パットの方向性アップの極意 藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方
第10回 方向性アップの極意
パットは振り幅が小さく、芯に当てやすい。にもかかわらずボールを押し出したり引っかけたりしてしまう。この原因を解明し方向性を高めよう。
GOLF TODAY本誌 No.598/132〜135ページより
フェースが真っすぐなら真っすぐコロがる。
フェースが左を向くと出球は左になる。
インパクトでのフェースの向きが何よりも重要
パットはドライバーなどのショットに比べ、振り幅が小さく、ヘッドスピードが遅くなるのが特徴。そのため、ストロークの軌道よりも、インパクトでの「フェースの向き」が方向性に大きな影響を与えます。
ヘッドスピードが速いドライバーショットは、多少フェースの向きがズレても、軌道が正しければ方向性を確保できますが、パットはいくら軌道が正しくても、フェースがわずかでも左を向くとボールは左に、右を向くと右に打ち出されます。つまり、インパクトでフェースを狙ったところに真っすぐ向けることが、最優先かつ一番重要なポイントなのです。
アマチュアの方は、軌道や打ち方を意識しすぎるあまり、フェースの管理がおろそかになりがちです。テークバックでヘッドを真っすぐ引いても、真っすぐ打てるとは限りません。ですから、インパクトでのフェースの向きにもっと集中しましょう。
また、アドレスで真っすぐ構えているつもりでも、フェースの向きがズレていることがあります。ラインを読み、スパット(目印)を設定したら、それに対してフェースを真っすぐにセット。方向性に悩んでいる人は、まずはここから始めましょう。
軌道や打ち方より、インパクトでの「フェースの向き」を重視する。これにより、パターの引き方などが気にならなくなり、結果的にスムーズなストロークになる。
ボールの30~50センチ先にスパット(目印)を設定し、それに対してフェースを真っすぐにセットする。これが方向性を高めるコツ。
○「ゆるゆる」グリップで力を入れずに構える。
×本番になると肩や手に余計な力が入りやすくなるので注意。
できるだけソフトに握り手首を柔らかく使えば方向性が良くなる
ボールを真っすぐ打ち出すには、肩や手の力を抜き、リラックスして構えること。そして、クラブをできるだけソフトに握ることがポイントです。私の場合、指先でクラブを引っかけているだけで、力をほとんど入れていません。
ゴミをゴミ箱に放り投げるときや、テニスラケットを振るときの力感を思いだしてください。余計な力を入れずに、手首を柔らかく使っているはずです。
フェースの向きを安定させようとして、クラブを強く握るのはNGです。私の感覚では、強く握るほどインパクトが「点」になってしまい、タッチが出なくなる。反対に、ソフトに握ったほうがインパクトに集中しやすく、真っすぐ打ち出せます。
小指、薬指、中指でクラブを引っかける
左右の手とも、小指、薬指、中指でクラブを引っかけるようにして、全体的にソフトに握るのが藤田流。ゴミを放り投げるときの力感が理想だという。
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自分のフォームを固めれば本番に強くなる。
練習時間を増やし自分のフォームを固めることが大事
アイアンやアプローチなどは状況によって打ち方を変える必要がありますが、パットは基本的に同じです。
上りでも下りでも大きく曲がるラインでも、打ち方は一つですから、どんな打ち方でも、自分のフォームを固めた人が本番に強くなります。
アマチュアの方はパットの練習時間が極端に少ないので、その時間を増やすことが第一。自宅ではパターマットを使った練習がオススメです。
パターマットは、真っすぐ打つクセをつけるのに最適で、狙ったところに打てているかがすぐにわかります。練習すればするほど方向性が良くなるので、日々の努力が大事。週1回100球より、毎日10球打つほうがフォームが固まり、確実に上達します。
上達の秘訣
ボールの50センチ~1メートル先に、もう一つのボールを置き、それに当てるのが万能の練習法。ボールの幅でコロがりをイメージするのがポイントで、真っすぐ打てているかがわかり、方向性アップに役立つ。
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藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げて43歳にして初の賞金王に輝いた。23年連続で賞金シード入り。得意クラブはパター。
取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
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