進行を促す「赤杭」の上手な設置方法とは?
ゴルフ規則は4年ごとに大きな改正がある。オリンピックイヤーと重なっていたが、前回の2019年大改正から1年前倒しになり、今年がそれに当たる。
前回の改正では〝プレーファスト〟を実行するために、かなり判断と処置がシンプルになったな、と感じていた。
一番驚いたのは、レッドペナルティーエリアの扱い。川や池が絡まない場所も指定できるようになり、その中で枯れ枝などのルースインペディメントを取り除けてソールもできる、つまりジェネラルエリアと同様に打てることだった。
だが、施行から丸4年が経過したが、日本では未だに上手く活用できていないコースが多いように思える。
アベレージが大叩きしやすいホール、プレーの進行が滞りがちなコースでは必ずトラブルになるエリアが有るはず。そこをレッドペナルティーエリアに指定すべきなのだ。林やブッシュとかだけではなく、紛失球が頻発する、深いラフなども囲んでいい。
指定エリアは、あくまでもアベレージの目線で考える。打てる技術がある上級者は、そのまま打てばいいのだから…と考えると、「赤杭」を立てる位置にも一言つけ加えたくなる。
あまり〝危険地帯〟スレスレ、池の縁とかブッシュ際に立ててほしくない。ドロップする場所が池際の急斜面とか、横に出すしかない林の中のままとか。
せっかく1罰打を加算して救済を受けるのだから、せめてグリーン方向に打てる位置でドロップできるよう、設定すべきだと思う。
こう意見すると「コースの難易度が下がる」と言い出す不思議な人がいる。1打のミスが3打にも4打にも増えないと気が済まないらしいが、本当の上級者ならミスは最小限に抑える腕があるので、難易度は変わらないはず。
脱出技術が未熟なアベレージの大叩きを減らせれば、全体的なプレーの進行がスムーズになる。利点しかないはずだ。
とはいえ、むやみに「赤杭」をフェアウェイに近づけろ、というわけではない。あくまでも私の目安だが「アンプレヤブルで1パットボギーが狙えるボール位置」を考えるといいと思う。
「レッドペナルティーエリア」の在り方とは
「あるがまま」が原則のゴルフでは、極論すると救済ルールは「アンプレヤブル」だけでいい。ОBだろうが池ポチャだろうが「打てないと判断=1罰打で打てる状態に戻すアンプレヤブル」で処置できるからだ。
だが、これではボールが紛失するたびに打った元の位置に戻らなければならないので、プレーの進行が滞ってしまう。
だから、他の1罰打を伴う救済処置は「アンプレヤブル」より移動距離と時間短縮のアドバンテージがなくてはならないはず、という考えだ。
「アンプレヤブル」と「赤杭」の違いは、ドロップするのがボールの位置から2クラブレングス以内か、横切った「赤杭」ラインの基点から2クラブ以内か。
あわよくば1パット圏内に乗せられるボギーオンショット+1罰打が想定できる位置に「赤杭」を設定すべきだと思う。
そういえば先日、知人から質問があった。ボールは「赤杭」エリア外のラフ。スタンスはエリア内で、池を囲むボール止めネットにかかったが、救済はどうか、と。
回答は2通り。ネットが「動かせない障害物」なら無罰で救済可。だが「コースと不可分な物」なら救済はない。ボールがエリア内なら「動かせない障害物」でも救済はなく、そのまま打たねばならないのだが。
ボール位置が「赤杭」内外のわずかな差で判断ミスが生じないよう、この問題の真の正解はネットにスタンスがかからない位置まで「赤杭」ラインを遠ざけておくこと、だろう。
戸川景(とがわ・ひかる)
1965年3月12日生まれ。ゴルフ用具メーカー、ゴルフ誌編集部を経て(株)オオタタキ設立。現在、ライターとしてゴルフのテーマ全般を手掛けている。







