人気コーチ、大西翔太が初級ゴルファーの疑問に答えます!
「ボールをつかまえるって、どういうこと?」
「左隣の人と右手で握手するイメージでボールがつかまります!」
初級者はフェースが開いて当たりやすい点に注意
「ボールをつかまえる」というのはクラブを理想的な軌道で振り、ボールをスクエアフェースに、かつフェースの芯でヒットすることをいいます。ボールが狙った目標に真っすぐ飛んでいくグッドショットの絶対条件です。
ゴルフの経験が浅い人は、ボールが右に飛んでいくスライスが出やすい。これはインパクトでフェースが開いて当たり、コスリ球となるのが一番の原因です。インパクトでフェースが開く人はフォロースルーでフェースが上を向きやすく、これがボールのつかまりを悪くしてしまうのです。
ボールをつかまえるのは、ボールに対してきちんと当てにいくこととは違います。ゴルフのスイング動作は長くてせいぜい2秒です。そしてインパクトの瞬間は0.0005秒(1万分の5秒)といわれます。つまり自分でボールに正確に当てよう、つかまえようとしても土台無理なのです。
それにフェース面を丁寧に当てようと思うとインパクトで減速したり、グリップが緩んだりしやすくなります。下半身が止まって手先でクラブを操作することになり、かえってフェースの芯を外してしまい、ボールをつかまえるのが難しくなってしまいます。
フォロースルーでクラブヘッドのトゥが上を向けばOK
ボールのつかまりをよくするには、ボールがつかまりやすいスイング動作を覚えることが先決です。そこでアドレスの姿勢から上体を起こし、胸の前でクラブを構えてください。その体勢のままで胸を右に回し、次に元に戻して胸が目標を指すまで左に回しましょう。腕や手は何もしないで、胸を左右に回転するだけでOKです。
ここで体感してもらいたいのは、胸を右に回すときにフェースを開かなければ、インパクトまでフェースがスクエアに保たれて、フェースの芯に当てるコツがつかみやすいということです。
そして上体を少しずつ前傾させて、素振りを繰り返してください。グリップエンドをお腹の正面にキープして胸を左右に回転させるだけで、インパクトでフェースが開かないことも理解できるでしょう。そのままフォロースルーへと持っていけば自分の左隣の人と右手で握手するような体勢が作られます。そしてクラブヘッドのトゥ(先端)が上を向きます。「右手で左隣の人と握手=クラブヘッドのトゥが立つ=ボールのつかまりが良くなる」のです。
初級者の方々が、フェースが開いてスライスが出てしまうのは、手元が先に行きすぎてグリップエンドがカラダの正面が外れてしまい、クラブヘッドが遅れて下りてくるためです。「ボールがつかまらない=手元の位置が外れて振り遅れてしまう」ところに原因があるのです。
スプリットハンドドリルで「両手の入れ替え」をマスター
ボールがつかまりやすいスイング動作がすぐに身につく練習法を紹介しましょう。両手を5〜10センチほど離してグリップし、腰くらいの高さで素振りしてください。これはスプリットハンドドリルといって、グリップエンドを支点にしてスイングし、インパクト以降で両手を入れ替えるイメージで振り抜く感覚をマスターするのが一番の目的です。インパクトのポジションでグリップエンドがカラダの正面から外れなければクラブヘッドが加速し、フォロースルーでトゥが上を向きます。
慣れたらスプリットハンドでフルスイングして、ボールを打ってみましょう。頑張って腕を振らなくても、グリップエンドを支点にしてスイングすればインパクトエリアでクラブヘッドが加速し、結果的にフェースの芯でとらえやすくなります。インパクトの感触がよく、「つかまった球が打てた!」と実感できるはずです。
ボールが右に曲がってしまう。つかまりが悪くて飛距離が出ない。そんなときは大抵グリップエンドがカラダの正面から外れていますから、スプリットハンドドリルでスイングを修正しましょう。
ボールがつかまりやすいスイング動作をマスターしよう
取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ
大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富でメディアでも幅広く活躍中。


