「体の回転主体でクラブを振るのがいい」「腕をしっかりと振らないとダメ」…一体どっちがいいの!?
よくわかる大西翔太のゴルフ初心者あるあるQ&A|VOL.1
ゴルフスイングのココがよくわからない! 経験の浅いゴルファーたちの様々な疑問を大西翔太コーチがわかりやすく回答してくれるレッスンシリーズ。第1回は「クラブはカラダで振るべきか、それとも腕で振るべきか?」のクエスチョン。納得できたら一気にレベルアップすること間違いナシだ!
大西翔太の実践ですぐに役立つスイングのツボ 10ドリル
理論をわかりやすく展開し、実践ですぐに役立つレッスンで人気の大西コーチ。そんな大西コーチが教えてくれるのはゴルフ上達...
人気コーチ、大西翔太が初級ゴルファーの疑問に答えます!
「カラダで振る? 腕で振る? どっちがいいの?」
「カラダ5割、腕5割でバランスのいいスイングをマスターしましょう!」
カラダも腕もちゃんと仕事をさせないとダメ
ゴルフスイングは「カラダの回転主体でクラブを振るのがいい」とよく耳にすることと思います。その一方で「腕をしっかりと振らないとダメ」という意見も多くて、初級ゴルファーの方々は一体どっちなの?と混乱してしまいますよね。
レッスン書でもカラダの回転が主体の「カラダ打ち」と、腕の振りを中心とする「手打ち」の両方が解説されています。最近では「手打ちはあまりよくないから、カラダの回転をしっかり意識しましょう」といった説明も目につきます。でも腕で振るのは何となくイメージがつかめても、「カラダで振るというのはどうやるの?」と首をかしげる人が多いでしょう。
結論からいえば、カラダも腕も使ってスイングするのが絶対的な基本です。ゴルファー自身がカラダの動きを優先させているか、腕の動きを優先させているかで、見た目のスイングが「カラダ打ち寄り」か「手打ち寄り」に分かれるわけで、両方にバランスよく仕事をさせないといけません。
ボク自身の考えでは、フィフティフィフティがベストです。なるべくならカラダと腕の両方に均等に仕事をしてもらいたい。腕や手だけで振ってもカラダが動かなかったり、カラダばかり動いて腕や手があまり振れていなかったりするとスイングのバランスが悪くなりますし、ヘッドスピードも上がりません。カラダと腕が50ずつ仕事をすれば両方を足して100となり、スイング全体のバランスが自然に整ってくる。これがボクの持論です。
ドライバースライスの原因と直し方・対策方法|ゴルフスイング上達
この記事ではアベレージゴルファー最大の悩みといえる、ドライバーにおけるスライスについてお話しします。初心者や初級者は...
両腕と両手をカラダの正面にキープしたまま胸を左右に回そう
初級者の方々がスイングの基本をマスターするには、カラダの動きと腕の動きを分けて覚えることをオススメします。まずカラダの動きですが、両ワキにタオルやヘッドカバーなどを挟んで練習しましょう。ポイントは腕と手をカラダの正面に固定した状態で胸を左右に回すこと。振り幅は腰くらいの高さのハーフスイングでOKです。
ここでは胸を地面に向けたままで胸を左右に回転します。上体を起こさずに構えた時の前傾角度をキープすることで、カラダと腕の動きがリンクしやすくなります。カラダの回転の基本練習をしながら腕の動きの基本も一緒にマスターできるので練習の効率が上がります。途中でタオルやヘッドカバーが落ちてしまうのはワキがあいて、カラダと腕の連動していない証拠。ワキをきつく締めすぎるのはダメですが、ヘッドカバーが落ちない程度にワキを締めておきましょう。
腕の動きについてはハーフスイングの練習で、テークバックで両手が右腰の高さくらいに上がったポジションでクラブのシャフトが地面と平行になるような形を目指してください。そしてフォロースルーで両手が左腰の高さに振り抜かれたポジションでもシャフトが地面と平行です。胸の左右の回転と腕が連動して、テークバックとフォロースルーが左右対称形となるのが理想形です。
今度はハーフスイングから徐々に振り幅を大きくしていきましょう。バックスイングで右腰の高さへと上げたら、その流れでコック(手首の屈曲)が自然に入ってきます。そして左肩がアゴの真下につくまで胸を右に回して上体を捻転させたところがトップです。
トップからはヘッドカバーを両ワキに挟んだスイング練習のイメージで、両腕と両手をカラダの正面にキープしておくイメージで胸をしっかり左に回してクラブを大きく振り抜きましょう。右肩がアゴの下についたところがフィニッシュとなります。
スイング中に両ヒザが横にズレないように注意
カラダの回転軸は背骨です。そしてスイング中は背骨の位置をできるだけ変わらないようにすること。コマだって軸が揺れると回転が歪んでしまいますよね。それと一緒で背骨の位置が安定すれば、胸を左右にスムーズに回すことができます。
下半身の動きで注意してもらいたいのは、アドレス時の両ヒザの位置をキープすることです。アドレスでは両ヒザを軽く曲げて、腰、両ヒザ、両足がきれいな台形に見えるような形を作りましょう。両ヒザを大きく開いたり内側に絞りすぎたりするのはNGです。
そしてバックスイングでは右モモの内側を締めて、右ヒザがアドレスの位置から右にズレないようにします。フォロースルーは左モモの内側を締めて左ヒザをアドレスの位置にキープしましょう。スイング中に右ヒザや左ヒザが流れると、背骨の位置も左右にズレてカラダの回転が歪んでしまいます。
腕と手をカラダの正面にキープして胸を左右に回すイメージを大事にする。アドレス時の背骨の位置をキープする。スイング中に両ヒザがズレないようにする。この3つのポイントに留意すれば、カラダ5割、腕5割で計10割のバランスの取れたスイングが身につきますよ。
カラダと腕を5割ずつ仕事させるのがベストスイング
取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ
大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富でメディアでも幅広く活躍中。
ゴルフスイングの基本を初心者向けに解説|体重移動や軌道など
「できるだけ早く上達したい!」「早く100が切りたい!」。ゴルファーなら誰もがこのように思うものです。 そして、目標達...
スイングは「ヨコ回転」と「タテ振り」のマッチング【ゴルフ初心者レッスン】ゴルフスイングの基本
YouTube番組「KOTAROゴルフTV」とのコラボレーション企画の第7回。「たくさん練習すれば何とかなる」とばかりに漫然とボール...
ゴルフ初心者が真似したい上級者のテークバック【スムーズなテークバック】
フィニッシュがかっこよく決まればスコアはよくなる。だが、そこに至るまでに落とし穴がある。ゴルフスイングで難しいのは静...