ミスショットによる負の連鎖を止めてくれるのは、心の中の“リトル・キャディ”
たいていは90台のスコアで回れるけれど、調子が悪いとすぐに100を叩いてしまう。そんなゴルファーたちは「いつも80台で回れるような安定したプレーがしたい!」と心底願っているはず。
そこで飛距離アップのコツと、スコアアップに直結するメンタル学を学ぼう。
Q.「ミスショットが続くと、すぐにキレてしまいます」
もう一人の自分と仲よく対話しながらプレーを進めよう
プレーの途中キレてしまうのは、心の中のもう一人の自分とケンカしてしまうから。ミスしても励ましてくれて、戦術面でも対話できる自分をキャディさんとして雇うといい。
球を打つ技術は確実に上がっているのにスコアがなかなか縮まらないとしたら、メンタル面やコースマネジメントの考え方に原因があるといっていいでしょう。
自分の実力以下のプレーをしてスコアを崩しているのか、自分の実力以上のことをやろうとしてスコアを崩しているのか、それは一概にいえないと思いますが、結局、皆さんは自分のことを理解できていないところに尽きると思うのです。
そういう意味では、キャディさんはゴルファーを見極める能力に長けています。たとえば220ヤード地点に池があるホールで、距離の出る人には「飛びすぎると危険だからスプーンで打ちましょう」と勧めますが、飛ばない人には「あなたはドライバーで大丈夫です」という具合に個々に違うアドバイスをしてくれます。
その人の実力に見合った攻め方を教えてくれるのですから優秀なパートナーです。今は乗用カートのセルフプレーが主流ですが、だとしたら優秀なキャディさんを自分の心の中に雇ってはどうでしょうか。
「ここは何番で打つのがいいかな?」、「8番だと少し小さいから7番がいいんじゃない?」などと、もう一人の自分と対話しながらプレーを進行するのです。
ミスしたときは、もう一人の自分とケンカばかりしてしまいがちです。
「下手だな」、「うるさい、黙れ!」という状態では、いつもキレっぱなしです。「大丈夫。まだまだチャンスがあるよ」と言い聞かせて、自分を励ましてくれる優秀なキャディさんを、いつも自分の心の中に宿しておけば、メンタルの波を小さく抑えることができます。もう一人の自分が、自分の実力を冷静に判断してくれますから、戦術面でもミスがかなり減ってきます。
そうすることによってイライラすることがなくなり、最後までメンタル的に落ち着いてプレーでき、スコアがまとまってきます。
A.「親切なキャディさんを心の中に雇いましょう」
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。
松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
イラスト/北村公司
GOLF TODAY本誌 No.566 115ページより
<メンタル理論編>
●Vol.1:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.1
●Vol.2:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.2
●Vol.3:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.3
●Vol.4:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.4
●Vol.5:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.5
●Vol.6:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.6
●Vol.7:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.7
●Vol.8:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.8
●Vol.9:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.9
●Vol.10:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル理論編 VOL.10
●Vol.11:スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.11
【関連】
・スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|スイングテクニック編 VOL.1