部
打出し角度は何度が正解?!スクール生の生声は?
ドライバーショットは、やっぱりラウンドの見せ場なのでキレイなボールが出てほしいですよね!!
よく言われている、アベレージゴルファー(スイングスピード40m/s前後)の人達はの適正なボールの高さは、打出し角が15~18度くらいでスピン量が2500回転程度とされています。実際、レッスンに通われている方の数字を見ても良い当たりで220ヤード程度飛ばす人たちは、概ねこの範囲に収まっている感じです。
その方たちの中でもレベルの差は多少あるから、ベスグロ79の人もいれば92の人もいます。毎回確実に100切りできる人っていうのはレッスン生の中では結構レベルが高い方です。さぁ、そのレベルの方達が使っているドライバーを見せてもらうと驚きの統計が出ました。
なんと、全員10.5度だったんです!!9.5度を使っている人は居ませんでした。何故でしょうか?!
「9.5度なんて見栄だからね」
「10.5でも上がらなくてカチャカチャで+1にしているよ」
「スイングスピード足りないから9.5は無理でしょ~」
「置いてある12度のレディースドライバー打ったら意外と良い球出たし」
と、さすがスクールに通って上手くなろうとする方達だけあって、芯を食ったご意見ばかりでした。
そう、9.5度のクラブではやっぱり【上がらない】という感覚。実は私もそう思っています。私の手持ちのクラブは、ピン「G425 LST」10.5度、キャロウェイ「MAVRIK」10.5度。元々使っていたMAVRIKは、使い始めたころはちょうどいい高さでしたが、だんだんレベルアップしてきてスイングスピードも上がり、18度くらいの打出し角度が高すぎてアゲインストの時には大分距離が落ちて安定しない感覚になってきました。G425 LSTは同じ10.5度でも打出し角度は14度くらいなので、良い感じ。ただ、スイングスピードが早くないと回転数が少なくてドロップしそうなイメージがありました。
今使っているのはキャロウェイ「PARADYM」9.0度ですが、つい先週まではカチャカチャで「D+1」にして、通常よりアップライトかつ1度寝かせるようにして球が上がるようにしてちょうど良かったんです。今の私はスイングスピード45m/s程度出るようにもなりましたし、先週シャフトを数年ぶりに入れ替えたらこれがまた絶妙に球が上がるようになったので、カチャカチャのポジションを「NS」にして、数年ぶりに9.0度のロフトをいじらずに打てています。
なんか、ちょっと嬉しい。まだ見栄があるってことです(笑)
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キャリーとランのバランスが大事
ロフト角が9.5度でも、10.5度でも、キャリー&ランのバランスが大事ですね。
春先の3月、PGAツアーでは【フロリダスイング】と言われるフロリダ地方での大会が数大会連続します。このエリアのコースは平坦なコースが多く、あまりキャリーを出さずともある程度ランがでます。海の近いリゾートなので、風の影響も受けますから高いボールよりは低めにコントロールしていくほうが有利なんですよね。
他にも全英オープン会場でよくあるリンクスタイプのコースは風の影響を受けすぎないようにみんな低い球で攻めていきます。タイガーウッズがアイアンのスティンガーショット(低弾道のライナー)を多用して全英を勝ったのは有名な話です。
ランが出るコースであれば、高さよりも方向性。野球でいえば、2塁打を打つ職人のようなライナー性の打球をコントロールして打てる人が強い!ゴルフの色んなテクニックを持っている選手が活躍できるという事で、日本人でも全英オープンでは丸山茂樹さん・谷原秀人選手が最高5位、中嶋常幸さん・青木功さんが最高7位に入ったことがあります。そして日本人最高位の4位に入ったことがあるのが倉本昌弘さんです!さすが、今でもビッグスコアをたたき出すPGA会長!!
今年も、日本人選手の活躍を期待したいですね!世界屈指のアイアンテクニック&アプローチは世界一とも言える松山英樹選手にも大の期待です。
というわけで、風が強い&平坦なコースではライナー系の球が出て、キャリーが少なくてもランを稼いで飛距離をカバーできますのでロフトは低めでOKということになりますね。
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日本のコースにも様々なタイプがありますが、アベレージの方が良く行くであろう丘陵・山岳コースになると、あるていどキャリーが出てくれないと2打目がキツイ。打ち上げのホールなど着弾してからランはあまり出ないですし、打ち下ろしも場合によってはその場で止まっちゃう。となると、キャリーをシッカリ出せるクラブの方が有利って事になります。
そして、日本の芝は根っこが強くて寒さにも暑さにも強い野芝や高麗芝がフェアウェイに使われていることが多いのですが、そういった芝は芝自体がかなり強いので摩擦もあるからそんなに転がりが良いとは言えません。
グリーンでも、触っただけで「うわゎゎゎゎ・・・」と、永久に転がって行ってしまうガラスのグリーンと言われるようなグリーンはベント芝などに代表される西洋芝なんです。あれだけ転がりが良い芝がフェアウェイにも使われていたら、そりゃランも出ますよね。その逆で、あんまり転がらなくて癖も強くて芝がゴツゴツしている高麗芝などがフェアウェイに使われているコースだったら、あまりランが出ることは期待できません。
ある程度のキャリーがあった方が結果的に総飛距離が伸びるというのが一般論ですね。なので、ちゃんとキャリーが稼ぎやすいクラブの方が、結果が出やすいのではないでしょうか。
「キャリーが稼げる=ロフトが寝ている=ボールが掴まえやすい」ってことは、スライスしがちな初心者の方にはスライス軽減効果もある10.5度のドライバーがおススメと言えますね!
プロでもスイングタイプによってロフト角は違う。
アベレージゴルファーの皆さんでも、スイングのタイプは様々です。超ざっくりですがタイプ分けをしてみましょう。実際にスクールの皆さんを見ていると、ざっくりとはいえまぁまぁ合っていると思いますよ。
①ダウンブロー
アイアンでトップしがちな人は、ドライバーもダウンブローに打ってます。そのため、本来のロフトが10.5度でも、実際は8度等に潰すような打ち方で左に低い球を打ち出しがち。
②アッパーブロー
アイアンでダフリがちな人は、ドライバーをアッパーブローで打っています。そのため、本来のロフトが9.5度でも、実際は11度等にボールを持ち上げて右に高い球を打ち出しがち。
③レベルブロー
アイアンが得意で、あまり距離は出ないけど真っすぐ飛ばすのが好き。クラブの性能を活かしてスイングするので、ロフトうんぬんよりシャフトが合えばいい球が打てる。
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多くの方は①か②で悩んでいるはずです。①の方は、とにかく手打ち。左に低い球がでるけど、それを直そうとした瞬間に思いっきり右スライスも出るという、アベレージゴルファーの方にありがちなパターンです。体を左にスライドさせてしまうのが1番の原因。
②の方は、手打ちなのは一緒なんだけど左に体重を乗せられず右に体が残っちゃうのが原因という逆パターン。ある程度体が強くて、スポーツ等やっていた人に多いタイプ。すぐボールの行方を見ちゃって、練習では良いけど本番思いっ切り体開いて右にぶっ飛ぶのはこのタイプ。
①②とも、ドライバーは安定しません!③レベルブローの練習をしたいですね。
そのためには、①②のいずれも10.5度のドライバーを使いましょう。そして、そのドライバーでアプローチの練習をしてください。50yd~100yd飛べば十分です。足は最初は閉じて、ウェッジで20~30yd位を打つように軽く打ちます。
パチンと止めないようにちゃんと体というか、お腹をグルっと左に回してお腹が正面を向くまで回転させてくださいね。
その時のボールの飛び方が大事です。自分が思うよりも、ちょっとゆっくりとしたボールでスピンが多い感じがすれば大丈夫。しっかりとドライバーがボールを掴まえて打てている証拠です。そうするとあまり力を入れないでもいいんだなという事がわかってきます。
徐々に足を開いていって、いつもの半分の力加減の意識でフルスイングと同じ大きさだけどゆ~~~~~っくりとスイングしてください。相当ゆっくりの意識じゃないと早く振っちゃいます。フルショットで200ydの人が150ydで止めるのはなかなか難しいですよ。そう、半分のつもりでも150yd位余裕で行っちゃいます。
しっかりと当てられれば、ドライバーはしっかりと仕事をしてくれます。是非みなさん、まずは10.5度のドライバーを使って練習してみましょう!!そしてフルスイングで18度以上の高さが出てしまったり3500回転以上のスピン量が出てしまったら、その時初めてロフトを9.5度に下げてみれば良いと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。
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