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正しいクラブの動きは右手だけでクラブを振るとわかる|三觜喜一が贈る「80台ゴルフを実現するスイングの作り方」(1/2)

驚くほど“芯を喰う”ようになる! ! MITSUHASHI MAGIC大特集 Part2-1

2020/12/25 ゴルフサプリ編集部

YouTube登録者数が30万人を超え、ヒット数が80万件に迫ることもある大人気コンテンツ「MITSUHASHI TV」が話題のカリスマコーチ・三觜喜一。アマチュアはもちろんプロのウイークポイントも一発で見抜き、スイングを正しい方向に導く手腕は“三觜マジック”と呼ばれるほど的確かつ即効性抜群だ。そんなカリスマが唱えるスイングの基本を誌上でたっぷり公開。今のレベルからステップアップできるだけでなく、普通に80台で回れるスイングが手に入る!

GOLF TODAY本誌 No.582 22〜31ページより

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80台スイングへの道プロローグ|クラブの正しい動き方は右手一本で振ればわかる!

スイング習得における基本中の基本はスイングの原理原則を知ること。そのエッセンスのすべては右手一本でクラブを振る動きに含まれている。

ゴルフスイングの概念は不要右手一本で振りやすいように振る

ゴルフは道具を使うスポーツ。道具の使い方を抜きにしてスイングは習得できませんが、アマチュアゴルファーのほとんどは、道具であるクラブの使い方を知らずにボールを打っています。

プロをはじめ腕達者たちはクラブの使い方がうまい。というか、見た目は違っても、ダウンスイングからインパクトの過程では、みんな同じようにクラブが動いています。また、プロが軽く振っているように見えるのもクラブを正しく使えているからにほかなりません。いわば、これらがスイングの原理原則です。

そして原理原則を知り、スイングに反映させる手がかりを与えてくれるのが右手一本でクラブを振ることです。例えば重いウエッジを振ると、誰もがクラブに頼って動きます。でないと振りづらいから。この動きにこそスイングのエッセンスがぎっしり含まれているのです。

まずは、右手一本で何も考えずにクラブを大きく振ってみましょう。ゴルフスイングの概念は一切不要。振りやすいように振るだけでOKです。

80台スイングの絶対条件|手元は常にクラブより先行する

右手一本でクラブを大きく振る場合、手元がクラブより先行する。そのほうが楽に大きく速く振れるから。クラブは最後に動くカタチになる。

両手で持っても右手一本と同じように振る

手元は常にクラブより先行していることが、80台スイングの絶対条件。

テークバック〜ダウンスイング

ヘッドを置き去りにする感じで手元が先に動く。
ヘッドから先に動かすと大きく速くスイングできずフェースも開く。
右手一本の要領で振ると、フェースは閉じて上がり、開いて下りてくる。
クラブが追随する格好になり手元が先に下りる。

インパクト〜フォロー

手元が先行するからハンドファーストになる。
手元が先行するとフォローで一瞬ヘッドが追いつく。
両手でも右手一本と寸分違わないようにスイングできるようになるのが目標。

素早く「ビュン!」と振ったら誰もが手元を先行させる

右手一本でクラブを振る時に、クラブヘッドから動かす人は少ないはず。小さく振るならまだしも、大きく振るのは大変ですし、速く振るとなったらもう無理です。

どう振るかといえば、手元を先行させる。右手でクラブを引っ張り上げるように動かし始め、下ろしてくる時も手を先行させる。速く振ろうとするほど、この傾向は顕著になります。

クラブを逆さに持って素早く「ビュン!」と振ったら、誰もが手元を先行させるのです。

これは特別なことではありません。大きく、速く振ればこうなるのが普通なのですが、クラブを両手で持ってボールを打つとなるとできなくなります。両手でボールを打つ時も右手一本のように手元を先行させることが、スイング習得のゴールになると覚えておいてください。

手元が先行した結果ハンドファーストになる

手元が先行した状態で手がアドレスの位置に戻ってくると当然クラブは遅れる。こうしてできるのがハンドファースト。手元が先行すれば必然的にこの形になる。

手元が正しく先行すればクラブは勝手に上がる

手元が先行するとヘッドが上がらない気がするが、手元を勢いよく先行させることでヘッドにも勢いがつく。その結果、ヘッドがリードする感じで跳ね上がる。

テークバックでフェースはボールを向いたまま

スイングの始動で手元が先行するとフェースは開かない。ヘッドは置き去りになる感じで動き始め、テークバックではフェースがボールを向いたままになる。

テークバックのポイント|ハンドルを左にきるように肩から先が動く

テークバックの初動ではフェースは開かずやや下向きになる。これを両手で行なうと、車のハンドルを左にきる時の動きと同じになる。

クラブと体の位置関係を変えないように左ハンドルをきれば、両手でも右手一本と同様にテークバックできる。

クラブと体の関係性を変えずに左ハンドルをきる

右手一本では始動で手元を先行させるが、ほどなく体も動く。クラブを両手で持った場合も体の動きは必要。クラブと体の関係性を変えなければこれができる。

シャフトに左回りのトルクがかかってフェースが閉じる

右手一本スイングの初動を両手で行う場合、私は「左ハンドルをきるようにテークバックしてください」と伝えます。

文字通り、車のハンドルを左にきるように手を動かすわけですが、こうするとクラブヘッドが手元より遅れて動き始めます。と同時にシャフトに左回りのトルクがかかってフェースが閉じる方向に動きます。左ハンドルをきることで、右手一本の理想的な動きを再現できるわけです。

気をつけてほしいのは、手だけで左ハンドルをきらないこと。左右の手が交差し、フェースだけがかぶってしまいます。これを防ぐにはクラブと体の関係性を変えずに左ハンドルをきること。これができると正面から見て左肩が下がって右肩が上がり、肩がタテに回る格好になります。

肩はタテに回る

左ハンドルをきると肩から先が左に回り、左手が下、右手が上の位置関係になる。前傾した体勢で左ハンドルをきるので必然的に肩はタテに回ることに。肩の水平回転はもってのほか。回そうとする必要もない。

テークバック~ バックスイングのポイント|クラブが上がるのは左体側が縮み、右体側が伸びるから

テークバックからバックスイングでは能動的にクラブを上げない。前傾した状態で左肩が下がり、右肩が上がることでクラブは勝手に上がる。

左肩を下げて左ワキを縮めながら回る

ダウンスイングからインパクトでは右に側屈。バックスイングとは逆に右ワキが縮み、左体側が伸びる。
このプロセスではクラブに引っ張られて体が右に流れないよう、左足を踏ん張っておくことも大事。

胸を回して手を下げるとクラブが上がる

手元が下がってクラブヘッドが上がる。これがテークバック~バックスイング本来の姿。
バックスイングでは能動的にクラブを引き上げることはない。

左側屈して手が下がるとクラブは勝手に上がる

テークバックでは肩がタテに回りますが、これは体の両サイドが伸び縮みしているからでもあります。すなわち、左体側が縮み、右体側が伸びています。正確には左ワキ下の前鋸筋が縮み、右体側の腹斜筋が伸びています。

これを左側屈といいますが、この動きがあると手先を使わなくてもクラブが上がっていきます。裏を返せば、手を使って能動的にクラブを上げなくてもいいわけで、右手一本でクラブを引き上げていくのと同じ動きになります。

これができるとクラブを「上げる」発想が不要になり、むしろ「下げる」感覚になる。左ハンドルをきって側屈すれば胸が右を向き、手元が下がってヘッドが上がるので、考えることなくバックスイングに移行できます。

クラブを能動的に引き上げるほど、体が伸び上がったり、腰が引ける。

バックスイング~ 切り返しのポイント|右ヒジを先行させてクラブを引き上げる

野球のピッチングやテニスのショットではヒジを先行させて動くがスイングも同じ。右ヒジを先行させないとヘッドスピードが上がらない。

右ヒジを引き上げることで手とクラブが素早く、高い位置へと上がり、スピードアップの準備ができる。ご覧の通り、右ヒジは空いてもいい。
右ヒジを内側に押し込んだり、クラブが先行した形で右ヒジが上がってもヘッドスピードは上がらない。

目標方向にクラブを投げるイメージで振りかぶる

クラブを目標方向に投げると想定した場合、ヒジを外側に振り出したほうが断然投げやすい。

右ヒジの引き上げは腕を速く振るのに必須の動き

バックスイングでは右ヒジを先行させます。右ヒジを空に向かって引き上げるイメージです。

右手一本で振った場合、このタイミングで右ヒジが外側に振られて右ワキが空きますが、このイメージのまま両手で動けばいい。ワキは空いても構いません。

モノを思いきり投げる時に、右ヒジを内側に押し込んで投げる人はいません。野球のピッチャーもテニスのフォアハンドも、投げる前、打つ前には必ず右ヒジを引き上げて助走をつけます。腕を速く振るには必須の動きですが、なぜかゴルフだとできない。それはひとえにボールに当てに行くからです。道具を振るという意味ではテニスのフォアハンドのイメージが有効。右ヒジで外側にラケットを引き上げる動きはスイングそのものです。

テニスのフォアハンドと同じ動き

飛んでくるボールに対してラケットを引き上げて打ち返すフォアハンドの動きはスイングと同じ。

ダウンスイングのポイント|飛球線と逆方向にクラブを引き続ける

ダウンスイングのポイントはクラブを立てないこと。グリップエンドをボールに向けず、右方向に引きがながら体を回すことが重要だ。

飛球線と逆方向にクラブを引き続ける

グリップエンドを右方向に引き、この形でダウンスイングするとクラブが寝てシャローに下りるが、これが正解。クラブは立って下りない。

自分サイドにクラブを引きつけない

右方向にリリースしながら体を左に回すのが正しいダウンスイング。
クラブを引きつけると腰が開き悪い形の振り遅れになる。
クラブは引きつけない!

ヘッドが遠回りしてヘッドスピードもアップする

トッププロはみんな、飛球線と反対方向にグリップエンドを引きながらダウンスイングしますが、アマチュアは意図する、しないにかかわらず、ボールに向かってグリップエンドを下ろします。この違いはクラブのベクトルに大きく影響します。

プロの場合はクラブが右に投げ出されるように動くため、ヘッドが遠回りして下りる。その分ヘッドスピードも上がります。アマチュアは自分のほうにクラブを引っ張り込んでタメを作ろうとしますが、手を低くキープできないのでヘッドが落ちてしまう。結果、ダフりや、すくい打ちになります。クラブを下ろす際は釣りのキャスティングのように右サイドにクラブを投げ出しましょう。手元の先行をキープしつつ低い位置に保てるので勝手にタメができます。

トップから右方向にキャスティング

トップから右方向にクラブを振り出す。体の回転が伴うことでヘッドが遠回りしヘッドスピードが上がる。

三觜喜一
みつはし・よしかず 1974年生まれ。神奈川県出身。PGAティーチングプロ。10歳でゴルフをはじめ、プロ転向後1999年からレッスン活動をスタート。体に無理のないスイング作りを提唱し、早くからジュニアの育成に手腕を発揮。辻梨恵をはじめ多くのプロを育て指導を続けている。MITSUHASHI GOLF ACADEMY主宰。YouTube「MITSUHASHI TV」は登録者数30万人を超える。


驚くほど“芯を喰う”ようになる! ! MITSUHASHI MAGIC大特集 Part2
80台スイングへの道(1/2)

 Part2 80台スイングへの道(2/2)へ続く

取材協力/箱根湖畔GC、修禅寺CC、SHIZUOKA GEARS LAB、オットチッタ、三島GC

驚くほど“芯を喰う”ようになる! ! MITSUHASHI MAGIC大特集【シリーズ一覧】
●Part1 80台ゴルフを実現するスイングの作り方
●Part2-1 正しいクラブの動きは右手だけでクラブを振るとわかる|三觜喜一が贈る「80台ゴルフを実現するスイングの作り方」(1/2)
●Part2-2 クラブは時計回り! 右旋回しながら下りていく|三觜喜一が贈る「80台ゴルフを実現するスイングの作り方」(2/2)
●Part3 トッププロに学ぶスイング力アップのポイント
●Part4 ミスが出る最大の原因は〝構え方〟にあり|ミスはアドレスで直す!