クラブは時計回り! 右旋回しながら下りていく|三觜喜一が贈る「80台ゴルフを実現するスイングの作り方」(2/2)
驚くほど“芯を喰う”ようになる! ! MITSUHASHI MAGIC大特集 Part2-2
YouTube登録者数が30万人を超え、ヒット数が80万件に迫ることもある大人気コンテンツ「MITSUHASHI TV」が話題のカリスマコーチ・三觜喜一。アマチュアはもちろんプロのウイークポイントも一発で見抜き、スイングを正しい方向に導く手腕は“三觜マジック”と呼ばれるほど的確かつ即効性抜群だ。そんなカリスマが唱えるスイングの基本を誌上でたっぷり公開。今のレベルからステップアップできるだけでなく、普通に80台で回れるスイングが手に入る!
GOLF TODAY本誌 No.582 32〜41ページより
ダウンスイング~インパクトのポイント|クラブは右旋回しながら下りる
手元より遅れて動いてきたヘッドは、切り返しで一旦手元を追い越し、再び手元が先行する態勢に。クラブは右旋回しながらダウンへと移行する。
スイングは「右回り」の回転運動
スイングとは右回りの運動であることを理解する
切り返しではクラブと手元が入れ替わり、今度はクラブを振り下ろすべく手元が先行しますが、ここからインパクトに向けてクラブは右旋回します。これも特別なことではなく、先端が重い物を速く振るには欠かせない動きです。
ところが早く当てたいと思うアマチュアはボールに向かってクラブを直線的に動かしがち。これがクラブが外から下りるスイングを誘発します。また、意図的に右旋回させると手元が上がってダフりますから、クラブの動きにしたがって行われることが大事です。
それにはスイングの基本は右回りの動きであることを理解しましょう。体の前でクラブを右回りにブンブン振ってみる。ここに体の動きを加えていくと、いつの間にか正しい右旋回スイングになります。
フェースは開いて下りてくる
フェースがボールを向きながらテークバックし、左ハンドルと左側屈でクラブが上がっていく。切り返しからダウンスイングでクラブが旋回し、クラブは寝てフェースが開いた状態で下りてくる。手元は低い位置でクラブより先行し、インパクトでもそれは同様。そして、ハンドファーストインパクトになる。
ダウンでワキは締めてもダメ、空いてもダメ
気持ちよく動いてクラブの遠心力を上げるには、ワキの締め方が大事。空くのは論外だが閉じてもダメ。腕の付け根を胸に当てるくらいがちょうどいい。
インパクトのイメージは|外角低めをバックスクリーンにホームラン!
野球で外角低めのボールを打つイメージで振るとクラブの動きを損なわない
ヘッドが上から入るとゴロになる
体はタテに回る
前傾して外角低めのボールをホームランするには、右肩を下にして打つ必要がある。体をヨコに回すとこの形にならないので、左右の肩が上下に入れ替わるよう体をタテに回す。
遠心力によりクラブが倒れてインから下りる
重力に従って落ちてきたものを放り投げる
スイングで大事なのはクラブが加速しながらボールの位置に戻ること。それにはいかに遠心力を働き続けさせるかがポイントです。
野球に置き換えると、外角低めのボールをセンターのバックスクリーンにどれだけ強くホームランを打てるか。クラブが上から入ったら絶対に打てませんから「クラブが立って下りてくる」はありえません。
ということで、クラブは倒れて下から入らないといけない。重力に従って落ちてきたものを放り投げていく動作が必須になります。それには体のタテ回転が必要。切り返しの手の位置とか、腰を開くとかは、そもそも考えるべきことではない。外角低めを打つべく、当たり前にクラブが倒れ、当たり前にリリースが行われるべきなのです。
遠心力を得られればバックスイングはどこに上がってもいい
インパクトのポイント|スピネーションでフェースの向きを戻す
インパクトに向かってフェースは開いて下りてくる。これを戻すにはクラブを能動的に動かす必要がある。それがスピネーションだ。
左手首を手のひら側に折るとシャフトが左に回転する
スピネーションとはクラブフェースをターンさせる動作。引き続けることでクラブは元の位置に戻りますが、フェースは開いたままなので主体的にターンさせなければなりません。
具体的にはシャフトを左に回転させます。ただ、これを両手で行うと手元が先行する形が崩れ、いわゆる手先を使ったスイングになります。ボールは打ててもタイミングが合わせづらい。もちろんハンドファーストにもなりません。
ということでスピネーションは左手で行います。イメージ的には左手でコンコンとドアをノックするようにインパクトする。左手首を手のヒラ側に折ることでヒジから先が左に回り、シャフトも左に回ってフェースがターンします。スピネーションが入らないとボールがつかまらないので、確認しながら練習してください。
滴を払うように右手を動かす
ドアをノックするように左手を使う
80台スイングになる!オススメ練習法
①オープンに立って ドローを打つ
左を向きインからクラブを入れてドローを打つ
海外のトッププロの中には、ややオープンに構える人がいますが、これはターゲットに対してインからクラブを入れたいから。インから入るとダウンブローに打ちやすいことを見越してのセットアップです。
ということで、オープンスタンスで構えて、しっかりインサイドから打つ“オープンドロー”の練習をするのが効果的。左を向いてドローめに飛ばそうと思ったら、誰でもインからクラブが下ります。全盛時のジャンボ尾崎プロが誰よりも長くターフを取れたのは、このように打っていたからなのです。
手元を遠くに運んでクラブを下ろす
②ボールの入ったカゴを振る
カゴの動きに合わせて重心をコントロール
ある程度の重みを感じるくらい、底にボールを残したボールカゴを振るドリル。カゴの重さを利用しつつ体を連動させる。ポイントはどのタイミングでもカゴの中でボールが暴れないこと。振っている途中でガザっと音がしたらアウト。カゴの動きに合わせて自分の重心をコントロールできるようにもなる。
ボールの音がしたらダメ!
③アップターンスイング
バックスイングでヘッドがやや遅れる
クラブを右回りに振るドリル。アドレスしたら上体を起こし、胸の前にグリップがあってクラブが真っすぐ立った体勢をとる。そこからバックスイングをスタートしたら一気に振り抜いてボールをヒットする。バックスイングのタイミングで少しヘッドが遅れることで、右回りのスイングになる。
④“地面に向かって”腕を伸ばして投げる
ヘッドカバーを飛球線方向へ飛ばす!
ヘッドカバーを、地面に向かって右ヒジを伸ばしながら腕を振って、前(飛球線方向)に飛ばします。体を使って振ってしまうと右肩・右腰が回り、リリースのタイミングが遅いと、体の前か右方向にしか飛びません。
三觜喜一
みつはし・よしかず 1974年生まれ。神奈川県出身。PGAティーチングプロ。10歳でゴルフをはじめ、プロ転向後1999年からレッスン活動をスタート。体に無理のないスイング作りを提唱し、早くからジュニアの育成に手腕を発揮。辻梨恵をはじめ多くのプロを育て指導を続けている。MITSUHASHI GOLF ACADEMY主宰。YouTube「MITSUHASHI TV」は登録者数30万人を超える。
取材協力/箱根湖畔GC、修禅寺CC、SHIZUOKA GEARS LAB、オットチッタ、三島GC
驚くほど“芯を喰う”ようになる! ! MITSUHASHI MAGIC大特集【シリーズ一覧】
●Part1 80台ゴルフを実現するスイングの作り方
●Part2-1 正しいクラブの動きは右手だけでクラブを振るとわかる|三觜喜一が贈る「80台ゴルフを実現するスイングの作り方」(1/2)
●Part2-2 クラブは時計回り! 右旋回しながら下りていく|三觜喜一が贈る「80台ゴルフを実現するスイングの作り方」(2/2)
●Part3 トッププロに学ぶスイング力アップのポイント
●Part4 ミスが出る最大の原因は〝構え方〟にあり|ミスはアドレスで直す!