ブライソン・デシャンボーのドライバースイングを分析【連続写真つき】
連載「大判写真で見る、一流プロのドライバーマネどころ」VOL.8
米国では「ゴルフの物理学者」という愛称で、独自のスイング理論をもつブライソン・デシャンボー。今シーズンはすでに米ツアーと欧州ツアーで計2勝を挙げて、世界ランキングは8位まで浮上。今回はブライソン・デシャンボーのドライバースイングを写真とともに解説していく。
独自のスイング理論で世界トップ10に!|ブライソン・デシャンボー
テークバックのヒミツ|ノーコックで、腕とクラブが一直線
ブライソン・デシャンボーのテークバックでは、コッキングの動きがなく、左右の腕を伸ばした状態で、腕とクラブがほぼ一直線になっている。
マス目連続写真で見るブライソン・デシャンボーのドライバースイング分析
❶ アドレスは、ややハンドアップ
手首はやや高めの位置にあり、ヘッドも地面に置くのではなく、ボールの高さに合わせて構える。
➋ バックスイングの後半までノーコック
トップ付近では多少のコッキングがあるが、バックスイングの後半まで手首はノーコックをキープしている。
左軸のバックスイングからダイナミックに切り返す!
❸ フォローでも手首は低い位置に!
インパクトからフォローにかけても手首は低い位置をキープすることで、再現性の高いスイング軌道になっている。
【POINT】
強烈な上半身のパワーを生かして、ダウンスイングで左ヒジを体に引きつけることで、ヘッドが遅れて自然とタメができる。それが飛距離につながっている。
ブライソン・デシャンボーのドライバーグリップのヒミツ
極太グリップで、手首の動きを抑える!
標準のグリップに比べて、かなり太いグリップを使っているのはノーコックで打つための工夫だと思います。パターで太いグリップを使うのも基本的に同じ効果ですが、グリップが太いと手首の動きを制限できるので、手首の開閉やコッキングの動きをしにくくなるのです。
握り方としては左手がややウィーク気味になっていて、それも『手首だけを返さない』で、腕とクラブを一直線で打つための握り方だと思います。
アマチュアが一直線をマネすると右にスエーしやすい !?
デシャンボー選手は物理に基づいたスイング理論を具現化するべく、アドレスで左腕とクラブ(シャフト) が一直線になった状態をスイング中にキープしようとしています。
バックスイング後半まではノーコックで一直線をキープしていますが、トップ付近からはコックが入りクラブを身体に近づけることで、スムーズな切り返し動作へとつなげています。
アマチュアゴルファーがノーコックでのバックスイングをマネしようとすると、腕とクラブが身体から離れてしまい重心が右に流れてしまい、ダフリやパワーロスとなりやすいです。
デシャンボー選手は左軸でのバックスイングでそれを防ぎ、切り返しからは左肩と左ヒジに全身の体重をかけるよう、左下方向に全身で踏み込んでいくことで強烈なパワーを生んでいます。
左腕とクラブを一直線にクラブを扱いながらも、ダウンスイングではクラブを身体の近くに引き付けてくるこの左サイドの動きがデシャンボー選手の生命線です。
皆さんも、一直線のバックスイングより、この左サイドの踏み込みを意識してもらった方が、ミート率もアップし飛ぶようになると思います。
ブライソン・デシャンボーのドライバースイングのマネどころ
左ヒジを体から離さず、真下に!
よく、アマチュアの人に「左ヒジを引きつけてください」と教えると、ダウンスイングでは目標方向に左ヒジを出そうとする人がいるのですが、それはNG!左ヒジを目標方向に出すと、シャフトが寝てしまいます。
正しくはトップからダウンスイングでは左ヒジを上から下に動かすことです。ヒジが下に動けば、シャフトを立ててハーフウェイダウンに入るので、ダウンブローに打てます。
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ヒジの向きが地面やボールを向くのが正解。ヒジがインパクト前から目標を向くのはNG。
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左肩が上がってしまう人は、左ヒジが目標を向き、クラブも寝てしまう。
●解説・レッスン
永井延宏
1969年生まれ、埼玉県出身。10歳からゴルフをはじめ、25歳でアメリカにゴルフ留学。フロリダのミニツアーに参戦しながら最先端のティーチング理論を学ぶ。帰国後、本格的にレッスン活動をスタート。わかりやすい指導で多くの信奉者をもつ。
協力/ゴルファーレ高田馬場
GOLT TODAY本誌 No.565 15~17ページより
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