春になったら長さ34インチのパターが打てなくなった!? その理由とは
石井良介のゴルフ・すべらない話:第23回
石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話」。前回(第22回)はパットについてお話ししましたが、この冬から春にかけて、パターについて自分でも「へえ~」と思うことがあったので紹介させていただきます。
写真/ゴルフサプリ編集部
一冬越えたら34インチのパターが打てなくなっていた
まず僕のパターの好みなんですが、仕事柄もあってわりと移ろいます。でも、最近流行っているダブルワイドやワイドフランジ型のパターは苦手。ピン型でもヘッドの後ろ側が長くなっているパターは全然イメージが湧きません。自分でもよくわからないんですが、とっても振りづらいんです。同じ後ろが長いヘッドでも、丸いマレットだったり、中尺でヘッドが大きいのは打てるんですけどね。
で、このところはずっと、オデッセイの「ロッシーS」という、いわゆるショートスラントネックで33インチのパターをすごく気に入って使っていました。僕はもともと34インチなんですが、冬場に買ったせいで、厚手のジャンパーとかウインドブレーカーなどを着込んで使うことが多かったんですが、それで34インチを使うと、グリップエンドがお腹にシャーシャー擦れてたまに引っかかるので、そうならないよう物理的な理由だけで33インチにしました。
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やがて春になり軽装でプレーできるようになったので、同じモデルの34インチを買ったんですが、これが何と振りづらくて仕方がない。自分でも「なにこれ?」ってくらい変なんです。いろいろ工夫してみましたが、結局感じは悪いまま。ついにあきらめ、34インチを切って33インチにして使っています。相変わらず39インチの中尺とかは平気でストロークできるんですけどね。
たかだか1インチの話、みなさんには大したことなく聞こえるかもしれないんですが、僕にとっては不思議で、結構大きなことでした。自分の心の声じゃないけれど、そういうのを聞いた気がしたんです。動かしやすいかどうかはすごく大事ですが、それが時として変わるということを改めて知りました。お気に入りと思ってずっと使っているものでも、ちょっとしたことがきかっけで別れが訪れることがあるんですね。
マン振りだけでクラブを選ぶからオーバスペックになる
ところで、みなさんはゴルフショップでパターを探す時、どんなことを気にしているでしょうか? 好きなヘッドやネック形状、シンプルにカッコいいこと、新作など、選び方はいろいろあります。もちろんどれもあっていいですが、絶対に欠かせないポイントがひとつあります。それはボールを真っすぐ打ち出せることです。
僕も理由はわからないのですが、誰にとっても、ボールを真っすぐ打ち出せるパターは必ず存在します。自分のイメージと合いやすい、といってもいいかもしれませんが、いずれにしてもそういうパターを使った方が楽です。合わないものを合わせるという発想もありだと思うし、ストロークに難があればそれを矯正してくれるパターでもいいですが、グリーンではラインに乗せることしか意識していないわけですから、最終的には思ったところに打ち出せるパターじゃないと頼りにできません。
その流れで言うなら、他のクラブを試打する時にも必ずコースを想定しないといけません。例えばドライバーなら、単純に自分が気持ちよく打って最長飛距離が出るクラブを選ぶ、というのは、ちょっとお子ちゃまの選び方。左サイドにOBがあるシチュエーションをイメージして自分がどんな反応をするかを見たり、ここは右を消す、あるいは左を消すという意識をもって試打をする。
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僕はよく苦手なゴルフ場の何番という感じで具体的なホールを想定して打ちますが、そうするとクラブスピードが落ちます。人間はイメージするので、失敗した経験があるからコントロールするんでしょうね。マン振りだけでクラブを選ぶと、そういうところでオーバスペックになってしまう。だからコースで使えない、といった事態を招くんです。
とはいえ、最初からコースを想定するわけではありません。はじめは何気なく打って「このクラブはいいな」と思ったら具体的にイメージしはじめます。アイアンならピン位置はもちろん、ハザードや風もイメージし、それらに対して自分がどんなことをするのか、意識したところに打ち出せるかどうか逐一チェックしながら打っています。
試打会でアマチュアの方が試打するのを見ていると、みんなどのクラブでも真っすぐいい球を打とうとしすぎています。また、試打してミスが出ると、一言めに「ごめんなさい!」って言うんです。自分がうまく打てなくてごめんなさい、ということなんでしょうが、そんなの畏れ多い。謝る必要なんかなく「何だこれ、真っすぐいかねーよ」って言えばいいんです。そして、自分が打てないクラブはすぐ返す。だって打てないんですから。まあ、口で言うほど簡単ではないかもしれませんが、コースで打って、その球が出た時と同じことをやらないと試打しても意味がありません。これから試打の機会がある方は、ぜひこの姿勢を忘れずに臨んでください。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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