ゴルフを変える腸活 第5回｜腸活はゴルフにどう影響するの？

腸は「第2の脳」といわれるほどメンタル面の影響を受けやすい器官。ゴルフのプレー中にお腹の環境や働きを左右することがあってもおかしくないのですが、「ちょっとした習慣や心がけで、2週間くらいあればお腹の調子は整います」と小林暁子医師は言います。テレビや雑誌で注目されている“腸活”。さっそく今日から取り入れて、次のゴルフでは快適ラウンドを楽しみましょう!!

指導・小林暁子先生（医学博士）
順天堂大学医学部卒業。2012年、便秘外来、内科、皮膚科、女性専門外来など全身の不調に対応する小林メディカルクリニック東京を開業。便秘外来では、のべ20 万人以上の治療に携わるとともに腸内環境の正しい知識普及につとめる。

腸内環境が整うと自律神経も安定し、いいプレーができるようになる!!

腸内環境をよくする“腸活”を取り入れよう

昨年末からスタートしたこの連載のタイトルは『ゴルフを変える腸活』です。ゴルフを変えるって、どういうこと？そんなことできるの？
読みながら疑問を持たれた方も多いと思います。
ここで答えを言ってしまうと、“腸活”によってゴルフを変えることは十分できます。“腸活”は、健康志向が高まり、腸の働きや重要性が注目されるようになった昨今よく使われる造語ですが、腸内環境をよくするための日々少しずつの心がけや良い生活習慣を取り入れることと私は受け止めています。

ぜん動運動を促す自律神経の存在を意識

腸には多くの血管が通い、食物を消化吸収するだけでなくそれによって質の良い血液を全身に届ける役目を担っています。また感染症などの病気から体を守る免疫機能など日常生活を健康で快適に過ごすための要にもなっています。
その腸と深い関わりをもつのが自律神経です。ここ数年テレビの情報番組などで皆さんもよく耳にしているかもしれませんが、改めてご説明すると、自律神経は脊椎の中を通って体中に張り巡らされている末梢神経の一つです。心臓を動かし、内臓を働かせ、呼吸、血流、体温などをコントロールして生命の根幹を支えています。腸の活動全般もそうですし、排便に必要なぜん動運動も自律神経の働きによって促されます。

夜はリラックスして副交感神経をキープ

自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、車に例えると前者はアクセル、後者はブレーキのようなものといえます。二つがバランス良く働くことで安全かつ快適な仕事ができるのです。
両者のバランスは、天候、気温、一日の時間帯、場面ごとで常に変化しています。朝、目覚めてから日中は交感神経が徐々に優位になって、いわば“仕事モード”を保ち、昼食後くらいから緩やかに下がっていきます。一方、副交感神経は日中低く、夕方から上がり始めます。夜にかけて更に高まることで“リラックスモード”に入り、睡眠中は朝方まで優位をキープします。
ちなみに排便のコントロールには副交感神経が大きく関わりますから、夜は心身ともにリラックスさせて交感神経を落ち着かせ、副交感神経をキープすることが大切です。

2〜3週間で腸が整いメンタルも安定する

さらに「腸は第2の脳」といわれるほど、脳とも密接な関係があります。
どういうことかというと、人は緊張や不安といったストレスを脳で感じとります。すると交感神経が高まって血管が収縮。敏感な腸はすぐ影響を受けてお腹をこわしたり便秘をしたりといった症状が表れます。このように腸と脳と自律神経のバランスは、お互いに影響しあっているのです。
ですから、食事はもちろん睡眠や入浴や運動など多岐にわたる日常生活の項目を見直すことによって、個人差はありますが早ければ2〜3週間で腸の活動や調子が安定してきます。腸内環境が向上するとメンタルが落ち着き、気力体力も充実して集中力が高まることがわかっています。仕事やゴルフのパフォーマンスが上向くのはそのためです。
次回からは、腸内環境を整えるには日常生活のどのような点を見直したら良いかについてお話ししましょう。

まとめ
・日頃から腸内環境を整える心がけが大切
・腸には質の良い血液を全身に送る役目もある
・自律神経のバランスを整えることでゴルフにも好影響

□夕方から交感神経は下がり、副交感神経が上がってくる
□心身をリラックスさせ排便を促す副交感神経をキープする
□腸内環境がいいと気力体力が充実してゴルフに集中できる

《次回のテーマ》
ゴルフ前夜、飲み会の注意点は？

ゴルフを変える腸活

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